【保存版】シンガポールの富裕層を徹底解剖!世界トップクラスの実態とは
富裕層ビジネスに注目が集まっていますが、シンガポールでは富裕層の理解が十分にできていないことが原因で失敗しているケースが多々あります。
なぜなら、一口に「富裕層」と言っても、シンガポール在住の富裕層は、資産額、人種、職業、年代などにより大きく特徴が異なるからです。
今回は、シンガポール在住の富裕層の実態をデータを元に、詳しくご紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
データで見る「シンガポール富裕層」の実態
シンガポールの富裕層は4種類
シンガポールの富裕層は、保有資産ごとに大きく4つのカテゴリーに分けられます。
- ビリオネア:保有資産が10億ドル(約1,556億円)以上
- センチミリオネア:保有資産が1億ドル(約155億円)以上
- Ultra High Net Worth(通称:UHNW):保有資産が3000万ドル(約46億円)以上
- High New Worth(通称:HNW):保有資産が100万ドル(約1.5億円)以上
シンガポール在住のそれぞれの富裕層の人口がどれくらいかというと、
- ビリオネア:27人*
- センチミリオネア:330人*
- UHNW:3,803人**
- HNW:330,752人***
【*出典】Henry & Partners, The Centi-Millionaire Report 2023
【**出典】ALTRATAのデータから上記のビリオネア、センチミリオネアの人数の合計を引いた数
【***出典】SMARTWEALTH, How Many Millionaires (& Billionaires) in Singapore? [2024]
となっており、おおよそシンガポール全体の人口の5.6%にあたります。
ちなみに、日本の富裕層率は2.5%なので、かなり多いことがわかりますね。
シンガポールは富裕層の増加率が世界一!
では、世界の中でシンガポールの位置づけはどうかというと、
ALTRATAのレポートで発表されたUHNW以上の超富裕層が住んでいる国のランキングでは、シンガポールは世界7位にランクインしています。
さらに、富裕層人口の伸び率はシンガポールが13.4%と世界第1位にランクインしています。
【出典】ALTRATA, World Ultra Wealth Report 2023
保有資産100万ドル(約1.5億円)以上のHNWが急増中!
保有資産が100万ドル以上の「HNW」と言われる総資産が100万ドル以上(1〜5億円)の人口は、「SmartWealth Singapore」によると、2022年にシンガポールでの成人人口の約6.7%に及ぶ、33万752人に達しています。
【出典】SMARTWEALTH, How Many Millionaires (& Billionaires) in Singapore? [2024], 5 March 2024
また、2025年には2020年と比べて約62%増加する予想で、約43万7,000人に達するとされています。
【出典】SMARTWEALTH, How Many Millionaires (& Billionaires) in Singapore? [2024], 5 March 2024
シンガポールの富裕層の特徴
HNWは40〜50代の女性の割合が男性よりも高い
Private Banker Internationalによると、シンガポールのHNWの60.8%が企業などに勤めている給与として、32.2%は起業家として、資産を築いているとのことです。
1965年に建国した国という背景もあってか、富を相続して資産を築いている富裕層は1.6%と低い数値となっています。
【出典】Private Banker International, Men dominate HNW investors in Singapore, but women emerging with a good profit, May 1, 2023
また、84.2%が男性で、年齢別で見てみると、男女ともに50代以上が大半をしめています。
40〜50代の女性の割合が男性よりも高いのが特徴的です。
【出典】Private Banker International, Men dominate HNW investors in Singapore, but women emerging with a good profit, May 1, 2023
シンガポール国内に居住する駐在員は、富裕層の約21%を占める
シンガポールには、世界各国からやってきてシンガポールに在住している「駐在員(Employment Pass Holders)」という方が、人口の約3.2%にあたる19万人程度います。
規模としては少ないですが、富裕層の比率で換算すると21%を占めているため、シンガポールで富裕層向けのサービスを展開する際には重要な顧客だと言えるでしょう。
【出典】National Population and Talent Division, POPULATION TRENDS, Overview
2017年に実施されたHSBCの調査を紹介しているSeedlyの記事では、シンガポール在住の駐在員は以下の地域・割合となっているとのことでした。
- 東アジア:49%
- ヨーロッパ:、23%
- 南および中央アジア:18%
- 北米:5%
- オセアニア:4%
【出典】Seedly, Cost of Living in Singapore Compared To The Rest of The World, 24 Jul 2018
シンガポールの駐在員がどんな富裕層向けサービスを利用しているのかは、以下の記事で詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
シンガポール富裕層の駐在員に独占インタビュー!求められるサービスは?
