なぜ10回以上来日するのか?訪日外国人リピーターの情報収集術と理由を独自インタビュー

訪日リピーターが好む場所のイメージ
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旅行規制が緩和された今、訪日外国人の数は急激に増えています。

外国人の訪日リピーターは6割にも及びますが、特にシンガポールには親日家も多く、7割近くの人が2回以上の訪日経験者です。

シンガポールには、日本食レストランや日系ブランドのお店もあり、1年を通しても日本に関するイベントも多く開催されており、日頃から日本に触れる機会が多くあります。

日本へ何度も訪れるシンガポール人は、日本の何に魅力を感じているのか?
また彼らは、どのようにして日本の情報を得ているのか?

実際に、日本を愛してやまない訪日経験10回以上のシンガポール人(30〜50代)3人に独自インタビューをし、シンガポール人訪日リピーターの本音を聞き出したので、ぜひ参考にしてみてください。

 

リピートの理由は日本独特の3つのポイント

【1】おもてなしやサービスがすばらしいから

私は日系航空会社の飛行機に乗った瞬間から始まるおもてなしや、客室乗務員の礼儀正しさや気配りにいつも感動しています。

頼んだことに対して、素早く対応してくれるのは当たり前なことではありません。機内食も手間をかけて作ってくれているのを感じて、食事さえも楽しみです。

 

私は貯金箱を買いたくて東急ハンズに行った時に対応してくれたスタッフに英語が通じなくて、なかなか上手く伝わらなかったことがありました。

その時、一生懸命に私の希望に答えようと対応してくれて、最終的には無事に貯金箱も買えて、とても感動しました。

 

私は日本語はわからないのですが、日本人が参加するツアーの方が面白いだろうと思って、日本語のツアーに参加したことがあります。

その際に日本人ガイドが気を遣ってくれたり、英語の資料を用意してくれて嬉しかったです。

ツアーの参加者さえも私たちのことを気にかけてくれて、外国人でも楽しめるようにしてくれる心遣いがとても心に残りました。

【2】日本食が大好きで、現地で食べたいから

シンガポールでは米や麺類、箸やスプーンなどを使い日本の食文化と似てるので、比較的どんな日本食も抵抗感がなく快適に楽しむことができるように感じます。

特に、ラーメン、寿司、焼き鳥は、日本に行ったら必ず食べるようにしてます。理由は、シンガポールでも食べることができるのですが、同じ食べ物であっても日本で食べる体験そのものが比較にならないほど別格で特別なものだと感じるからです。

シンガポールで同じような体験をするのであれば、日本人シェフのいる本格的な日本食レストランに行かないといけないですし、それでも「日本で食べる」という臨場感には勝りません。

 

私はどこで何を食べても、心を込めて作られた食事であればより一層の楽しみと美味しさを増します。

特に旅館や食堂で食べるご飯は家族が作ってくれたようなあたたかさを感じるので、何度でも訪れたくなります。

 

海鮮料理、肉料理、果物は、シンガポールに比べると価格が安くて鮮度が良いので、日本に行ったら食べるようにしています。

東京滞在中は、必ず「鳥ぎん」で釜飯と焼き鳥を食べますね。理由は日本の友人に紹介してもらったのと、英語でのメニューもあって利用しやすいからです。

その他は、築地に行って「すしざんまい」でお寿司を食べます。観光客向けのお店より、地元の人が行くお店を探しているので、おすすめがあったらぜひ教えて欲しいですね!

築地のすしざんまいの様子

【ポイント】シンガポールでは「食事」が娯楽のひとつで重要な課金対象

シンガポールは国土が小さいため、高級ホテルなどにステイケーションをする人たちが一部いたとしても、基本的に「国内旅行」が娯楽の一部にはなっていません。

一方で、娯楽が限られている分、食事に対して時間もお金もかけることを厭わない国民性があります。

実際に2017〜2018年度の家計支出調査によると、食事ににかける金額は平均月間家計支出で一番となっています。

【出典】Singapore Department of Statistics, Report on the Household Expenditure Survey 2017/2018 (p.11)

