シンガポールのヴィーガン・ベジタリアン事情|一過性の流行ではない理由

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世界中でヴィーガンやベジタリアンなどの食肉消費を減らすトレンドが起きています。シンガポールでも多くのレストランでヴィーガンやベジタリアンなどのラインナップが用意されており、とても生活に身近な存在です。

持続可能な食体験を提供する飲食店が検索できる「abillion」のアプリに登録されているレストランの数は、2017年から2021年にかけて5倍に急増したと言われています。

またabillionは、2020年の新規ユーザーのうち「主に植物性の食事をするが、ときどき肉や魚介類を摂取する」という「フレキシタリアン」だと回答する人の割合が、前年の2019年と比べて5倍以上増えたとも発表しています。

実際にレストランやカフェなどの既存のメニューにヴィーガンメニューを含んでいる所が増えおり、ヴィーガンの食品を扱うスーパーや、専門のレストランやECサイトなどのオープンも増えました。

今回はシンガポールのヴィーガン・ベジタリアン事情について、現地在住者目線で具体的にご紹介します。

シンガポールのベジタリアン・ヴィーガン事情

昔からシンガポールにあったヴィーガン・ベジタリアンの食文化

ヴィーガンやベジタリアンといった食文化は、近年環境問題と相まって世界的に流行していますが、実はシンガポールでは以前から食文化として根付いていました。

なぜなら、シンガポールにはマレー系・インド系の方々や、ヒンドゥー教を信仰する方々が多く、彼らは菜食主義の方がほとんどだからです。

シンガポール在住者のうち、外国人が占める割合は人口の約3割ですが、外国人を除く「シンガポール人及び永住者」のうち、およそ4分の1はシンガポール以外の国で生まれています。

2020年の調査によると「シンガポール人及び永住者」の民族構成では、「マレー系」「インド系」は併せて全体の約20%。

ヒンドゥー教では、供犠のための肉食は容認していますが、無害の生き物を殺すことを否定しているため菜食主義者の多く、このことからシンガポールでは人口の2~4割程度が「菜食主義者」と考えることができます。

この人口統計は、2010年・2020年のデータで割合がほぼ同じで、それ以前もあまり変わっていません。

そのため、シンガポールは昔から一定数、ベジタリアンやヴィーガン、ハラールの食文化が根付いている国だと言えます。

ちなみにシンガポールの多民族性については、以下のブログで詳しくご紹介しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。

シンガポールに来る前に知っておきたい民族のあれこれ

シンガポールの5人に2人は「フレキシタリアン」

「フレキシタリズム」とは食肉の摂取量を減らす主義をいい、そのような食生活を心がけている人は「フレキシタリアン」と呼ばれています。

日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、市場調査コミュニティ「YouGov」が2020年に発表したデータによると、シンガポールでは39%もの人々が「『フレキシタリアン』である」と回答しています。

およそ5人中2人の割合なので、かなり「フレキシタリアン」の考え方は広がっていると言えるでしょう。

飲食店検索アプリ「abillion」の調査では、2020年に新規登録したユーザーのうち、自らを「フレキシタリアンである」と回答したユーザーは前年の2019年と比べて5倍以上増加したと発表し、もっとも成長しているユーザー層でした。

【出典】abillion, Surfing the Plant-based Wave in Singapore, Apr 20, 2021

道端でよくみる「齋」「素」はベジタリアンの証

昔からベジタリアン・ヴィーガンの食文化が身近にあったシンガポールでは、街を歩いていると「齋」「素」という漢字が書かれた看板を目にすることがあります。

これらは厳密には若干の違いはあるのですが、どちらもベジタリアンレストラン」という意味で、シンガポールの中ではかなり知られているサインのようなものです。

「フレキシタリアン」のような食肉消費を減らす主義の方は、このようなサインを目印に食事するレストランを決めることができます。

スーパーに流通するヴィーガン・ベジタリアン商品

シンガポールのスーパーでは、日本と比べてより多くのヴィーガン・ベジタリアン商品が取り揃えられています

ヴィーガン商品を多く目にしましたが、ヴィーガン商品にはベジタリアン商品のマークもついていて、ヴィーガン・ベジタリアン両方に対応されている商品も多いです。

ここからはシンガポールにあるスーパー別にどのような商品が販売されていたかご紹介します。

日系スーパー「DON DON DONKI」

シンガポールで大人気の「DON DON DONKI」。

日本メーカーのヴィーガン商品が何点か取り扱われています。

こちらは株式会社ニップンの「オーマイ」シリーズのボロネーゼで、動物性原料を使用せず、香味野菜を中心とした深みのある味わいが楽しめる商品です。

 

