海外シンガポールで成功するためのPR戦略とプレスイベント事例

Share on

海外進出をする際に、海外向けにPR(パブリック・リレーションズ)を戦略的に実施することで、広く認知を獲得する絶好のチャンスになります。

特に、ライフスタイルブランドやF&Bなどは、PRを成功させることができれば、広告に大きな費用を費やさなくてもブランド・商品が認知され、売上に貢献します。

海外市場進出に向けたPRは、現地の市場の特性を踏まえた上で、戦略的に計画をすることが重要です。

なぜなら、現地のメディアや生活者に受け入れられて、話題にしてもらわないと露出が増えず、認知されないからです。

一方で、ローカライズしすぎると自社のブランディングを阻害する可能性もあるので、自社のブランディングを維持しつつも、現地のメディア・生活者の話題となるよう戦略的にPRを計画することが大切です。

本記事では、シンガポールで海外向けPRを手掛けるVivid Creationsが、海外・シンガポールで戦略的にPRを実施して成功させるコツ、ローンチに合わせたプレスイベントの企画の作り方とを、事例とともに詳しくご紹介します。

海外進出のPRで成功するにはローカライズが大事。だけど…

海外進出に際しPRするなら、現地のメディアや生活者から話題にしてもらわないと意味がありません

基本的なことに聞こえますが、実はシンガポール市場に進出しようとするほとんどの日本ブランドは、現地の生活者の嗜好性を考慮していない、一方的なメッセージの発信になっていることが多いのです。

実際、それが原因で現地のメディアや生活者に取り上げられていないことも多々あります。

現地メディアに取り上げてもらえるかどうかは、自社の商品やサービスをシンガポール市場に適応させた「ローカライズ」が上手くできているかどうかの判断材料になります

これから海外市場進出を狙う場合は、ぜひ現地メディアに取り上げられるような「ローカライズ」をすることをまずは第一の目標にしてみましょう。

ただし、100%ローカル視点に振り切るのも危険です。

なぜならローカル視点に寄せすぎてしまうPRを市場に参入する初期段階から実施したことによって、長期的に見て自社のブランディングを阻害する可能性が出てくるからです。

例えば、

  • 現地で流行りのパッケージデザインにしてもらったけど、全く自社っぽさが感じられない。
  • 現地で人気のイベント会場を選んでもらったが、全く自社のブランドの世界観と合わない。

などのように、ローカライズを重視して現地のPR会社・代理店を採用したことで、返って彼らの意向に飲み込まれすぎてしまい、本来維持したかったブランディングとずれてしまったというケースも多々あります。

 

逆に、ブランドの世界観の真髄を理解した上でローカライズをし、現地のメディア・生活者視点で戦略的なPRプランを立てることができれば、自社のブランディングを維持しつつも、現地のメディア・生活者で話題となることができます。

弊社は海外PRでのローカライズを以下のように定義しています。

自社の世界観を、現地の生活者・メディアに受け入れられやすいように、現地のライフスタイルや価値観に適応し、現地の人々と共創しながら価値を生み出す共創型のPRコミュニケーション

例えば、日本のスイーツブランドが、シンガポール現地で親しみのあるフレーバーをシンガポール限定で発売したり、日本の酒蔵がシンガポール人シェフとコラボレーションしてシンガポール料理に合うお酒を開発した事例があります。

後ほど詳しくご紹介しますが、現地の生活者と一緒に価値を創造するような共創型のPRコミュニケーションは、メディアやKOLにとって、記事化したり、SNSに投稿したいと思える内容と捉えられ、話題にしてもらいやすくなります。

現地でうまくローカライズをしているブランドの例として、大手飲食チェーンのシェイクシャックはシンガポール進出の際に、シンガポールのローカルデザイナーが店舗デザインを手がけ、メディアやSNSでも話題となりました。