美味しいものや有名なお店はSNSで一度話題に上ると、かなり注目を集める傾向があります。

なかでも日本食への信頼感や愛着が強い方は多く「本場の日本食を食べにいきたいから日本へ行く」という人もいるほどです。

観光で訪れた際には地域にとってキャッシュポイントになり得る、重要な課金対象だということを理解しておくと、戦略的に食にまつわる観光体験をシンガポール人の訪日観光リピーターに提案できる可能性があります。

特に、その国・土地の料理や食文化を楽しむために旅行をする「ガストロノミーツーリズム」は、地方ごとにユニークな食文化をもつ日本にとって、どの地方でも訪日旅行者に向けてPRできる切り口です。

以下の記事では。シンガポールで実施されているガストロノミーツーリズム関連の施策について詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

ガストロノミーツーリズムでシンガポールからの訪日客を増やそう

ガストロノミーツーリズムのイメージ画像

【3】シンガポールにはない美しさや新たな発見を感じられるから

お気に入りの場所の1つである京都は、日本を代表する美しい街並みのひとつです。歴史ある街並みと現代的な街並みが通り一本隔てただけで混在しているのがとても魅力的です。

 

 

京都とは違った雰囲気の魅力を持っている場所を挙げるとするなら、言葉で表現するのが難しいのですが、京都のような文化的・歴史的な街とは違って、札幌の「古さ」はどこか親しみやすさを感じます。

古い時代の文化というより、80年代頃の雰囲気が残っているからかもしれないですね。

 

私のお気に入りの場所は東京です。大都市・東京の中に谷中銀座や巣鴨、北千住のような昭和レトロのような街が残っているのがとても魅力的です。

東京滞在中は、山手線の駅を1駅1駅降りて街散策したり、東京メトロで郊外の街散策をしています。

 

 

日本らしい美しさだけではなく「行く度に新しい発見がある」というのも日本の魅力のひとだと感じています。

例えば昨年渋谷へ行ったとき、いつも滞在しているエリアに「渋谷スカイ」という新しいアトラクションができていて、東京の街やその先に広がる景色を見た時には、とても感動しました。

渋谷エリアは東京に行く度に必ず宿泊しているので、私にとって第二の故郷のようなものなのですが、今回の滞在では、新しい場所・渋谷スクランブルスクエアを楽しむことができました。

 

どの国においても「新しいもの」はありますが、日本は新しいものができてもシンガポールやドバイのような急激に変化する過剰な感じがありません

うまく表現しにくいのですが、たとえばいつも行く場所に小さな新しいお店ができていたり、いつも行くお店が少し変わったりする。そのような些細な変化がとても好きです。

 

たしかに、「渋谷の観光名所はもう見たから、もう渋谷には来なくてもいいか」と思う人もいるはずですが、私は日本に来ると同じ場所や地域に何度も足を運ぶことがあります。

なぜなら、インスタグラムを見ていると、以前行った場所の近くに別の面白い場所があることがわかったり、他の美味しそうなレストランがあることに気づくから。

東京だけに限らず、初めて行く他の地域でもいつも「やり残した感」があるんですよね。だからこそ「日本に行く度にまだまだ見るべきものがある」「また日本に行かなくては」と思うんです。

 

私も東京を例にとると、山手線1駅1駅で街の雰囲気が全く異なるというのも行く度に面白さを感じることのひとつです。

私の場合は特に事前リサーチはせずに、ただ街をぶらぶらしている中で、以前来た時には気づかなかったお店探しをするのが楽しいです。食べるのが好きなので、地元の人が行くような食堂を見つけるとワクワクします。

今度日本に行く時には、下町の商店街で生活用品探しをしてみようと思っています。

【ポイント】没入感のある「暮らすような旅」への需要が高まっている

2023年以降、シンガポールでの訪日旅行需要が爆発的に増加する傾向が予想されています。

具体的には、以下のような特徴のある観光コンテンツはシンガポール市場の需要とあう可能性が高いと考えられます。

  1. 訪問者ではなく生活者として「暮らすように泊まれる」体験
  2. 外国では当たり前「ではない」体験
  3. 没入感のある体験
  4. 高い金額を払ってでもやりたくなるユニークでスペシャルな体験

