なぜファムトリップがうまくいかないのか?今すぐ改善できる方法
「ファムトリップ」を実施したけど、なかなか思い通りに商品を造成できない、というお悩みを大変多く伺います。
それらのケースでほぼ共通するのは「ファムトリップを単発で計画・実施している」という点です。
単発であるがゆえに視野が狭くなりがちで「ファムトリップに旅行代理店を招聘したら、あとは勝手に商品を作ってくれるだろう」という思い込みが生じ、この姿勢が商品造成まで至らない原因となっています。
商品造成を目的とする場合、単発で終わるファムトリップは大変非効率です。
なぜなら、ファムトリップ後にこそ、商品造成に直接関わる具体的な情報交換がはじまるので、単発の施策として短期的な視点で取り組むと商機を逃しやすいからです。
ファムトリップ後に招聘した旅行代理店が「勝手に商品造成をしてくれる」わけではありません。本気で商品造成をしようとする旅行代理店は、事後に改めて対象地域の詳細な情報を求めたり、質問したりします。
招聘した地域はこうした要望にきちんと対応し、旅行代理店を一緒に地域の観光を盛り上げるパートナーと捉えて、事後しっかり連絡を取り合うことが必要不可欠です。
ですが、ファムトリップを単体の施策として捉えていると、最も重要な事後の対応が手薄になってしまいがちになります。事実、こうした姿勢が商品造成に至らない原因になっているケースが多くあります。
単発で終わるようなファムトリップからは、いますぐ卒業しましょう!
本記事ではより具体的に、成功するファムトリップの秘訣をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
単発のファムトリップが生む3つのデメリットと改善方法
ファムトリップが成果につながらない場合、一番の多く見受けられるのは「単発」のファムトリップになってしまっているという特徴です。
「単発なファムトリップ」だと何が問題なのでしょうか?
これまで数多くのお悩み相談を受けてきた弊社独自の視点から、単発で実施されるファムトリップのでメリットについて、具体的に解説します。
旬な情報をもとに商品造成してもらえなくなる
ファムトリップを「実施したら終わり」という単発の施策として片づけてしまうと、旬な情報が盛り込まれない一昔前の情報をもとに商品造成されてしまう危険性があります。
なぜなら、シンガポールの旅行代理店の場合、ファムトリップで得た情報を基に商品造成し、販売を開始するのは、その次の年度になるケースが多いからです。
ファムトリップを実施した年度のうちに、実際に商品造成したツアーを経由して観光客がやってくることは、あまり見込めません。
例えば、8月にファムトリップを開催して、シンガポールの旅行代理店を招聘しても、商品造成して販売される時期は、最速でも動燃の冬や次年度の春、または、次年度の夏以降になることもあります。
旅行代理店によっては、すでに1年先の商品まで決まっていることもあるので、その場合は1年以上後になることも考えられます。
ファムトリップが実施された後、最低でも1か月後には1度連絡を取り、その後も3か月に1度程度の頻度で、最新の観光関連の情報提供をするようにしましょう。
最新情報を提供し、ファムトリップで得たご縁を維持することで、旬な観光商材を販売してもらえる可能性を高められます。
全世界の競合地域に対して、勝ち切ることができない
日本の近隣の台湾や香港、シンガポールなどは、訪日リピーターが多く、最近は主要観光地以外の、地方の新しい観光地を探しています。
そのため、コロナ明けには訪日する外国人旅行者が増えるポテンシャルが十分に見込まれています。
とはいえ、訪日旅行者が増える可能性があるこれらの国々の旅行会社は、日本全国各地のツアー造成に特化している訳では当然ありません。
彼らは世界中の国や地域のツアーを日々造成しており、日本以外の国のファムトリップに参加することももちろんあります。
そのような状況下で、ファムトリップで招聘した日本の地域を対象に「旅行商品を作りたい、販売したい」と現地の代理店の方に考えてもらい行動してもらうには、以下の2つのことがカギを握っています。
- 旅行代理店の担当者が、対象となる日本の地域のファンになること
- 地域との信頼関係(相談しやすい、協力関係にある等)
