グリーンツーリズムに再注目!訪日インバウンドの受け入れにつなげよう

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日本には素敵なグリーンツーリズムのコンテンツがたくさんあります。

一方で、訪日リピーターが世界トップレベルで多いシンガポール市場では、70%以上が「日本のグリーンツーリズムを楽しみたい」と思っているのに「旅行先・旅行商品が多くない」と答えた人が約3割もいるというアンケート結果が発表されています。

日本には魅力的なグリーンツーリズムのコンテンツはたくさんあるはずなのに、訪日リピーターが7割を超えるシンガポール市場でその存在を知られていないというのは、非常にもったいないことです。

シンガポール市場のニーズに合わせて情報発信したり、コンテンツの実施方法を工夫すれば、このような機会損出は防げるはず…。

そこでこのブログでは、日本のグリーンツーリズムをシンガポール市場に打ち出すべき理由と、シンガポール市場のニーズに合うグリーンツーリズムのコンテンツがどのような内容なのかを、事例を交えて具体的にご紹介します。

この記事を通じて、日本国内のグリーンツーリズムの魅力を海外に広げる一助となれましたら幸いです。

シンガポール市場に日本のグリーンツーリズムを打ち出すべき理由

日本では以前から政府主導で、訪日観光客向けのグリーンツーリズムの提供が推奨されてきており、年々訪日観光客数が増加する中で、改めてグリーンツーリズムへの注目が高まってきています。

そのような動向を踏まえて、日本のグリーンツーリズムを「シンガポール市場向け」に打ち出すべきだと考える理由は3つあります。

  1. そもそも日本のグリーンツーリズムに関心を持っている人が多いから
  2. 世界的にみて訪日リピーターが多い市場だから
  3. シンガポールには自然環境が少ないため、貴重で価値のある体験だと感じられやすいから

ひとつずつ詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。

そもそも日本のグリーンツーリズムに関心を持っている人が多いから

10年前に実施された調査でも、コロナ禍を経た2022年の調査でも、グリーンツーリズムへの興味・関心が高いことが明らかになっています。

シンガポールと香港の回答を合わせた割合ではありますが、JTB総合研究所が2013年に実施した調査によると「グリーンツーリズムに興味がある」と回答した人は70%以上に上りました。

一方で、興味があると答えた人の中で「興味はあるが経験したことがない」という人は約60%

経験したこと・参加したことがない理由として「旅行先・旅行商品が多くない」と答えた人が約3割となっています。

日本各地にはグリーンツーリズムのコンテンツがたくさんあるにも関わらず「知られていないから」という理由で機会損失しているのはとても残念でもったいないことです。

調査結果のグラフ(弊社作成)

【参考】国際グリーン・ツーリズム推進の手引き(株式会社JTB総合研究所2013年発行)※公表データをもとに弊社が作成

また、2022年に521名のシンガポール人を対象に実施された意識調査では、全体の約35%が「ファームステイ(農泊)」や「フルーツ狩り」などのグリーンツーリズムに興味を持っていることが明らかに。

2013年の調査でも、2022年の調査でも、日本のグリーンツーリズムに対してニーズがあるということがわかります。

日本で体験したいグリーンツーリズムに関する調査のまとめ(グラフ)

【出典】アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査((株)日本政策投資銀行・(公財)日本交通公社2022年度版)※公表データをもとに弊社が作成

以下に紹介する2つの理由と合わせて考えれば、ニーズがあるシンガポール市場に日本のグリーンツーリズムをより積極的に打ち出すことによって効果が得られる可能性は大いにあると考えられます。

コロナ禍を経て訪日観光への需要が高まっている今こそ、グリーンツーリズムを新たな訪日観光の魅力として打ち出しましょう。

世界的にみて訪日リピーターが多い市場だから

グリーンツーリズムは、初めて日本に来るような訪日観光客よりは、すでに何度も日本を訪れたことのある訪日リピーターが対象になりやすい観光コンテンツです。

訪日リピーターが多い国といえば、外せない市場はシンガポールです。

なぜならシンガポールは約70%がすでに訪日リピーターで、日本に10回以上旅行したことがある人は、全体の10%以上を占めている国だからです。

2022年10月の国境再開後、在日訪日情報大手メディアの1つ「Japan-guide.com」では、シンガポール人観光客からのアクセスが「915%」増というほどの日本旅行への熱は冷めること知らずです。

また、JNTOが2023年3月に発表した「2022年度10月〜2月」の訪日外客数と、コロナ前の「2019年年度10月〜2月」の数値を比較すると、第1位は韓国、第2位はベトナム、そして3位がシンガポールからの訪日でした。

ですが、同じ東南アジアのベトナムは「観光以外の目的」が約65%であったため、東南アジアからの訪日観光では、シンガポールが最も回復が早かった市場であることがわかりました。

また、何度も日本へ行くシンガポールリピーターにインタビューした際には

観光客にまだ知られていない穴場スポットや、ローカル(日本人)しか行かないようなところへ行ってみたい

と、通常の観光地ではないような場所を求めている声がありました。

いつもとは違う非日常の体験をしたいというニーズは、シンガポール市場で高まっており、グリーンツーリズムはまさにこうしたシンガポール市場のニーズに応えることができるコンテンツとなり得ます。

弊社が実施した訪日リピーターへの独自インタビューは以下にまとめているので、気になる方は合わせてご覧ください。

なぜ10回以上来日するのか?訪日外国人リピーターの情報収集術と理由を独自インタビュー

シンガポールには自然環境が少ないため、貴重で価値のある体験だと感じられやすいから

ガーデンシティとして知られているシンガポールではありますが、大自然に触れ合う機会はほとんどと言っていいほどありません。

また、限られた土地の中での農地は国土の約1%しかないので、農業体験や農家民泊といったグリーンツーリズムの体験は、シンガポールの中ではほとんど体験できないコンテンツです。

