シンガポールの化粧品市場最新動向:日本ブランドが今後狙うべきチャンスとは?
高温多湿な気候や多民族国家であるシンガポール。その特徴からシンガポールの化粧品市場は、消費者のニーズが非常に多様です。
特に、中華系、マレー系、インド系など、各民族ごとにそれぞれの美的価値観やスキンケアのニーズがあるため、それに応じた製品が求められています。
シンガポールで生活する人々は、どんな化粧品を選び、どのブランドを支持しているのか?
こちらの記事ではシンガポールの化粧品市場の特徴や美容に関するトレンドを詳しくご紹介させていただきます。
シンガポールのコスメ市場への進出を考えている方や、現地の消費者ニーズに興味がある方はぜひ参考にしてください。
シンガポール人は最新コスメ好き?シンガポール化粧品市場の特徴
【1】高温多湿なためオイリースキンやニキビに悩む人が多い
シンガポールは年間を通して高温多湿で、平均気温は約27~32℃、湿度は約80%にも達します。
このような環境では、肌が皮脂を過剰に分泌しやすいということもあり、シンガポールでは民族関係なく多くの人がオイリースキンやニキビに悩んでいます。
1979年に設立されシンガポール証券取引所に上場している病院「Thomson Medical」によると、シンガポールで最も主要な皮膚疾患は、アトピー、蕁麻疹、そしてニキビの3つです。
そのため、コスメ市場においては当たり前ですが、保湿よりも肌の水分量を適切に保ち、皮脂バランスを整えるスキンケア商品が特に求められています。
特に、気候に合った軽いテクスチャーやベタつかない使用感の製品が好まれる傾向にあり、エイジングケアや敏感肌対応の商品も注目されています。例えば日本ブランドでは、安価でありながらも機能性が高くてベタつかない「Hada Labo」の保湿シリーズが人気です。
一方、韓国ブランドでは、オイリースキン向けの「Beauty of Joseon」や「Laneige」、敏感肌向けの「Dr.G」や「Medicube」といったブランドが支持されています。また「Innisfree」のような天然素材を使用した製品も、肌に良さそうという印象から広く受け入れられています。
シンガポール特有の気候によるオイリースキンやニキビに悩む消費者のニーズに応える製品で、その良さや機能性をきちんと伝えられる日本ブランドであることが、シンガポール市場進出には必須であると言えます。
【2】韓国コスメの急成長
シンガポールで日本産コスメはフランス産、アメリカ産に次いで3番目の人気を誇ります。一方で、全世界的に勢いがすごい韓国コスメの急成長が、シンガポール市場で新たな競争をもたらしています。
日本産のコスメは1980年代にシンガポール市場に登場し、敏感肌向けや高品質な成分に焦点が当てられており、いまも堅実で根強いファン層が存在します。
ですが、若年層の消費者には韓国コスメが圧倒的に大人気。特に34歳以下の消費者の30%以上が韓国コスメを最も愛用しているという調査結果もあります。
メイクアップスタイルとしてもK-beautyを参考にしている人が多く、Malissa、JOAN 、risabaeなどの、韓国美容インフルエンサーの影響力が韓国コスメ人気をさらに後押ししているようです。
また、韓国コスメはトレンドを敏感にキャッチして商品作りがされているケースや、斬新で目を惹くパッケージが多いのが特徴的です。
シンガポール市場に参入する際には、敏感肌向けや高品質な成分といった日本産コスメブランドが持っている強み(イメージ)を活かしつつ、若年層をターゲットにしたトレンド感のある製品や斬新なパッケージデザインを取り入れることが求められるでしょう。
K-beautyのトレンドを参考に、ナチュラルグローや、つや肌メイクなどの言葉を用いることも効果的かもしれません。
また、韓国美容インフルエンサーに匹敵する影響力を持つ、シンガポールのローカルなインフルエンサーや人気を集めている国際的なインフルエンサーとのコラボレーションを積極的に行い、K-beautyに対抗する魅力的なブランドストーリーを発信することも戦略として検討する必要があります。
【3】ナチュラル・ヴィーガンコスメの人気
シンガポールでは、自然派やヴィーガンコスメ、クルーエルティフリー(動物実験なし)の製品が注目されています。消費者は、肌に優しい成分や環境への配慮を重視し、こうしたブランドの人気が高まっています。
特にシンガポールは環境や健康への意識の高まりと倫理的消費が進んでいるのと、高所得層が多いためこうした高品質な製品が支持されているようです。
シンガポールで人気の高いSephoraという化粧品のセレクトショップでは多くのオーガニックコスメ、クルエルティーフリーコスメを取り扱っていて、オーガニックスキンケアブランドとしてはアメリカ産の「Fresh」などの人気が高いです。