これらがあって初めて担当者が具体的な商品造成に動きやすくなるのですが、単発のファムトリップではこのような関係性を築くことは非常に困難です。
旅行代理店を地域の観光産業を一緒に盛り上げてくれるパートナーとして捉え、長い目でみてサポートする姿勢が欠かせません。
世界の競合地域との競争を勝ち抜くために、旅行代理店の担当者の方を味方につけて、地域の商品造成に向けて具体的に行動してもらえるようにサポートしましょう。
実施した後、商品造成までたどり着かない
繰り返しになりますが、「実施したら終わり」という単発の施策としてファムトリップに取り組むと、参加者への事後フォローが無視されがちになり、商品造成につながらないケースが本当に多くあります。
なぜなら、参加した代理店は、ファムトリップを通じて得た情報を元に、事後に商品造成にむけて動き出すからです。
現地の旅行会社が、参加したファムトリップ通りの商品を造成することはほとんどありません。ファムトリップ後に旅行会社に連絡を止めてしまうと、その後の商品造成や販促につながらないことがあります。
商品造成を目指すなら、参加した現地代理店に事後も連絡を取り、長期的なお付き合いができるように働きかけましょう。

改善への第一歩は「事後フォロー」にあり
ファムトリップで商品造成をするための秘訣は、なんといってもファムトリップを実施した後の「事後フォローアップの実施方法」にあります。
なぜなら、ファムトリップで旅行代理店を招聘しただけでは、代理店は商品造成ができないからです。
代理店が求めている情報を事後いかに早く円滑に提供できるかが、ファムトリップを機に商品造成や誘客が実現できるかどうかを大きく左右します。
この章では、商品造成を行ってもらえる事後フォローアップの方法を具体的にご紹介します。
1週間以内に感想を聞く
時間が経つと優先順位が低くなってしまうので、参加者が本国へ帰国した1週間以内には必ず連絡を取りましょう。具体的には以下の点を確認できると、今後のやり取りに活かせます。(活用方法は「新しいモデルコースを企画して提案する」をご確認下さい。
体験したコースを商品化できるのか
そのままで商品化できる場合と、そうでない場合とでは、追加で提供する情報が変わっていきます。そのままでは商品造成ができない場合は、改善すべきポイントや、他に入れたいコンテンツがあるかどうかを回答するように促しましょう。
ランドオペレーターの有無や手配方法
旅行商品の手配方法を聞いてみましょう。提携しているランドオペレーターから商品を手配する代理店もあれば、新しくランドオペレーターを探す必要があるケースもあります。ヒアリングすることでこちらから提案できる内容が変わるので、事後には必ず聞きましょう。
新しいモデルコースを企画して提案する
ファムトリップで実施したコースを、そのまま商品にできない場合があります。なので、実施したコースで商品造成できるかどうかは、ファムトリップ実施中にヒアリングしておくか、初回の事後連絡で質問してみましょう。
コースに対して寄せられた情報を基に、1か月以内に旅行代理店の要望に合わせた新しい観光コースを提案しましょう。旅行代理店の負担を減らし、ツアー造成をしやすいコースを再提案することで、商品造成に向けて格段に近づきます。
場合によっては、タリフ(旅行商品の見積もり)も作り、提案と一緒に送ってあげるとより具体的に検討してもらえるので効果的です。
中堅の旅行会社や、日本に特化した旅行会社の場合は、ランドオペレーターの手配を求められる場合もあります。このケースでは新しく提案するコースとともにタリフを送ってあげると、商品造成に向けてスムーズに検討してもらえる確率が上がるのでオススメです。
また余談ですが、旅行会社は、レスポンスの早さを高く評価する傾向があります。代理店から連絡があった場合は、最低でも1日以内には何かしらのお返事をするようにしましょう。
旅行商品の販売方法を一緒に検討する
ファムトリップを機にツアー商品が造成できても、そのままで販売数が増えたり、地域の誘客数が増えたりはしません。商品造成に至る前から、造成した商品をどのように打ち出していくか、事前に旅行代理店と検討しましょう。
具体的に実施できる販促活動には、以下のような取り組みがあります。予算面を含めて、旅行代理店と議論してみましょう。商品の販売・誘客の目途をより具体的に検討できます。