そのため、先ほどもご紹介した通り、2022年に行なわれた調査では「フルーツ狩り」や「ファームステイ(農泊)」に興味を持っている人が多くいるということがわかりました。

日本で体験したいグリーンツーリズムに関する調査のまとめ(グラフ)

【出典】アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査((株)日本政策投資銀行・(公財)日本交通公社2022年度版)※公表データをもとに弊社が作成

ちなみに、コロナ禍で海外旅行ができなかった時期には、シンガポール国内で自然を楽しむ人や、アウトドアな体験(サイクリングなど)を楽しむ人が急激に増えました

このことも、グリーンツーリズムのような自然と触れ合うアクティビティ型の体験コンテンツへの興味を促進させているのかもしれません。

具体的にどのような体験がシンガポール市場のニーズに合うのかは、事例を交えて次の章でより詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

季節の食材の収穫体験に「+アルファ」が気に入られやすい【参考事例】

シンガポールにはフルーツ狩りを体験したい人は多く、現地旅行会社でも人気の高いプログラムとして知られています。

その理由は、シンガポールでは日本のフルーツは「美味しい」「高級品」として知られており、そんな「美味しくて高級な日本のフルーツ」を自分で摘み取って食べ放題というこの上ないバリューがあるからです。

実際に、シンガポールでは日本のイチゴやミカン、ブドウが売られてるので美味しさはよく知られています。

また、シンガポールの旅行会社に「コロナ禍を経た現在お客様が求めているものはなにか?」を聞いたところ、開口一番「美味しい日本食」と答える担当者が多いです。

訪日リピーターへのインタビューでも「日本食が大好きで、現地で食べたいから何度も日本に行きたくなる」と、日本の食事は訪日する理由の1つに挙げられていました。

食事が娯楽の一部でもある国民性とも重なり、フルーツ狩りへの絶大な人気はとても顕著に表れていると感じます。

ぶどう狩りのイメージ

ですが一方で、コロナ禍を経てシンガポールの旅行代理店から話を聞くと、最近は特に「一般的な体験型コンテンツ」の一歩先をいく、以下のような視点を求めている声も聞かれます。

  • その場所でしかできない特別な体験
  • 日本でしか味わえない、まだ外国人観光客には知られていない体験

そのため絶大な人気を誇る「フルーツ狩り」でも、今後は単なる「フルーツ狩り」ではなく、プラスアルファの体験を考える必要が出てくる(もう出始めている)と考えられます。

以下では、シンガポール市場のニーズと合う「体験+アルファ」の価値を提供しているグリーンツーリズムの事例をご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

自分たちで育てたぶどうからワインを作る「シャトー勝沼」

ぶどうが有名な山梨県にあるシャトー勝沼では「自分たちで育てたぶどうからワインを作る」という体験プログラム(Farm to Bottle)を行っています。

1月〜11月の11ヶ月間で毎月違った体験ができるプログラムを提供しています。

ぶどうの収穫も体験し、その数ヶ月後にワインの瓶詰めを行うという体験ができるのは、またその場所へ戻ってきたくなる気持ちを高める良い内容だと思います。

ワインの瓶詰めでは、ボトルのラベルに自分の名前を入れることができ、世界でたった1本のワインになります。

「自分だけの」「世界に一つだけの」という体験をはシンガポール人の心を掴むポイントなので、「+アルファ」を考える際にはとても参考になる要素だと言えます。

地元のシェフの手によって食材の魅力を再発見できる「DINING OUT」

農業体験で「自分たちで採った野菜を使って農家の人と料理をする」というのはすでによくあるコンテンツですが、そこに「+アルファ」の要素を入れることで、シンガポール市場には受け入れやすくなると考えられます。

たとえば、LEXUSが主催するプレミアムな野外レストラン「DINING OUT」では、世界で注目される料理人やクリエイターを招き、 五感全てで日本の土地の豊かさや食材が味わう食体験を提供しています。

LEXUS主催の「Dining Out」の様子

【出典】LEXUS, Dining Out – RYUKYU 2018

この事例のように、地元をよく知る有名シェフとコラボレーションして、農泊体験で収穫した食材を、その場で有名シェフが調理して食べれるようにするというように、農泊体験を「+アルファ」の価値提供にアップグレードできる可能性が考えられます。

または、「貸切でフルーツ狩りができる」という仕組みにすることで「特別な体験」というアピールすることも可能です。

ありきたりな観光ではない「特別感」や「唯一無二」を好むシンガポール市場のニーズに合う内容となるはずなので、ぜひ参考にしてみてください。

さいごに

日本にはたくさんの素敵な体験型のグリーンツーリズムのコンテンツがあるはずですが、国内の観光客向けに提供されているものが多い印象があります。

シンガポール市場だけでなく、海外からの訪日観光の需要はコロナ禍を経て高まりつつあるので、今こそグリーンツーリズムのコンテンツを、訪日観光客向けに門戸解放するチャンスです。

弊社ではシンガポールを拠点に10年以上、日本の観光地のPRやシンガポールにある旅行代理店との関係性構築に取り組んできた実績があります。

具体的なご要望に合わせたご相談にも対応できますので、気になる方はぜひ以下のフォームよりお気軽にご連絡ください。

この記事を通じて、日本国内のグリーンツーリズムの魅力を海外に広げる一助となれましたら幸いです。