世界では「スリープツーリズム」が一大ブーム!独自調査事例【10選】

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観光業界では「ウェルネスツーリズム」「ヘルスツーリズム」などの、健康と旅行を組み合わせた様々な言葉が登場してきましたが、いま世界中でにわかに「スリープツーリズム(睡眠ツーリズム)」が注目されているのをご存知でしょうか?

忙しいスケジュールや、日々の責任、休日に「すべてをやり遂げる」というプレッシャーから逃れたいという欲求に根ざした旅行トレンドで、良質な睡眠を求める、睡眠のための旅のことを指します。

ラグジュアリー系の旅行専門メディア「Condé Nast Traveller(英国版)」では、昨年12月に発表された2023年の旅のトレンドの1つにも「スリープツーリズム(睡眠ツーリズム)」が挙げられています。

最近では阪急阪神第一ホテルグループ の「レム」ブランドなど、日本国内でも睡眠に特化したホテルブランドも誕生しており、今後日本でもトレンドを生む可能性があると考えてます。

そこで世界の様々なスリープツーリズムの事例を調査してみました。訪日観光に関わる方々にとって参考になれば嬉しいです。

スリープツーリズムを意識した「宿泊施設」

睡眠に特化した設備を搭載した客室「スリープスイート」(アメリカ・ニューヨーク州)

スリープツーリズムの話題で必ずと言っていいほど名前が挙がるのが、ニューヨークにある「パーク ハイアット ニューヨーク」です。

喧騒に満ちたマンハッタン中心街に位置してセントラルパークをのぞむ眺望がありながら、「スリープスイート」と名付けられた客室には防音仕様が施され、静かな時間が過ごせるようになっています。

また、AIを搭載したベッドで寝姿勢を常時感知しながら快眠ができることを売りにしています。

パークハイアットニューヨークのイメージ

【出典】パークハイアットニューヨークWebサイト, 客室 + スイート

環境に優しい空調設備など、最高の朝を迎えてもらうことにこだわったホテル(福岡県福岡市)

福岡市にある「HOTEL GREAT MORNING」は、空調設備を主事業に持つ会社が運営しているホテルです。

ゲストに最高の朝を迎えてもらうことをモットーに、自社の無風・無音で体感温度をコントロールする空調システムを導入し、タオルの生地から、ベッド、空気、朝食、歯磨き粉に至るまで「最高の朝」のためにデザインされています。

「エコマーク認定ホテル(公益財団法人 日本環境協会)」や「眠りにいい宿」最高ランクの三つ星にも認定されています。

 HOTEL GREAT MORNINGイメージ

【出典】HOTEL GREAT MORNING Webサイト

地元の老舗寝具店がプロデュースするアパートメントホテル(石川県金沢市)

地元の人に支持される寝具店「石田屋」がプロデュースするアパートメントホテル「眠音(ねおん)ホテルISHITAYA」です。

石田屋が誇る高品質な寝具を揃え、短い滞在であっても自宅に帰ってきたかのように寛げ、加えて館内にはフロントがなく、プライベート空間が確保されています。

実際に私が宿泊したときは雪が降るとても寒い日でしたが、温かみのある畳のある部屋と、シンプルでとても気持ちのいい寝具のおかげで大変快適に過ごせました。

泊まることで地元の寝具店を応援できるという視点では、サステナブルツーリズムにも通ずるところがあります。

眠音ホテルISHITAYAのイメージ

【出典】筆者撮影

カプセルホテル滞在中に精度の高い睡眠の分析(日本各地)

東京をはじめ、全国各地でおしゃれなカプセルホテルを運営する「9h(ナインアワーズ)」。

「睡眠ビッグデータを使って、世界中の人々を健康にする」をモットーに、ナインアワーズのホテルゲストの睡眠の質や呼吸状態などを測定するサービス「9h sleep fitscan」 も展開しています。

「自分の睡眠の質を知りたいけど病院に行くほどでは..」と躊躇している人が、休暇を取る間に気軽に測定できるなど、宿泊よりも睡眠状態の測定を目的に滞在することもできます。

ナインアワーズのカプセルホテル

【出典】9h (nine hours) Webサイト

スリープツーリズムに特化した滞在中のプログラム

睡眠の専門家と連携した睡眠プログラムを提供(イギリス・ロンドン)

ロンドンにある「The Cadogan, A Belmond Hotel」では、宿泊者限定で睡眠の専門家と連携した睡眠プログラムを提供しています。

香り、就寝前の飲み物、音、枕まで良質な睡眠を取ることにこだわり、希望者は催眠療法士、睡眠の専門家であり、このプログラムを監修したマルミンダー・ギル氏の対面セッションもリクエストできます。

The Cadogan, A Belmond Hotelのイメージ

【出典】The Cadogan, A Belmond Hotel Webサイト

朝から晩まで快眠のために費やす「快眠体質プラン」(鹿児島県奄美大島)