今後このような倫理消費を意識する層へ向けた商品ラインナップを提供することもシンガポール市場においては重要なポイントかもしれません。
品質と安全性重視!シンガポール化粧品ブランド紹介
シンガポール市場における日本ブランドは、スキンケア分野で高い評価を受けています。
特に価格に対して効果が実感できるというコストパフォーマンスの良さが消費者に支持されているようでシンガポールのドラッグストアでも、KateやCezanne、ヒロインメイク、Biore、hadalaboなどの日本ブランドがよく見かけられ、認知度が高いことが伺えます。
一方で、シンガポール市場で人気なブランドとしての地位を得るには、品質や素材へのこだわりが強く、製品の安全性や製造元などの透明性を強調するようなブランディングが成功の鍵となっています。
具体的にはカラフルで魅力的なパッケージデザインや、他のブランドとは圧倒的に差別化されたポイントを持っているブランドが特に人気です。
また、多民族社会であるシンガポールでは、様々な文化やニーズに対応できる豊富な製品ラインアップが求められています。
以下では実際にシンガポール市場で支持されている3つのブランドをご紹介させていただきます。ぜひ参考にしてみてください。
byCaxs
2017年に設立された、安全で高品質なつけまつげとカラーコンタクト需要に伴いシンガポールで生まれたブランド。
コンタクト販売の際は、無料で目の診断をその場で受けられるなど安全性にこだわっており、コンタクトレンズ・つけまつげの双方ともラインナップが豊富で、自分のメイクスタイルにあったものを選べることができます。
代表はCassandra Tanという有名な美容系インフルエンサーで、女性起業家としてシンガポールをはじめ様々なメディアで取り上げられています。
インフルエンサーを起用したメディアドロップを積極的に実施している様子がSNSのタグ付け投稿から確認できます。
ポップなブランドイメージから主に若年層から高く支持されています。
【出典】ByCaxs Facebook
RE:ERTH
日本の品質の高い化粧品を海外に向けて発信したいという思いから、日本人の方が始めたメイドインジャパンのシンガポール化粧品ブランド。
代表商品は白ウコンを使用した「Multi Targeted Elixir」は近畿大学との共同研究によって開発された九州産の白ウコンを使用したクリームで、2022年にはHarper’s Bazarのベストサステナブルコスメにも選ばれました。
オンラインのみでの販売をされているブランドですがが、以前弊社のブログでもご紹介したことがある「Boutique Fairs Singapore」などで定期的にポップアップ販売を行っていらっしゃいます。
日本での販売はなく、シンガポール・中東地域で販売しています。
が代表商品で、最近男性用のラインナップも販売されています。
【出典】RE:ERTH Webサイト
POST CARD
無駄を少なく、地球に優しい商品を手づくりをしているオーガニックコスメブランド。
元は「OASIS Beauty Kitchen」というブランドでしたが。2024年にリブランディングされて誕生しました。
シンガポールで手作りされていて、その材料は全て厳選された信頼できるサプライヤーのものを使用し、材料の産地をしっかりと把握できる安全でサステイナブルな商品を提供しています。
オンラインでの販売と「Boutique Fairs Singapore」などの催事ポップアップ、「The Green Collective」などのセレクトショップで販売されています。
【出典】Creative Boom, Robot Food’s identity for beauty brand Postcard invites us to slow down, 1 October 2024
さいごに
シンガポールの化粧品市場は、多国籍なブランドが競い合う激戦区ですが、市場に合わせた戦略を強化することで、日本産のコスメブランドはさらに成長できると考えられます。
とはいえ美容市場は特に移り変わりが激しいため、まずはシンガポール市場で開催されているターゲットにあうイベントなどに出展してみて、市場調査やテスト販売を行い、シンガポール人のリアルな反応を確認することをおすすめいたします。
弊社はシンガポールでの創業15年以上で培ってきた知見やネットワークを活用して、最新の調査や市場動向を肌感覚で知ることができる取り組みを、ご要望に合わせてコーディネート・分析・戦略立案などを包括的にサポートさせていただくことが可能です。
シンガポール市場での販路開拓などをお考えの方はぜひお気軽に以下のフォームよりご相談ください。