カップヌードルにもヴィーガンの日本商品がありました。

こちらの商品は、東京・自由が丘にある「T’sレストラン」監修により製造された商品で、原材料に動物性食材・化学調味料・アルコール不使用​。

豆板醬、甜麺醤でコクをだし、花椒の香りがたのしめるやさしい味わいになっています。

ローカルスーパー「FairPrice」

ローカルのスーパーである「FairPrice」には、ロンドン企業「WM Morrison Supermarkets Limited」のブースが設置されており、様々な種類のベジタリアン商品・ヴィーガン商品を取り揃えられていました。

日系スーパーと比べるとローカルなスーパーマーケットでは、多くのベジタリアン・ヴィーガン商品があり、簡単に手に入れることができます。

シンガポール料理などのローカルフードにも、シンガポール企業が手がけるベジタリアン・ヴィーガン向け商品ありました。

こちらの商品は、TOP GOURMET Food Industries Pte Ltd.というシンガポール企業が手がける「ニョナ・アチャール(Nonya AcharNonya Achar)」。

シンガポールやマレーシアで人気の野菜・ピクルス料理のヴィーガン商品でした。

Tee Yih Jia Food Manufacturing Pte Ltdというシンガポール企業が手がける冷凍春巻きも販売されていました。

ローカルの高級スーパー「CS fresh」

ローカルの高級スーパー「CS fresh」にも多くのベジタリアン・ヴィーガン商品が取り揃えられていました。

おしゃれなパッケージが多いのが印象的で、様々なジャンルの商品があり、生産国は、UAEやギリシャ、イギリスなど、様々な国から集められています。

たとえばこちらの植物由来のチーズはギリシャの商品でした。

こちらのヴィーガンの冷凍シュウマイは、アラブ首長国連邦から。

こちらのヴィーガンチョコレートは、ルーマニアから。

また、バーベキュー味・アボカド味・チーズ味があるヴィーガンのポテトチップスは、イギリスの商品でした。

シンガポールのヴィーガンレストラン集【2023年版】

元々ヴィーガン・ベジタリアンの食文化が根付いていると言えるシンガポールですが、ここ数年の間にスーパーでの取り扱いが増えているだけではなく、レストランでのヴィーガン料理の提供も増えています

そこでここからはシンガポールのヴィーガンレストランをいくつかご紹介させていただきます。

シンガポールでの市場調査などを実施したい、日本のヴィーガン商品メーカーの方はぜひ参考にしてみてください。

nomVnom Bistro

nomVnom Bistroは、シンガポールで意識の高い人々の間で人気のあるレストランです。

このビストロでは、ハンバーガー、ピザ、デザートのタルトなど、100種類以上の植物由来の料理がレビューされています。

Genius Central

Genius Centralはシンガポールの消費者の間で人気が急上昇しているお店のひとつです。

ヴィーガン以外のメニューも提供しているのですが、ヴィーガン料理が充実していることが人気の理由のようです。

実際にabillionでは、2020年2月の最初のレビューが公開されて以来、50品以上の料理がレビューされています。

Whole Earth​​

シンガポール初にして唯一のタイ・プラナカンベジタリアンレストラン。

タイ料理とプラナカン料理という2種類 の料理の味の特徴を見事に融合させた、辛味と酸味のある料理が特徴。

【出典】Whole Earth​​ Webサイト

Herbivore By Zen Japanese Vegetarian Restaurant​​

2010年に創業されたシンガポール初の日本食ベジタリアン専門店。

蕎麦やラーメンの出汁等をはじめ動物性のものは一切使用していません。

【出典】Herbivore By Zen Japanese Vegetarian Restaurant ​​Webサイト

Tea Villa Café

ベジタリアン・ビーガンを始め、グルテンフリーの料理も提供するお店です。

幅広いジャンルの料理があり、100種類以上のお茶も飲むことができます。

ELEMEN 元素

マリーナベイ北側にある野菜料理のお店。

地球環境に配慮しつつ健康的な食事を提供することをコンセプトにした、オシャレなレストランです。

【出典】ELEMEN 元素 Webサイト

さいごに

シンガポールでは、ヴィーガンやベジタリアンなどの商品はとても生活に身近な存在です。

今回ご紹介したように日本の商品は流通しているものの、ヴィーガンスイーツなどのラインナップはあまりないので、日本産のこだわった商品などには市場参入の可能性があるように感じています。

ぜひそのような商品をお持ちで、海外販路開拓をご検討されている方がいらっしゃいましたら、この記事が参考になりますと幸いです。