富裕層が訪日旅行に求めるものは?調査でわかった4つのトレンド
富裕層の旅行スタイルがコロナ禍を経て変化しています。
なかでも、富裕層向けの調査結果では「旅行のプロである旅行会社を活用する」といった傾向も出ています。
特別感のある観光体験を求める富裕層は、個人で旅行手配をするのではなく、圧倒的なノウハウがある現地の信頼できる旅行会社を頼る人が増加しているということです。
弊社は、富裕層人口が多いことで知られるシンガポールに拠点をおき、設立14年の間で富裕層に特化した旅行会社と訪日インバウンドのPR事業に数多く取り組んできました。
この記事では、富裕層向けの旅行に関する最新の調査結果と、長年富裕層の観光旧客に携わってきた弊社の視点から、富裕層が求めていること(動向トレンド)をまとめてご紹介します。
世界の富裕層が求めていることに関して情報収集されている方はぜひお役立てください。
富裕層の旅行動向調査からわかった4つのトレンド
世界の富裕層に特化した調査を行っている以下の2つの団体の調査結果から、6つのトレンドがわかりました。
この章では、弊社が協業するシンガポールの富裕層旅行会社の担当者から伺ったリアルな声を交えながら、調査で明らかになったポイントについて解説します。
調査機関1:Virtuoso
世界の多くの富裕層旅行者を抱える世界最大の高級旅行会社ネットワーク「Virtuoso」は、加盟旅行アドバイザー、パートナー、富裕層/超富裕層顧客へのヒアリングを通じて得た富裕層の旅行トレンドを発表(2022年9月)
調査機関2:ILTM
世界でラグジュアリートラベルの展示会・商談会を開催している「ILTM」は、APEC市場におけるラグジュアリートラベルに関する調査レポートを発表(2022年9月)

【1】信頼できる旅行会社を利用する
9割以上が旅行会社を利用すると回答!提案内容が誘客に直結する
ILTMが実施した調査によると、APACの富裕層のうち92%が「今後1年間に旅行会社を利用する予定である」と回答し、そのうち65%は「今後12ヶ月間の旅行予約をする際に、エージェントの影響を受ける」と回答していました。
このことから、訪日にあたって旅行先や旅行先での体験や宿泊の選定も、専門知識を持つエージェントによるおすすめや、彼らが手配できるコンテンツが優先的に反映される傾向が高くなってきています。
実際にシンガポールの旅行会社では、富裕層のクライアント一人一人の家族形態や旅行スタイル、趣味趣向をよく理解しており、クライアントに合わせて旅先を提案しています。
この旅行会社は、そのクライアントが「温泉好きだがタトゥーがあるので、プラベート温泉のある宿が希望」で「日本酒やウイスキーが好きで酒蔵訪問が好き」といったことなど、クライアントのニーズをよく理解していました。
そのため「来年2月に日本旅行に家族旅行へ行きたい」という依頼があった際には、東京・長野県に1週間滞在する音声旅行を、テイラーメインドで提案していました。
富裕層が旅行会社に求める資質
Virtuosoの調査では、自由に海外渡航ができるようになった2023年からは、飛行機のキャンセル、荷物の紛失などの問題などを手間に感じる富裕層が増加し「自分でもできるが、トラベルアドバイザーに任せたい」という声が多くなったと言われています。
さらに、富裕層は「旅行を熟知していて、素晴らしいネットワークを持ち、時間を節約してくれサポートしてくれるようなトラベルデザイナー」を探しています。
この傾向は、Z世代やミレニアル世代などの年齢層が若い富裕層にもみられ、特に以下のような資質をもつトラベルアドバイザーや旅行会社を頼るケースが多いとのことです。
- 訪日旅行を熟知している
- 現地に素晴らしいネットワークを持っている
- 滞在中のムダな時間を節約してくれサポートしてくれる
- 他では手配できないような、特別な体験を提供している

【2】サステナブルや地域に貢献するなどの「Travel For Good」を選ぶ
高級志向の旅行者は、サステナブルな旅行に関心が高い傾向があり、こうした傾向を「Travel for Good」として各種調査では紹介しています。
Virtuosoが実施した調査の回答者のうち74%は「サステナブルな旅行にもっとお金を使う」と回答しています。
またサステナブルは環境保護だけでなく、パンデミックで大きな打撃を受けた地元のコミュニティに貢献することなども含まれています。
回答者の80%以上が、パンデミック(世界的大流行)をきっかけに「今後はより責任ある旅行を優先するようになった」と回答しており、この傾向は昨年実施された同様の調査結果とも合致しています。
また、調査対象者の70%が「持続可能な旅行がバケーション体験を高めること」に同意し、78%が「旅行先だけでなく、旅行業界の中でも持続可能性に強いポリシーを持つ企業を選ぶことが重要だ」と考えていることが明らかになりました。
シンガポールの訪日専門の富裕層旅行会社は、日本の地方の過疎化に目を向けて、地元で1つしかない小学校を訪れて地域に貢献するという特別なツアーを作っている旅行会社があります。
このように、旅行を通じた地域へ貢献することも「Travel For Good」の一つとして選ばれています。
長期的にも短期的にも世界を守りながら、世界を探検したいという態度は、パンデミックの間に一挙に広まりました。