シンガポールデザイナーによるシェイクシャックの店頭デザイン【出典】Wonderwall.sg

また、日本でもお馴染みの米国シアトル初のスターバックスは、シンガポール人に馴染みのあるローカルフレイバーの食品を「SHIOK! Food(シンガポール英語で、美味しい料理、を意味します)シリーズとして販売しています。

シンガポールの伝統菓子Kueh Salat(クエ・サラット)

シンガポールの伝統菓子Kueh Salat(クエ・サラット)。ココナッツとパンダンの風味が特徴で、ほのかにチーズの香りがするお菓子。【出典】Starbucks Singapore/Facebook

海外進出のPR・プレスイベント成功事例(弊社実績)

海外に進出する際には、海外向けにローカライズした上で、PR・プレスイベントで話題化と認知獲得ができます。

とりわけ、海外に初めてローンチする際には現地メディアやKOL・インフルエンサーから注目を集めやすく、ネット上で話題を生み出すことができます。

PRは、プレスリリースの配信だけ実施することもできます。

ですが、ブランド・商品サービスをメディ向けに紹介するイベントの機会を提供することで、メディアのジャーナリストやKOLと交流ができたり、SNS用に写真を撮影する機会を提供できたり、ブランディングのストーリー・世界観を丁寧に伝えることができるなど、プレスリリースで情報を提供する以上の成果が見込めます。

以下では、弊社で担当させていただいたPR・メディア向けのイベントの事例を詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ヤヱガキ酒造のシンガポール市場ローンチローンチPR・プレスイベント

ヤヱガキ酒造は1666年に創設された兵庫県姫路市の酒蔵です。弊社では、ヤヱガキ酒造のシンガポール進出を全面的に支援しています。

すでに日本酒が飽和しているシンガポール市場で選ばれる酒蔵になるために、シンガポール進出の際に、どのようなヤヱガキ酒造を市場にローンチするか戦略を立てました。

ヤヱガキ酒造は、「食卓を豊かにする」という理念のもと、伝統を引き継ぎつつも、新しい日本酒つくりだけに固執せずに新しいチャレンジをしている酒蔵です。例えば、クラフトコーラの開発や、プレミアムな日本酒の開発など、日本では話題となっています。

そのような背景から、弊社では「”世界”の食卓を豊かにする」ブランドを目指そうと提案し、シンガポール向けには、「シンガポール料理に合う日本酒」を開発するという企画を考えました。シンガポール料理に合う日本酒は、まだ世の中になく、初めての取り組みとなります。そこで、新しい銘柄「RASEN(ラセン)」を新しくプロデュースしました。

シンガポール料理に合う日本酒「RASEN(ラセン)」

このRASENの商品そのものがPR戦略の軸になるため、著名シンガポール人セレブリティシェフWillin Low氏と共同で商品開発をしました。

Willn Low氏はシンガポールで最初に「モダンシンガポール料理」を始めたシェフで、シンガポールと日本料理を含めたアジア料理とのフュージョン料理を(創作料理)を提供する有名シェフです。彼はニセコにも自身のレストランをもち、日本の文化や日本酒にも精通しています。

弊社は彼が今回の企画に最適な人物であると確信し、約2年間かけて共同で新しい銘柄をプロデュースしました。

シンガポール市場進出する際のプレスイベントは、Willin Low氏のレストランを会場とし、シンガポールの日本酒業界のKOLや有識者、著名ニュースメディア、レストランオーナーなどを50名ほど招待し、ヤヱガキ酒造のPRイベントを開始しました。

イベントのポイントは、Rasenとシンガポール料理のペアリングメニューを提供したことです。Rasenはシンガポール料理と一緒に日本酒であることを印象付けるために、特別なペアリングコースをWillin Low氏が提供しました。

イベントでは、ヤヱガキ酒造によるご挨拶の他、Willin Low氏によるRASENの紹介、ヤヱガキ酒造の日本酒3銘柄とシンガポール料理のペアリングセッションを実施し、シンガポール料理に合う日本酒として、メディアやKOLが情報を拡散しました。

