シンガポール市場における観光PRの海外事例【オーストラリア・ニュージーランド】

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みなさん、こんにちは。

Vivid Creationsでインターンシップをしている、原 美結(みゆう)と申します。

 

突然ですが、みなさんはシンガポール内で、
日本以外の国々がどのような観光PRを行っているのか、ご存じでしょうか?

 

弊社では日本の様々なクライアント様の海外PRを数多く担当させていただいていますが、日本ならではの訴求の仕方』を考えるにあたって、諸外国の動向は常に気になるところです。

そこで今回は観光産業に注目し、シンガポールで行われている日本以外の国、私の留学先である「オーストラリア」と隣国「ニュージーランド」の観光PRキャンペーンをご紹介します。

どうぞよろしくお願いいたします!

 

オーストラリア政府観光局の「UnDiscover Australia」

UnDiscover Australia」は、オーストラリア政府観光局(Tourism Australia)が、およそ日本円で7億円の予算を投資し、インド・マレーシア・インドネシア・シンガポールの、高付加価値な観光体験を求める客層(High-value traveller)をターゲットとし、2018年9月に開始したキャンペーンです。

なぜ上記の4ヶ国がターゲットかというと、これらの国々から毎年130万人以上もの観光客が訪れ、さらに約50億ドルもの経済効果をもたらしているから、とのこと。

NEW UNDISCOVER AUSTRALIA CAMPAIGN LAUNCHES IN SOUTH & SOUTH EAST ASIA
(1 September 2018)

既成概念を超えた「知られていない魅力」を発信する

美しいビーチやコアラやカンガルーなどの可愛い動物を連想されることが多いオーストラリアですが、一般的にはまだ知られていない魅力や、イメージと違う一面を知ってもらうが、本キャンペーンの目的です。

SNSを中心とする情報発信が活発に行われていて、Facebook・Twitter・Instagram・Youtubeなどのマルチチャンネルで、一貫したブランドイメージの情報発信、オーストラリアの新たな魅力の訴求がされています。

SNSを積極的に活用することにより、インフルエンサーとコラボも実施可能なので、より多くのターゲットに新たな魅力を発見してもらうことができます。

ちなみに、オーストラリア政府観光局の調査によると、70%以上のシンガポール人が「オーストラリアといえば素晴らしいビーチ」と感じているという結果が出ました。

一方で、ビーチと真逆の内陸部には、ウルルのエアーズロックなどのダイナミックな風景が広がっており、内陸部でも一生忘れることのできないような美しい景色や体験をたのしむことができます。

また、76%のシンガポール人が「オーストラリアではガイドツアーが一番良い方法だ」と考えているという結果が出ているものの、実際のところオーストラリアはレンタカーを借りてドライブするのにピッタリな場所であることなどを、確かな数字的根拠をもとに「まだ知られていないオーストラリアの魅力」を発信していることも、本キャンペーンの特徴の一つです。

出典:Super Travel Me.com: Tourism Australia invites Singaporeans to UnDiscover Australia

顧客満足度を高めるための外部パートナーとの関係性構築

もうひとつ特徴的なのは、オーストラリア政府観光局が「Aussie Specialist Program」という、オーストラリア旅行の商品を販売している旅行代理店向けの取り組みを行っていることです。

内容は、どのように現地の旅行代理店がオーストラリアを効果的にPRしていくのかについての知識やスキルを身につけるための無料オンラインレクチャー。
5つのモジュールを完了すると「Aussie Specialist」としての認証が与えられるという仕組みになっています。

このレクチャーを通して、各国の旅行代理店は、オーストラリア政府観光局が積極的にプロモーションしていきたい観光コンテンツを学んだ上で、各国のニーズに合わせた商品造成を行うことができる画期的な取り組みです。

また、代理店側の理解促進以外にも、シンガポール航空や Chan Brothersなどの現地旅行代理店と連携したキャンペーンも実施

シンガポールでは特別割引航空券やツアーの販売を行い、オーストラリア旅行への興味関心を高め、具体的な計画段階へ移行する後押しとなっています。

出典:UnDiscover Australia with Singapore Airlines

国や地方自治体がどんなに力を入れて自国の魅力を発信しても、消費者に直接的に関わる現地の旅行代理店が、現地のことを何も知らずに商品の造成や販促をすると、計画期と実態のあいだにギャップが生じ、結果的に顧客満足度が高められません。

政府観光局と旅行代理店が、お互いに情報や意見を交換していける場があること自体がとても重要なだけでなく、その場での取り組みによって相互理解が生まれていることは、特筆すべき点です。

ニュージーランド政府観光局の「100% Pure New Zealand」

2019年3月から4ヶ月間、ニュージーランド政府観光局(Tourism New Zealand)が、Air New Zealand、Singapore Airline、さらにシンガポールの旅行代理店 Chan Brothers、Dynasty Travel と提携し、シンガポール人対象のPRキャンペーンを行いました。

