シンガポールのお酒事情。ビールとワインが人気な市場で日本酒が奮闘!
【更新日】2023.12.11
世界中、国によってお酒事情は異なり、シンガポールも例外ではありません。その国のお酒事情をしっかり把握しておくことで、最大限お酒を楽しむことができます。
シンガポールは東南アジアの経済や文化のハブとなる国であり、世界中の人、食、そしてお酒が集まっています。
シンガポールではお酒に関する規制が厳しく、また値段も比較的高くなっていますが、その中でも年々アルコール市場は伸びています。
今回は、日本とシンガポールのハーフであり、お酒好きな私が、お酒に関するルールの日本との違いやシンガポールでおすすめのお酒を飲む場所、さらには今熱い日本酒についてもご紹介します!
シンガポールの特徴的なお酒事情
シンガポールに来て、お酒に対する日本よりも厳しい規制と、日本よりも高い値段といった「日本との違い」に驚いた同時に、世界中から集まった人々が世界中のお酒を夜な夜な楽しんでいる様子を見て、シンガポールが国際的な都市だということを改めて感じました。
シンガポール一番人気のお酒はビール
2019年のシンガポールにおけるアルコール類の収入は$25億91百万米ドル(約2,720億円)。2010年以降、年々伸びています。
出典:Statista Consumer Market Outlook – Market Report「ALCOHOLIC DRINKS REPORT – 2020」
2023年11月現在、シンガポールのアルコール市場規模は28億米ドル(約3,980億円)。アルコール消費量は今後5年間、毎年6.56%増加すると予想されています。2023年の市場全体の収益の3.1%はオンライン販売によるものです。
また、世界保健機関(WHO)の2016年のデータによると、15歳以上の総人口約484万人の一人当たりの純アルコール消費量は2リットルで、内訳はビール70%、ワイン15%、蒸留酒13%と、ビールが圧倒的に人気です。
日本では、国税庁のデータによると、2016年の成人1人当たりの種類消費数量は80.9リットル(沖縄除く)なので、消費量において、シンガポールと日本とではかなりの差があります。
出典:World Health Organization ALCOHOL CONSUMPTION: LEVELS AND PATTERNS
特に一般的に広まっているのは、シンガポール産のタイガービール。どんなお店でも見かけますね。
タイガービールは日本のビールよりもっとライトな感じで、ビールが苦手な人でも飲めると思います!あとはハイネケンなどの世界的なブランド、日本のアサヒやサッポロビールなど幅広い種類のビールを飲むことができます。
ちなみにタイガービール工場では見学ツアーに参加することができ、様々なビールを楽しむことができ、ビール好きには堪りません。

輸入のお酒は価格が2倍!?
シンガポールでは多くのお酒を輸入しています。
どこの国もそうかと思いますが、基本的に輸入のお酒は高いです。
シンガポールでは、アルコール度数が高ければ高いほど酒税がかかるので、日本酒やウイスキー、ワインなどは2倍、さらに高いものだと3倍ほどの価格になっているのも見かけます。
日本からの持ち込みだと一人合計2Lまでは免税で持ち込めるので、ぜひ事前に持ち込みするのをおすすめします(笑)
※お酒は合計2L持ち込めますが、各種類1Lまでという規制がありますのでご注意を。
※最新情報はシンガポール税関のWebサイトをご確認ください。
レストランやバーだと、ビールはS$10〜15程度(800〜1200円程)、カクテルはS$20ドル(1,560円〜)、日本酒は1合で S$18〜(1,400円〜)ぐらいはして、日本の倍ぐらいの値段がします。
できるだけ安くお酒を買いたいという方は、オンラインで購入すると少し安いです。
大手スーパーマーケットFairpriceのオンラインストアでのお酒の価格を見てみましょう。
参照元:Fairprice「Beer, Wine & Spirits」
ビールは日本と大差ないのですが、その他のお酒の値段は日本よりも高くなっています。
具体的な銘柄で言うと、例えば「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 しぼりたて生原酒」は旭酒造株式会社の公式オンラインストアでは5,500円で売られていますが、シンガポールの某オンラインストアでは$138(約10,800円)で売られており、約2倍となっています。
【 シンガポールの酒税計算式 】
シンガポールではアルコール度数によって酒税(物品税)の額が変わります。
計算式は以下の通りです。