以下の記事ではそれぞれの項目ごとにシンガポール市場との相性がよい可能性が高い日本国内の訪日インバウンド向けコンテンツの事例をご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

訪日インバウンドの専門家が厳選した日本国内の優良事例集|2022年版

リピーター観光客の情報収集源「SNS」と「Googleマップ」の徹底攻略法

【1】SNSには必ず「位置情報」をつけて投稿する

日本への旅行の計画段階では、Instagram、TikTok や YouTube が主な情報の収集源です。日々SNSを見る中で目にとまった場所を保存し、次回の旅行計画の情報を溜めるようにしています。

写真や動画、位置情報のタグ、英語のキャプションを重要視し、写真や動画を見て「行きたい!食べてみたい!」と思ったら即保存しています。

 

特に、Instagramは場所別に保存できるようになっているので、位置情報は必ず知りたいですね。

位置情報をタップすれば他の投稿も出てくるし、写真家が撮った写真や動画ではなく、リアルな写真もあるので、とても参考になります。

 

私は最近、写真の投稿よりも、Instagramのリールや TikTok の動画を見る方が多くなっています。

あとは、すでに何度も日本には行っているので「観光客にまだ知られていない場所」といった記載があると、行ってみたいなという気持ちが高まりますね。

【ポイント】SNS投稿の際には位置情報を必ずつけて投稿する

実際にインタビューをした方の一人が、Instagramで見つけて行った銀座のパン屋さんについて、どのように調べてその場所を訪れたのかお話ししてくれたので、参考までにご紹介します。

自分が滞在しているエリア(銀座)でパン屋さんを探したくて、Instagramの検索で「ginza bakery」と入力したところ、centre_the_bakeryが出てきた。

キャプションは日本語でしか書いていないが、美味しそうな写真がたくさん上がっていて写真に惹かれて、Google Mapで行き方を調べて訪れた。

【ポイント】シンガポールの主要な情報源は圧倒的に「SNS」

シンガポールで日本の商品のPRを成功させるには、ほかのどの国よりも「SNSをどう活用するか」という視点が欠かせません。

なぜなら、国土や市場規模が小さいため、口コミの威力が強いだけでなく、業界内の有識者やインフルエンサー同志がSNSでつながりやすいため、業界全体へ広がる拡散効果を狙いやすいのです。

以下の記事ではシンガポール市場におけるSNSの特徴をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

シンガポール市場はSNS攻略が決め手|SNS別のプロモーション事例集

【2】地名・地域名・サービスカテゴリーを表す英語のハッシュタグをつける

私はハッシュタグでも検索するので、地名や地域、提供するサービスのカテゴリーを表す英語のハッシュタグがつけられていた方がいいと思います。

普段見ているアカウントや、偶然見つけた投稿のキャプションに、日本語のハッシュタグしかなかった場合でも、ハッシュタグを選択したら似たような場所を探すことができます。

日本語がわからなくてもビジュアルで大体の情報収集ができるので、活用しやすいですね。

【参考】日本の情報を集めるために参考にしているアカウント一覧

実際にインタビューをした方々が、訪日観光の情報収集源として見ているInstagramのアカウントを具体的に教えてくれたので、参考までにご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

kyoko1903 Kyoko Uedaさん。 トラベルインスタグラマー / Japan Travel
meenmeen_0 日本分布、福岡生息、ど田舎所属。
toratabix トラタビックスの日本大百科
justonecookbook Nami | JustOneCookbook®
sugalenin クリスティーナ  Visit unknown Japan with me
bassetts.bouken Japan Life & Travel
hellosandwich Tokyo | Author | Art Director
bunnytokyo Bunnytokyo ♡ Hop Into Japan! English •Español• 日本語 デジタルクリエイター
addy_road Adele Collette

【3】Googleマップの基本情報は、常に最新のものに更新する

旅行を計画するときに絶対に使うのが「Google Map」です。

特に書かれているレビューには必ず目を通し、特に日本人が投稿している評価の低いレビューからチェックするようにしています。

 