 

これは、ローカルのシェフとタイアップした日本酒をプロデュースすることで、シンガポール市場向けに話題を生み出すことに成功した事例です。

掲載されたメディア記事の事例

大手新聞社 The Strait Timesの記事【出典】The Strait Times, Chef Willin Low develops a sake to pair with laksa and other local food

ラグジュアリーメディア The Peakの記事【出典】ラグジュアリーメディア The Peak: Chef Willin Low creates a sake to pair with Singapore food

メディア向けPRイベントの様子

コラボレーションをしたWillin Low氏のレストランでイベント開催した様子コラボレーションをしたWillin Low氏のレストランでイベントを開催

ヤヱガキ酒造の3銘柄を紹介ヤヱガキ酒造の3銘柄を紹介

シェフによる日本食とシンガポール料理のペアリングを提供シェフによる日本食とシンガポール料理のペアリングを提供

Bake Incの「Zaku Zaku」シンガポール市場ローンチPR・プレスイベント

2019年にシンガポールに進出したBake社のスイーツブランド「ザクザク」。

シンガポールの中心街オーチャードの商業施設「ION」にシンガポール初店舗をオープンする前に、オープン初日から行列ができるお店を目指してPR戦略を計画し、メディア向けPRイベントを企画しました。

[クロッカンシュー ザクザク] シンガポール第1号店オープニングPRイベント / Opening PR Event support for [CROQUANTCHOU ZAKUZAKU]

クロッカンシュー ザクザクシンガポール第1号店オープニングPRイベント

Bake社は、過去にシンガポールでエッグタルトも販売して成功をしたこともあり、日本でも大人気の「クロッカンシュー ザクザク」のシンガポール進出は、スイーツが大好きなシンガポールメディアにも注目を集めるはずだと弊社も確信していました。

そこで、弊社ではBake社ザクザクのブランディング・世界観に沿った会場選びから、会場装飾、イベントプログラムをBake社と共に企画し、シンガポール初店舗をオープン数日前にイベントを開催しました。

本イベントには、シンガポール国内で活動する50以上を超えるメディアとKOLが集まりました。

Bake社代表のご挨拶の他、ザクザクのスイーツを自分でトッピングできるデコレーションコーナーの設置、新商品の試食、フォトブースでの写真撮影を企画。

イベント中の様子は来場者によってSNSですぐに投稿・拡散され、イベント後にも多くのメディアの記事やKOLのSNSで情報が拡散し、話題となりました。

本イベントでは、実際にメディアやKOLが体験できるような仕組みを特に用意したため、メディアとのエンゲージメントが高まり、SNS等への投稿を促すことができました。

掲載されたメディア記事の事例

mothershipの記事

【出典】Mothership, Croquant Chou Zakuzaku to open at ION in Nov 2019, selling stick cream puffs for S$2.80

グルメメディアEatbookの記事
【出典】Eatbook, Croquant Chou Zakuzaku By Hokkaido’s BAKE Cheese Tart To Open On 30 Nov 2019

メディア向けPRイベントの様子

ZAKUZAKUメディア向けPRイベントの様子ザクザクの世界観・ブランディングに合わせて会場選定・装飾に工夫を凝らした。

ZAKUZAKUメディア向けPRイベントの様子イベント会場でメディア・KOLがフォトコーナーで撮影。

スイーツを自分好みにトッピングできるコーナーの様子ザクザクのスイーツを自分好みにトッピングできるコーナーも設置。

海外現地でメディア向けPR・プレスイベントを企画するための10つの手順

海外でメディア向けPRを実施する場合には、少なくとも3ヶ月以上前から計画的に準備をします。

準備期間中、現地の業界で活躍する重要人物とのタイアップや、ブランドの世界観を訴求できる会場選び、会場装飾、適切なメディアやKOLの選定とアプローチなど、押さえておくべきポイントが多々あります。