奄美大島のウェルネスリゾートホテル「THE SCENE」では、2泊3日もしくは3泊4日で、誰にも邪魔される事なく睡眠負債をリセットし、最高の睡眠を手に入れるための「快眠体質プラン」を販売しています。

各種ヨガアクティビティ、ヘッドスパ、温泉など、素肌を大地や海に触れさせる体験を通じて、体内に滞留した電気を放電させる「アーシング」の機会を提供しています。

THE SCENEのイメージ

【出典】THE SCENE Webサイト

スリープツーリズムに絡めた「乗り物」

バスに乗りながらうたた寝することを目的にしたバスツアー(香港)

香港の旅行会社が企画した睡眠に特化したバスツアーで、コロナ禍では日本のテレビでも紹介されていたので、見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。

2階建てのバスで5時間かけて香港を巡るツアーで、ランタオ島や空港などの場所に停車するので、起きている人は降りて写真を撮ったり観光をすることもでます。

大規模な設備投資が不要という点で、個人的にとても面白いアイデアだと思いました。

Sleeping Bus Tourのイメージ

【出典】KKday Webサイト, [Hong Kong Tour] Hong Kong’s First Sleeping Bus Tour

快適に寝られる夜行バスを実現した座席の設備(日本)

夜行バスに乗った時、眠りたいのに眠れないという経験をしたことのある方は多いのではないでしょうか。

日本のバス会社ウィラーでは、夜行バスの座席にまるで飛行機のビジネスクラスのようなシェル構造の電動ゆりかごリクライニングなどを導入して、移動中快適に睡眠を取れる工夫を凝らしています。

WILLERでの夜行バス移動のイメージ

【出典】WILLER Webサイト

スリープツーリズムと相性がいい周辺環境

世界で最も暗い空の下でグランピング(アメリカ・テキサス州:ビッグ・ベンド国立公園)

グランピング施設「StarStruck Glamping」は、テキサス州西部のビッグ・ベンド国立公園の中にあります。

このエリアは48州の国立公園の中で最も街の光の影響を受けないため、世界で最も暗い空の広がる場所の1つとして知られています。

流れ星や天の川など素晴らしい星空を楽しむことができ、夜の天然の天体ショー後は最高の睡眠条件の場所で頭を休めることができます。

グランピング施設はエアコン完備で快適なので、キャンプが苦手な方でも滞在しやすいようになっています。

StarStruck Glampingのイメージ

【出典】StarStruck Glamping Webサイト

最高の気候を売りにして誘客に成功(ベトナム・ザライ省プレイク市)

ベトナム南部、ザーライ省にあるプレイクという都市は、ホーチミンの北約380キロメートル、アンナン山脈の標高約800メートルのコントゥム高原にあります。

高原地帯にあることから快適な気候であることを味方につけて「最も眠れる都市」「健康の街」として知られ人気が高まっているエリアです。

コーヒーの産地としても有名で、「コーヒーの街」としても知られており、市内にはおしゃれなカフェもたくさんあります。

単純に快適な気候や睡眠を楽しめるというだけでなく、市内観光や周囲でのハイキングなど自然アクティビティも楽しめます。

 

さいごに

いかがでしたでしょうか。

スリープツーリズム全体では、設備投資と睡眠を組み合わせた事例が多いですが、ソフト面での工夫によるサービス提供、周辺環境の見せ方の工夫など、様々なかたちでのスリープツーリズムが実践されています。

  1. スリープツーリズムを意識した宿泊施設設備
    1. 睡眠に特化した設備を搭載した客室「スリープスイート」(アメリカ・ニューヨーク州)
    2. 環境に優しい空調設備など、最高の朝を迎えてもらうことにこだわったホテル(福岡県福岡市)
    3. 地元の老舗寝具店がプロデュースするアパートメントホテル(石川県金沢市)
    4. カプセルホテル滞在中に精度の高い睡眠の分析(日本各地)
  2. スリープツーリズムに特化した滞在中のプログラム
    1. 睡眠の専門家と連携した睡眠プログラムを提供(イギリス・ロンドン)
    2. 朝から晩まで快眠のために費やす「快眠体質プラン」(鹿児島県奄美大島)
  3. スリープツーリズムに絡めた「乗り物」
    1. バスに乗りながらうたた寝することを目的にしたバスツアー(香港)
    2. 快適に寝られる夜行バスを実現した座席の設備(日本)
  4. スリープツーリズムと相性がいい周辺環境
    1. 世界で最も暗い空の下でグランピング(アメリカ・テキサス州:ビッグ・ベンド国立公園)
    2. 最高の気候を売りにして誘客に成功(ベトナム・ザライ省プレイク市)

本記事でご紹介した事例が、訪日インバウンド向けの新しいコンテンツ開発等のお役に立てば嬉しいです。