- 旅行代理店と観光セミナーを共催
- 現地で開催される観光フェアに出展
- 旅行代理店や現地の観光メディアのSNSを通じたキャンペーンを実施
販促方法を代理店と検討できているか否かが、実際に「商品造成 → 販売 → 地域への誘客」まで実現できる可能性の大小につながります。
たとえば、大手の旅行代理店の場合は、向こう1年の販売スケジュールが決まっていることがあります。このようなケースで商品造成と販促方法をセットで協議していくと、ファムトリップを実施した年度内に商品造成することにとらわれない議論ができます。次年度以降をも視野に入れて関係性が築ければ、1年越しでも実際に商品を販売・地域へ誘客できる可能性が高まります。
「商品造成」にファムトリップのゴールを置くのではなく、「商品を造成し、販売し、地域に誘客する」という最終目的まで見据えて代理店と協働しましょう。

ファムトリップより成果が出せる「観光レップ」がオススメ
以上のことを踏まえると、自治体や観光事業者が、直接招聘した旅行代理店に連絡し、ネットワークを作り、関係性を築くことが、ファムトリップで商品造成を成し遂げるために必要不可欠となります。
商品造成という成果が生まれるだけでなく、そのプロセスでノウハウが蓄積され、市場に関する理解も深まるので、一石三鳥ともいえるかもしれません。
しかしながら、担当者が数年で変わるため長期的な関係構築ができない、人員リソースが足らない、などの様々な事情で「すべてを実施するのは難しい」という声もよく耳にします。
そこで弊社がオススメしているのは、長期的な視点をもってファムトリップを実施することではなく、旅行会社との関係構築や施策の実施を代行してくれる「観光レップ」を、対象とする海外市場に設置することです。
観光レップを設置すると、ファムトリップ後にやるべき一切のフォローアップを代行してもらえるだけでなく、代理店との共催セミナーや観光関連イベントへの出店なども代行してもらえます。また日本側のランドオペレーターとも直接必要なやり取りをしてもらえるので、担当者の異動に伴う事情や、人員不足などの課題解決にもなりえます。
ファムトリップだけではなく幅広く活動できるので、より効率よく誘客数増加という根本的な成果を生みやすくなります。弊社でも観光レップとして日本の自治体を支援していますが、以下のような体制で実施しています。

弊社が観光レップとして活動する際の体制図。
弊社の場合、旅行代理店と3ヶ月に1度は連絡をとり、情報交換をしています。コロナ後には、代理店側も経営状況の悪化などにより、担当者が頻繁に変わっているため、その都度新しい担当者と挨拶し、観光レップの対象自治体に関する啓もう活動を実施しています。
また、対象となる市場の特徴をよく理解しているので、旅行代理店と活発な議論や対応ができます。特にコロナ禍で渡航規制の状況が変化してきていますが、市場の動向にあわせて旅行代理と協働できるので、販促のチャンスを逃すこともありません。
結果的に誘客数の増加という成果を生みやすくなるので、ご興味ある方はぜひ「観光レップの設置」をご検討ください。
また、弊社でご担当させていただいている高知県の観光レップ事業について、以下に詳しくインタビューさせていただきましたので、参考にしてみてください。
シンガポールからの宿泊客を2倍以上に増やした高知県の新たなインバウンド戦略
さいごに(まとめ)
繰り返しになりますが、ファムトリップを「実施した」だけで終わらせず、商品造成や誘客数の増加につなげるためには「事後フォローを以下にするか」がカギを握ります。招聘した旅行代理店が求める情報を的確に提案し、場合によっては1年越しでも誘客を実現できるように、根気強くこまめにやり取りを怠らないようにしましょう。
しかしながら、すべての内容を海外市場を相手に実施するのは、ハードルが高いかもしれません。かといって、後半にご紹介した「観光レップ」を設置する場合も、具体的に何をどう検討したらいいのかわからない方もいらっしゃるかと思います。
シンガポール市場を対象にファムトリップや観光レップの設立をご検討中であれば、本記事でご紹介させていただいた内容はすべて弊社でご対応が可能です。また他国での出店の場合も、弊社のパートナー企業をご紹介できる可能性があります。