【3】親しい人がおすすめする情報と唯一無二の観光体験にニーズあり
ILTMの調査では、家族・パートナー・友人などの親しい人から得た情報が、休暇先を選ぶ際に最も影響力を持っていると発表されています。
たしかに富裕層はコミュニティや友人、専門家の口コミ情報を重視しているので、シンガポールでは会員制のプライベートクラブで富裕層同士が信頼できる情報交換を行なっています。
弊社でシンガポール在住の富裕層にインタビューをおこなったところ、
富裕層たちの会食では、常に旅行先の話をされるようで、友人がいった旅行先の話を聞いて、旅行先を決める参考にしている
とのことでした。
また中には、
旅行したい地域にあるホテルのオーナーと知り合いになり、連絡先を紹介してもらって直接ホテルに予約した
という例もありました。
また、具体的に人気な観光体験については、ILTMの調査によれば、APACの富裕層旅行者の約半数は「高級品の購入」よりも「贅沢な体験」を好み、「一生に一度は行きたいと思えるような場所や体験をしたい」という回答が多くみられたとのことでした。
信頼できる人脈から得た情報を信頼し、かけがえのない体験を求めて渡航先を決める方が多いことがわかります。
シンガポールの富裕層が集まる会員制クラブについては、以下の記事に詳しくまとめてご紹介しているので気になる方はぜひご覧ください。
シンガポール富裕層が集う「会員制プライベートクラブ」を潜入調査!
【4】早めの旅行計画・予約・オフシーズンの旅行需要が拡大
Virtuosoの調査によると、2019年では国内旅行のホテル予約は「44日前」・海外のホテル予約は「60日前」に行われることが多かったのですが、2022年は国内旅行のホテル予約は「58日前」、海外のホテル予約は80日前と、前倒しの傾向が強まったとのことです。
ILTMの調査でも、思いつきで決める様な「直前の予約やアクティブな旅行」よりも「事前に予約した休日(62%)」や「リラックスできるスローな休日(61%)」の方が強く好まれるようになったという結果が出ています。
実際、APACの富裕層からは「より少ないフライト回数でより長く滞在したい(50%)」というニーズや「1週間以上の長期休暇を取りたい(45%)」という回答も高い割合でみられました。
またオーバーツーリズムを避け、オフシーズンに旅行をする傾向が高まっているのですが、これもゆっくりリラックスできる旅行を求めていることが原因と考えられます。

富裕層はどんな旅行会社に頼っているのか?
VirtuosoとILTMの調査で、旅行会社やトラベルアドバイザーの重要性が浮き彫りになりました。
APACの富裕層の92%が「今後1年間に旅行会社を利用する」と回答するなど、明らかに今後、旅行会社に旅行のプラニングを頼み、特別な余暇を楽しみたいというニーズがあることがわかります。
また、旅行会社の利用者は年配者のイメージも高いかもしれませんが、調査結果からも若い富裕層もトラベルアドバーザーに目を向けていることがわかります。
優れたトラベルアドバイザー、旅行会社は、多額を支払うだけの価値を得られるからです。
弊社が拠点をおくシンガポールでも、富裕層に特化した旅行会社は複数あります。
日本専門のラグジュアリーな旅行会社としては「Follow Me Japan」が最も知られています。
また、シンガポールの富裕層向け旅行会社には、シンガポール人が代表の富裕層向け旅行会社もあれば、イギリスに本社をおくような富裕層向け旅行会社もあります。
シンガポールには、アジアの富裕層だけでなく、欧米の富裕層も移住していることから、アジアやヨーロッパ各地からトラベルアドバイザーがシンガポールにも集まっています。
ラグジュアリーホテルブランドやDMOなども旅行会社と連携をし、潜在顧客層にサービスを紹介することで、誘客をはかっています。
富裕層向けの旅行会社と協力して実施できる施策
ラグジュアリーな旅行を好む旅行者には、旅行会社と連携することも誘客に繋げる方法の1つです。
具体的にラグジュアリーな旅行会社と連携するための一例を挙げるので、ぜひ参考にしてみてください。
- ラグジュアリー専門のビジネスイベントILTM Asiaなどの商談の場を活用し、ラグジュアリー旅行会社と交流する。
- 現地の旅行会社に自らアプローチをし、観光やサービスを紹介し、接点を作る。
- 現地のグジュアリー旅行会社向けにネットワーキングイベントを企画する。
- ラグジュアリー旅行会社を自社のホテルや施設に招待し、体験してもらう。
- ラグジュアリー旅行会社と共同で、旅行会社の顧客向けにイベントを開催する。
- 日本のラグジュアリートラベルを扱うDMCと連携する。
様々な方法がありますが、まずは自社のサービス・観光地を知ってもらうことから始まります。
それからコミュニケーションをはかり、自社・観光地のファンになってもらえれば、顧客に勧められるチャンスも高まり、誘客ができます。
これは、一度の面会では達成することは難しいですが、丁寧なコミュニケーションを続けることで培われていていきます。
さいごに(シンガポールの富裕層向けPRをご希望の場合)
以上、最新の富裕層の旅行スタイルやニーズについてご紹介しました。
「旅行のプロである旅行会社を活用する」といった調査結果を踏まえると、今後海外から日本へ富裕層を誘致するためには、富裕層に特化した旅行会社と連携することが有効な手段の1つになります。
弊社では、シンガポールの富裕層向けに特化した旅行会社のファムトリップや、観光情報の発信など実施した中で、ますます現地の事業者との協業への重要性を実感しています。
これから富裕層向けに訪日インバウンドを取り組みたいという方は、現地の富裕層向け旅行会社との信頼関係を得ている弊社の知見をフル活用してご支援させていただきます。
ぜひお気軽に以下よりご相談ください。