例えばアルコール度数が15%の日本酒720ml1本の場合、0.72リットルx88ドルx15%=約9.5ドルが酒税となります。
輸入のビールはこれに1リットルあたり16%の関税分が追加されます。
このように酒税により、特に度数の高いお酒は日本よりもかなり高い値段となっています。
18歳から飲酒OKだが厳しいルールも
シンガポールでは18歳からお酒を飲むことができます。
しかし、飲む時間については非常に厳しい決まりがあります。
公共の場での飲酒に関する規制
2015年4月1日から午後10時30分〜翌朝7時までの間は公共の場での飲酒が禁止となりました。
レストランやバーでは午後10時30分を過ぎても飲み続けることはできるのですが、その時間でのスーパーマーケットやコンビニなど小売店でのお酒の販売は禁止されているので、夜遅くまで働いたり、遊んだりした後に自宅でお酒を楽しむために買おうと思っても買うことができません。
もし、違反した場合は、SG$1,000ドル以上の罰金または最長3か月の禁固刑となってしまうので、ご注意ください。
また、リトルインディアとゲイランというエリアでは、土曜の朝7時〜月曜の朝7時までは公共の場での飲酒が禁止、土日/祝日前日/祝日は午後7時〜翌朝7時まで小売店でのお酒でのお酒の販売は禁止といったように、更に厳しいルールが敷かれています。
これらのルールは、シンガポールの大手新聞メディア「THE STRAITS TIMES」でも大きく報じられました。
出典:THE STRAITS TIMES「What you can or cannot do under the new alcohol law」(APR 1, 2015)
おまけ:ノンアルコールの人気も拡大中
弊社はシンガポールに設立して10年以上になるのですが、コロナ禍を経てノンアルコールカクテルが日常的にレストランメニューやお店で購入できるようになったと顕著に感じています。
例えばシンガポールで人気のこちらのファインダイングでは、カクテルと同等の数のノンアルカクテルがメニューに掲載されていました。
先日行った二つのレストランのメニュー。右側の写真は「Zero Proof」がノンアルのメニューです。
その場ですぐ飲める状態のノンアルコールカクテル「Ready to Drink Moktail」の世界市場は、2028年までに約128億円(94億3000万米ドル)になる見込みで、2021年〜2028年のあいだに9.6%で成長するとも言われています。
シンガポールでもアルコールを飲まない若者が急増しており、新聞などの大手メディアでノンアルコールワイン、ノンアルコールスピリット、ノンアルコールカクテルなどが紹介されています。
シンガポールのノンアルコール飲料事情については以下のブログ記事にまとめているので、気になる方はぜひご覧ください。
拡大するノンアルコール市場!海外進出するならシンガポール市場からはじめるべき理由
シンガポール人はどこでどうやって飲んでいる!?
シンガポールは東南アジアのハブであるだけあって、世界各国のお酒をいろんなところで楽しむことができます。
以下の記事では、シンガポール在住の日本人・シンガポール人スタッフによるおすすめのバーやレストラン・観光地をご紹介しているので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
現地在住者おすすめのシンガポールの穴場観光スポット特集|カテゴリ別18選
居酒屋/レストラン
シンガポールにはシンガポール料理、西洋料理、アジア料理、和食など世界中の料理が集まっており、イスラム系のお店を除いて多くのお店がお酒を提供しています。
brewerkz

ビールをグイッといきたい方は、まずはローカルのクラフトビールを提供しているbrewerkzへ!
3店舗ありますが、シンガポールリバー沿いの店舗のテラス席で風を感じながら飲むのがおすすめです。
wineconnection

ワインを気軽に楽しみたい方は比較的お手頃な値段のwineconnectionへ。
バー
バーも多くあり、世界中の様々なお酒を提供しています。
Native

インド系シンガポール人のオーナー兼バーテンダーが迎えてくれるNative。シンガポールやアジアの素材を使用したカクテルで有名です。
Kabuke

最近は日本酒がメインのSAKEバーもいくつかできています。
お洒落なレストランやバーが立ち並ぶエリアにあるKabuke。和の要素を取り入れたインテリアと共に様々な日本酒を楽しむことができます。
Smith Street Taps

また、シンガポールではクラフトビールの人気も年々高まっており、シンガポール人が日常的に通う屋台(ホーカーセンター)でもクラフトビールを提供するお店が増えています。
その中でも特に人気があるお店、Smith Street Taps。
ローカルや海外のクラフトビールを幅広く楽しむことができます。
自宅
スーパーマーケットやECサイトなどで購入し、自宅でお酒を楽しむ人も多くいます。
オンライン販売は、Fairpriceなどの大手スーパーマケットや日本酒ディストリビューター各社も自社ECサイトを始め、一般消費者への販売を開始しています。
Fairprice
シンガポール在住ならだれもが知っている大手スーパーマーケット
Inter Rice Asia
ローカル日本酒ディストリビューター
また、新型コロナウイルス感染症の影響で、シンガポールでは酒類のデリバリーサービスもかなり人気を得てきています。
シンガポールの日本酒デリバリーサービス事情については、私が個人で立ち上げているシンガポールメディア「DanSINGAPORE」の記事にまとめているので、よろしければご覧ください。
シンガポールでは日本酒人気が上昇中!
ビールが主流のシンガポールのアルコール市場ですが、日本酒が今とても熱いのです!
日本酒輸入販売会社が即売会を開催すると、来場者のほとんどがシンガポール人で、日本と比べて高い値段にもかかわらず、一度に10本以上買っている人も見かけます。
2023年4月1・2日に開催された第6回目の「Sake Matsuri Singapore 2023 | Spring Edition」では、2日間で1,800万円以上(約SGD$176,000)を記録。会場は熱気に溢れていました。
「Sake Matsuri Singapore 2023 | Spring Edition」については以下の記事に詳しくまとめているので、参考にしてみてください。
シンガポール最大級のイベント「Sake Matsuri」で海外市場進出を検討しよう
日本からの輸出量は世界で第5位!
アルコール市場全体の中では割合としてはまだまだ小さいのですが、国税庁によると2020年のシンガポール向け清酒の輸出金額は約11億円で、日本酒はここ10年間は毎年平均12%を超える勢いで伸びており、2022年にはアメリカ、中国、香港、中国、韓国に続いて第5位と重要な輸出先の一つになっています。