以下には、海外現地でメディア向けPR・プレスイベントを企画するために押さえておくべき10つの手順をまとめました。

ぜひ参考にしてください。

 

(1) PR・プレスイベントのターゲット・目的を明確にする

自社のブランドや商材を誰に向けて発信して、どんなメッセージを世に発信したいかを明確にし、PR・プレスイベントの目的について整理します。

(例:シンガポールの20-40代をメインのターゲットとし、自社のプレミアムコーヒーメーカーをシンガポールの朝食を豊かにするブランドとして訴求する)

(2) ローカライズするための企画を立てる

自社のブランディングや世界観と、PRの目的に合わせて、どのようにローカライズをするか企画を立てます。例えば、コーヒーメーカーのシンガポール市場向けローンチであれば、シンガポールで著名なシェフとタイアップして、そのコーヒーの素晴らしさをメディア向けに代弁して紹介していただくなど、工夫ができます。

ローカライズの企画は、現地の市場をよく理解していないと、なかなか考えられません。弊社Vivid Creationsでは、現地の日本人・シンガポール人チームで構成されており、シンガポール進出におけるPR・プレスイベントのサポートをしています。ぜひお気軽にご相談ください。

(3) イベントの会場選定をする

イベントの会場はブランディングの観点や、イベントの運営の観点からとても重要です。日本ではホテルのボールームで開催されることも多いですが、海外で開催する際には、様々な選択肢を検討しましょう。

(4) イベントのプログラムを企画する

イベントでは、参加するメディアやKOLが体験を通じてブランドや商品を理解できる企画作りであったり、SNSや記事に掲載しやすい仕掛け作りがポイントです。海外現地の趣向に合わせてローカライズした企画を立てましょう。

(5)メディア・KOLのリストを作成する

イベントのターゲットや目的に合わせて、現地のメディアやKOLを選定します。

(6) プレスリリースを作成する

イベントの開催に合わせてプレスリリースも配信します。参加したメディアでけでなく、参加できなかったメディアにもプレスリリースの配信ができます。プレスリリースはイベント当日に配信します。

(7) 取材等の準備をする

メディアからの取材も希望する場合には、事前にメディアに取材時間が提供できる旨を案内します。取材が獲得できたら、事前にメディアの質問に対して自社のメッセージを伝えられるように準備をします。

(8) メディア向けのノベルティやプレゼントを用意する

メディアやKOLの参加意欲を高めるために、メディア向けにノベルティやギフトを用意することもあります。

(9) イベントを開催する

イベントの当日は、メディア・KOLの対応の他、プログラムがスムースに進行できるように運営スタッフを雇い、参加者の満足度が高まるイベント運営を目指します。イベント後に個別で取材がある場合には、取材のフォローもします。

(10) メディアの記事化フォローをする

イベントが終了したら終わりではありません。その後、記事化に繋げるためには、メディアに追加情報の提供をするなど、フォローアップが欠かせません。

さいごに

海外向けのPRでは、いかにローカライズできるかが成功を左右します。そして、海外進出をする際には、PR・プレスイベントを戦略的に実施することで、広告費用をかけずとも、シンガポールで話題を作り出すことができます。

シンガポールを含めて海外でのPRは、日本にある代理店よりも、現地を熟知した信頼できるパートナーの方が、現地の消費者・メディアに響く企画設計からイベント運営までできます。

弊社はシンガポール現地に14年以上拠点を置き、これまでに様々な業界の日本ブランドのPRを支援してきました。さらに、世界に22の拠点をもつシンガポール発のグローバルPR会社とも業務提携をしており、シンガポール以外にも東南アジア、インド、中東の現地PRコンサルタントと連携をすることもできます。

これからシンガポールを含めた海外向けにPRを検討されていましたら、ぜひお気軽にこちらのフォームからお問い合わせください。