口コミ情報はたくさんありますが「Google Map」はコメントへの制限がなく、正直な感想が書かれているので参考になります。

他の人が書いているレビューの中には、他のおすすめ情報があったりするのでとても使いやすく、「Google Map」はよく活用している。

 

私は行きたい場所へのアクセス方法を調べるときは「Google Map」で事前に調べて計画を立てることが多いです。

行きにくい場所やもっと詳しく知りたい場合には旅行ブログ(英語)を参考にします。

 

「Google Map」は旅行計画や旅行中には欠かせないので、店舗などは特に最新情報を更新してもらいたいです。

時折、営業時間などが異なることがあるので、行ったら閉まっていたというパターンもあって残念なことがありました。

 

私は移動手段を検索するときは「Google Map」よりも詳細に情報を見ることができる「Rome2rio」を使うようにしてます。

 

【ポイント】「Google マイビジネス」に登録して積極的に情報発信をしよう

今や旅行には欠かせない必需品の「Google Map」。

訪日外国人観光客の誘客でも「Google Map」は非常に重要なので、地域の事業者だけでなく、観光地などの情報が登録できるように自治体やDMOなどの観光関連組織も「Google マイビジネス」へアカウント登録し、積極的に「MEO(Map Engine Optimization:地図エンジン最適化)」対策を実施していきましょう。

具体的には以下のような取り組みをしてみてください。

  • 基本情報は正確にそして充実した情報を書く
  • ビジネス名は多言語設定にする(少なくとも英語での記載を入れる)
  • できるだけ翻訳機能に頼らず、英語で情報発信をする
  • 定期的な写真や動画を投稿する
  • 外国人のお客様からの口コミを増やす

「Google マイビジネス」への登録についてはこちらからご確認ください。

【4】シンガポールの現地旅行代理店等との関係性を図る

旅行会社でツアーの申し込みはしなくても、新しい訪問先を調べるための参考として、旅行会社に置いてあるパンフレットを見ることがあります。

また、シンガポールの訪日観光イベントに参加して、電車の乗り換えなどの細かいアクセス方法について実際に質問して聞いたりもします。

 

予約したホテル周辺の情報などは、オンラインホテル予約システムで出てくる情報を参考にしています。

「Japan Hour」や「有吉くんの正直さんぽ」「頂!キッチン」などの日本のTV番組を参考にすることもあります。

【ポイント】シンガポールの旅行博に出展してPR・現地旅行会社との連携を図ろう

弊社では訪日観光に関して様々な地域のご支援させていただいていますが、シンガポールで開催されるアジア最大級の旅行博への出展を機に訪日観光促進の道筋を明らかにされる方が多いです。

たとえば、シンガポールで開催されていて毎年10万人が来場する旅行博「NATAS Holidays」はコロナ禍を経て再開され、多くの旅行検討者、現地旅行会社が集結しました。

日本の観光業従事者の方は、これからの訪日旅行需要回復の波に乗れるように、シンガポールの旅行博に出展してみませんか?

以下のブログでは、シンガポール最大級の旅行博「NATAS Holidays」に焦点を当てつつ、出展するメリットや役立つ事前準備、シンガポールで開催される各種旅行博の情報について、まとめてご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

シンガポールで旅行博開催決定!訪日観光の再開に向けた情報発信

さいごに(まとめ)

以上、リピーター訪日観光客の訪日理由と情報収集に関するインタビューでした。

実施すべきことをまとめると、以下のようなポイントが挙げられます。

  1. SNSには必ず「位置情報」をつけて投稿する
  2. 地名・地域名・サービスカテゴリーを表す英語のハッシュタグをつける
  3. Google Mapの基本情報は、常に最新のものに更新する
  4. シンガポールの現地旅行代理店等との関係性を図る

この記事が訪日観光誘客の増加やさらなるリピーターの獲得を目指している方にとって参考になればうれしいです。

 

弊社ではシンガポールに拠点を置いて創業14年目となりますが、これまで様々な日本の地域への観光誘客に向けたプロジェクトをご支援させていただいてきました。

訪日観光誘客の促進にご興味がある方は、ぜひお気軽に以下のフォームよりご相談ください。