出典:国税庁, 報道資料 酒類の輸出動向について(平成26年~令和3年)
先程ご紹介した通り、現在は日系のお店だけでなく、シンガポールに根差す現地のスーパーマーケットやレストラン、イベント、デリバリーやサブスクリプションサービスなどを通じて、日本酒が手に入る場や機会が増えています。
新型コロナウイルス感染症の影響が懸念される一方で、市場のニーズを把握し適切に応えることができれば、今後も日本酒の輸出額は右肩上がりとなるだろうと考えられそうです。
日本食レストラン以外でも日本酒が増えている
日本酒といえば和食というイメージがあり、シンガポールでは実際に多くの日本食レストランで日本酒が取り扱われています。しかし、フランス料理、スペイン料理、アジア料理など日本食レストラン以外でも日本酒の取り扱いが増えていて、ワインリストの中に「SAKE」として載っています。
nouri(ヌーリ)

例えば、イノベーティブなフュージョン料理を提供しており、Asia’s 50 Best Restaurantsにランクインしたり、ミシュラン一つ星をとるなど勢いのあるレストラン、nouri(ヌーリ)。
Sake Sommelier of the Year 2019を受賞したソムリエが、美味しい日本酒を紹介してくれます。
1984年に設立された世界的に最も権威あるブラインドテイスティング審査会の一つであるインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)で、2007年にSAKE部門が導入され、それ以来、世界的に日本酒の評価も高まってきていて、シンガポールでも同様に人気が高まっています。
非和食の高級レストラン12店舗とタイアップし、シーフードと日本酒のペアリングを2ヶ月間提供したキャンペーンも好評でした。
実施内容の詳細はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ参考までにご覧ください。
甘口フルーティーな日本酒が人気!人気銘柄は?
シンガポール人は甘い飲み物が大好きです。
コピと呼ばれるローカルのコーヒーやコンビニで売っている緑茶、日本でも人気の出たタピオカドリンクなどは、甘い状態が基本になっています。
なので、日本酒に関してもフルーティで甘さを感じ、飲みやすい「純米大吟醸」が人気で、銘柄だと日本でも人気な獺祭や十四代が人気です。
また、最近はスパークリングの日本酒や貴醸酒などといった特徴のある日本酒も徐々に認知度をあげています。例えば、スパークリングの日本酒は高知・土佐酒造の「匠(John)」、貴醸酒は広島・榎酒造の華鳩が販売されています。
以前は普通酒も多かったのですが、最近は特定名称酒(純米酒、大吟醸酒など)が一般的になり、さらに最近は獺祭など超有名銘柄をはじめ、上善如水、久保田、一の蔵など日本全国のお酒を見かけるようになりました。
また、こちらはある量販店で販売されている日本酒の棚。
日本でも馴染みのある銘柄がたくさん見受けられます。

また、2018年から過去5回開催されているシンガポール最大級の日本酒イベント「Sake Matsuri Siganpore」には年々注目が集まっており、2023年4月に開催された第6回目の「Sake Matsuri Singapore 2023 | Spring Edition」では、2日間で1,800万円以上(約SGD$176,000)を記録。
シンガポール未進出の銘柄や日本酒関連商品(酒器など)を中心に、日本から出展される9社が集まって「Japan Exclusivesブース」として出店し、多くの日本酒ファンを魅了しました。
定期的に開催されている日本酒イベントもあるので、日本酒の需要は今後ますます高まっていくと予想されます。
「Sake Matsuri」については以下の記事に詳しくまとめているので、ぜひご覧ください。
シンガポール最大級のイベント「Sake Matsuri」で海外市場進出を検討しよう
さいごに
以上、シンガポールのお酒事情でした。
厳しい規制もありますが、シンガポールでは日本酒含め世界中のお酒を楽しむことができます。
ルールを守りながらシンガポールでお酒をぜひ楽しみましょう!
弊社ではさまざな日本の商品のPRや販路拡大をシンガポール市場向けにご支援させていただいています。
具体的にお困りなことなどございましたら、ぜひ以下のフォームよりお気軽にご相談ください。