本キャンペーンは、ニュージーランドで1999年から持続的に行っている「100% Pure New Zealand」キャンペーンの一環で実施された取り組みです。

シンガポール市場をターゲットとしたのは、年間でニュージーランドを訪れるシンガポール人が、2014~2018年の4年間で3割増え、2018年には6万人を超えたことや、訪問客の30~35%がシンガポールからのリピーターとなっていることが主な理由です。

出典:TTG Asia: Tourism NZ launches new regional campaign for Singapore market(6 March, 2019)

事前調査を元に設計された戦略的な取り組み

事前におよそ1,000人のシンガポール人を対象としたシンガポール市場におけるニーズやトレンドなどのアンケート調査を行い、その結果を元にしたキャンペーンが実施されました。

調査の結果、シンガポール市場では有名なオークランドやクライストチャーチのような有名な観光地ではなく、ローカルな体験や「暮らすように旅をする」ことができる体験や、旅行中の食に対する関心が高いことが判明。

それを踏まえて、認知度が低い北方にある2つの地域(Wellington、Wairarapa)と、南方にある3つの地域(Nelson、Marlborough、Canterbury)を、PR対象地域として選定しました。

実際、50%以上のシンガポール人が、ニュージーランドを訪れる際に、主要都市以外の場所に行っているというデータもあるため、本キャンペーンがシンガポール人のニーズをしっかり捉えていることがよく分かります。

出典:Tourism New Zealand: Singaporeans encouraged to explore region’s hidden gems(7 Mar, 2019)

 

 

SNSやデジタルメディアを活用し、インフルエンサーやメディアとのコラボを通じた情報発信を強化するとともに、Air New Zealand では、国内20地域・41ルートで、航空費を最大50%割引が実施されました。

また、シンガポールの旅行代理店 Chan Brothers は、ニュージーランドでの少人数ツアーや、エコロッジやガラス張りの家などのユニークな宿泊施設を利用できるツアーを展開しました。

出典:TTG Asia: Tourism NZ launches new regional campaign for Singapore market(6 March, 2019)

定量的・定性的な裏付けをもとに、地域の強み、ターゲットとなる市場をよく理解した上で実施された本キャンペーンは、PRから現場での体験コンテンツまで一貫した整合性があります。

観光客にとって、理想と現実のあいだに溝がなく、充実した未知の観光体験を得ることができ、1度目の来訪を機にリピーターとなるなどの、後に続く波及効果が期待できます。

ストーリー性を活かしたデジタルキャンペーン

また、ニュージーランドは本初子午線に一番近い国のため、「地球上で最も朝日が登るのが早い国」として、「Good Morning World」という年間を通じたグローバルキャンペーンが実施されました。

魅力的な地域や、もう一度訪れたいと思う地域は、そこでしか見られない素晴らしい景色だけでなく、そこでしか出会えない「人との交流」もまた、大きな価値となります。

本キャンペーンには、現地の生活者だけでなく、観光客も参加することができることから、寄せられる動画は、美しい景色とあわせて、その地域を訪れたことがある様々な「人」に焦点が当てられています

多様な人々が思い思いに参加することができ、地域を訪れた人の【生の声】が、キャンペーン期間中、毎朝発信されるという仕組みは、他の動画PRキャンペーンと異なり非常にユニーク。

 

また、オンラインキャンペーンは、基本的に一定の期間中に限定で行われることが多いため、効果が一時的なものが多いのが現状ですが、本キャンペーンでは、1年間という長期に渡って誰もが参加可能で、毎朝最新の動画がYoutubeで公開されていきます

本キャンペーンの背景(世界で一番早く朝日を迎える国)や、応募されてくる動画自体にもストーリー性があるため、より一層ユーザーの興味関心を高めることが期待できます。

以上、オーストラリアとニュージーランドのシンガポールにおける観光PRキャンペーン、いかがでしたでしょうか?

 

シンガポールの市場はかなり成熟した状態にあります。

そのため、「何をどのように発信すると効果的か」を考えることは非常に重要です。

例えば、ニーズや嗜好に合わせて、お決まりの有名な観光名所を巡るのではなく、地元ならではの民宿に泊まり、地域ならではの食材を使った料理を提供する、などの工夫が求められます。

 

また、シンガポールの生活者にとってSNSやウェブサイトによる情報収集は主流であり、常日頃から様々なSNSの情報やプロモーションに触れています

そのため、ユーザーを一層アクティブに巻き込む、差別化されたプロモーション方法を考えることも、キャンペーンを成功へ導くカギとなります。

 

シンガポールで観光PRをお考えの皆さんは、ぜひ海外の事例もご検討時にご参照いただき、地域の強みを生かした特異なPRをお考えいただけたらと思います。

 

弊社では数多くの訪日インバウンド事業に携わっておりますので、シンガポールでの観光PRに関して、お気軽にお問い合わせください。

 

 


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