シンガポールの富裕層のお金の使い方・価値観
稼ぐ目的は「教育」「老後」「投資」」を重視する傾向に
Investment Moatsによると、シンガポールの富裕層が「お金を稼ぐゴール(目的)」として挙げているTop3は、以下の通りです。
- 子供の教育費(30%)
- 老後の生活費(27%)
- 不動産への投資(25%)
【出典】Investment Moats, The Affluent of Singapore: Rich but not Rich Enough
投資に関しては、投資信託・株・不動産投資などに対して積極的にお金を使う傾向にあります。
子どもの教育も投資と考え、海外留学など、子どもの教育にお金をかける富裕層が多く見受けられます。
インターナショナルスクール進学や海外の大学進学への投資が際立つ
特に子供の教育費に関しては、富裕層は一般層に比べて「海外大学の学費」に約3倍費やしています。
シンガポール国外での国際経験や名門大学の学位が、将来優位であると考える傾向にあることを示唆しています。
【出典】Department of Statistics, Ministry of Trade & Industry, Report on the Household Expenditure Survey 2017/18
ちなみに、シンガポール人が通う一般のローカル学校では学歴競争が激しいため、教育熱心な親が多く、算数や中国語の塾はもちろん、家庭教師も盛んです。
2022年度の国際学力テスト「学習到達度調査(PISA)」ではシンガポールが数学、科学、読解力の3分野全てで1位となっています。
一方、こうした熾烈な学歴競争的な環境で、テストはよくできるけれども「イノベーション人材が育たない」「リスクを取らない」「自己肯定感が低い」などということが課題として挙げられています。
実際、シンガポール人の富裕層は、自分の子供をローカル学校からシンガポール国内外にあるインターナショナルスクールに転校させる場合もあるようです。
シンガポールの一般家庭と明らかに異なる出費カテゴリ
富裕層は人生を豊かにする旅行やコンサートなどのレクリエーション・文化活動に対する支出が高い傾向があります。
【出典】Department of Statistics, Ministry of Trade & Industry, Report on the Household Expenditure Survey 2017/18
また、服装・ジュエリー・スポーツジム・美容などへの投資も、一般家庭よりも非常に高い水準になっています。
【出典】Department of Statistics, Ministry of Trade & Industry, Report on the Household Expenditure Survey 2017/18
車を維持管理するのに車を購入した金額の倍ほどの金額がかかるシンガポールでは、車を所有することがステータスとなっています。
そのため、車に投資する富裕層も多いようです。
【出典】Department of Statistics, Ministry of Trade & Industry, Report on the Household Expenditure Survey 2017/18
シンガポールの富裕層がお金を使わないカテゴリ
富裕層がお金を使わないものとして以下の2つが挙げられます。
食材
外食が多いシンガポールでは、富裕層は食材を購入して自宅で食事をするよりも、レストランやカフェなどでの外食頻度が高い傾向にあります。
ホーカーセンターと呼ばれるシンガポール独特の屋台やフードコートなどへの出費は一般層と大差がないのですが、レストランやカフェへの出費は高い水準です。
レストランやカフェの顧客単価はホーカーセンターなどと比べて高いため、富裕層の出費額が多いということは頻繁に足を運ぶ傾向があると考えられることから、スーパーなどへの出費は低い(自炊しない)傾向にあると言えます。
実際、私の友人でHNWにあたる人は、住み込みのヘルパーさんに毎月一定金額を食費として渡し、その中でやりくりをしてもらっているそうです。
自分の子供の朝昼晩の食事はヘルパーさんに作ってもらいつつ、大人は外食することが多いそうです。
【出典】Department of Statistics, Ministry of Trade & Industry, Report on the Household Expenditure Survey 2017/18
アルコール・タバコ
シンガポールに住む富裕層だけでなく、全体的にみて消費額が最も少ないカテゴリがアルコールとタバコです。
理由としては健康志向が高まっていることや、酒税の関係でアルコールの金額が割高になっていることから、あまり消費されない傾向にあると推察されます。
一方で富裕層の場合はワインを好んで飲むことが多いため、アルコールに関しては消費額が少ないにせよ需要はあると見込まれます。
【出典】Department of Statistics, Ministry of Trade & Industry, Report on the Household Expenditure Survey 2017/18
人種によって出費への価値観は異なるものの、お金の使い方は合理的
シンガポールは多民族国家なので、2023年12月時点で人口約592万人のうち、約70%が中国系、13.5%がマレー系、9%がインド系です。
外国人労働者として、合計約180万人を受け入れています。
シンガポール国内に居住する富裕層の人種統計データは見つかりませんでしたが、参考までに「人種別平均世帯収入」のデータを見てみると、インド系の世帯収入が他の人種の世帯収入を上回っていることがわかりました。
ですが、シンガポールでの富裕層向けビジネスを考える際には、絶対数としては圧倒的に中国系の人達が多いことに留意する必要があります。
【出典】THE STRAITS TIMES, Rising household incomes, more working couples in Singapore over past decade: Census, JUN 19, 2021
人種別の特徴として、中国系の富裕層は豪華一点主義の方々が多く、実際、中国系だと思われる方がシンガポールの中心地のオーチャードなどで、全身高級ブランド品で着飾って闊歩している姿をよく見かけます。
高級車、高級ブランド品など、ステータスを象徴する商品や、子供の教育に多く投資する傾向があります。
一方、インド系の富裕層は、夫婦でIT業界や金融業界で働くパワーカップルのような、キャリア思考の方が多く、お金は十分持っているはずなのですが、普段の暮らしは驚くほど質素です。
とはいえ、子供の教育費や、ブランド品ではないけれど質の高い衣類、ジュエリー(金・銀)などの彼らが「これは価値がある」と考えるものに対しては、迷わず投資する傾向があります。
さいごに
シンガポールの富裕層に関して、様々なデータをもとに実態をご紹介させていただきました。
シンガポールの富裕層向けビジネスをお考えの方にとっては、特徴やニーズ、価値観は刻々と変化するため、最新の状況を把握し、迅速に対応できるかが成功への鍵となります。
シンガポールを拠点とし、様々なローカルネットワークを持つ弊社では、富裕層に関する定量調査はもちろん、データでは見えてこないHNWの意識や行動・感情についても、グループインタビューなどの定性調査を行なって深掘りすることが可能です。
富裕層ビジネスにご興味のある方は、ぜひお気軽に以下のお問い合わせフォームからご連絡ください。
この記事がシンガポールの富裕層向けビジネスをご検討中の、日系企業の方々にとって一助となりましたら幸いです。















