高付加価値旅行者の訪日観光誘客に東南アジアが絶対に外せない理由

東南アジア富裕層の訪日観光
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富裕層向けの訪日誘客を狙っている方は、実際にどのレベルの富裕層を狙っているのか、明確に定義できていますか?

日本政府が推奨している「高付加価値旅行者」レベルの富裕層を狙うのであれば、圧倒的に「東南アジア」市場をターゲットにすべきです。

その理由は大きく3つあります。

  1. 東南アジアは、1人あたり名目GDPの伸び率と人口が増加しているから
  2. 訪日観光に対する認知度が、欧米豪よりもはるかに高いから
  3. 東南アジアの方が、他の地域よりも優位な訪日滞在の特徴があるから

この記事では、東南アジア全域におけ観光事情をもとに、なぜラグジュアリー層向けの訪日誘客は東南アジア市場がおすすめなのかをご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

 

【1】東南アジアは、1人あたり名目GDPの伸び率と人口が増加しているから

2023年と2028年の1人あたり名目GDPの伸び率の世界平均は「122.22%」と言われています。

ですが、東南アジアのデータでは全ての国で世界平均以上となる見込みで、最も伸び率が小さいのはシンガポールとなっています。

1人あたりのGDP成長率を表したグラフ

【出典】International Monetary Fund, GDP per capita, current prices

1人あたり名目GDPが伸びるということは、消費力が高い裕福な人口や、新興富裕層の数も増えると予想されているため、訪日観光中に経済を潤わす顧客の来訪が見込まれる可能性が高いと考えられます。

もちろん、1人あたり名目GDPが伸びているからといって、東南アジアの人口全員が富裕層になるというわけではありません。

ですが、人口予測を見ても東南アジアの人口は右肩上がりとなっているので、今後の訪日観光産業の成長にとって、重要な市場であることは間違いないでしょう。

東南アジアの人口増加

【出典】United Nations, Department of Economic and Social Affairs Population Division, World Population Prospects 2022

【2】訪日観光に対する認知度が、欧米豪よりもはるかに高いから

訪日旅行者の認知行動ステージを示した「訪日ファネル」に関するJNTOの調査によると、

⽇本についてまったく知らない

⽇本については知っているが、観光地またはアクティビティに関する情報は⾒たり聞いたりしたことはない

という特徴を持つ「無認知」の層は、

  • 東南アジア:14.1%
  • 東アジア:16.8%
  • 欧米豪:38.7%
  • インド:39.3%
  • 中東:60.9%

と、欧米豪とアジアの間には大きな差があり、アジアの方が割合が低いということは、すでに日本に関して認知している層が多いということを表しています。

欧米豪の「無認知」層に日本の観光の魅力を認知させて、さらに旅行商品の予約・購入まで繋げるのは労力がかかります。

一方で、アジア圏の場合は認知が既にあるため実際の来訪に至る次のフェーズに比較的ステップアップしやすい可能性が高いことがわかります。

訪日旅行者の認知行動ステージを示した「訪日ファネル」

訪日旅行者の認知行動ステージを示した「訪日ファネル」

【出典】JNTO, プレスリリース「世界 22 市場を対象とした国外旅行・訪日旅行に関する新たな調査結果を公表!」2024 年 1 月 25 日

【3】東南アジアの方が、他の地域よりも優位な訪日滞在の特徴があるから

「超富裕層」の場合は、費用や時期を問わずに自由に旅行をすると考えられます。

一方で日本政府が定義し誘致を推奨している「高付加価値旅行者」の中でも、より一般的な観光客に近いラグジュアリー層は、「超富裕層」よりも一般的な観光客に近い費用感や滞在日数になる可能性が高いと考えられます。

そのため、通常の訪日旅行のトレンドや特徴が当てはまる可能性が高いと考えられます。

それを踏まえると、東南アジアは他の地域よりも、訪日滞在中の特徴として、以下の3つのポイントにおいて優位性があると考えられます。

  1. 東南アジアには、欧米よりもリピーターが多い(より高い滞在消費額が見込める)
  2. 東南アジアは、東アジアよりも滞在日数が長い
  3. 東南アジアの方は、日本の地方エリアへの訪問希望意識が高い

東南アジアには、欧米よりもリピーターが多い(より高い顧客生涯価値が見込める)

JNTO訪日旅行データハンドブックのデータとして公表されている「各国の訪日回数の中間値(2019年)」と、観光庁が公表している「年間の国別旅行支出額(訪日旅行者数と1人あたりの旅行支出額を掛け算したもの)」を掛け算して、以下の表を作成しました。

ライフタイムバリューと言われる「顧客生涯価値」、つまり生涯の訪日旅行中の消費額を比較したものです。

訪日滞在中の消費額を比較

【参考】「JNTO訪日旅行データハンドブック」と観光庁の「年間の国別旅行支出額」をもとに弊社が作成

一人あたりの消費額を見ると米国が「6,061億円」とダントツで1位となっています。

ですが、訪日回数が多いことを考慮すると、東南アジア市場からの訪日観光客による日本の経済貢献力は高いということがよくわかります。

 

東南アジアは、東アジアよりも滞在日数が長い

以下グラフは、JNTO訪日旅行データハンドブックにある、2019年の国別の訪日滞在日数のデータをもとに、弊社で作成した表です。

2019年の国別の訪日滞在日数のデータ

【参考】「JNTO訪日旅行データハンドブック」をもとに弊社が作成

東アジアの平均が「4.2日」なのに対し、東南アジアは平均「7.46日」となっています。

滞在日数が長いだけで、お金を落としてくれることになるので、東南アジアの訪日観光客の方が日本経済への貢献度が高いことが見込まれます。

また現在日本では地方への訪問や地方での宿泊を推進していますが、滞在日数が長くないと実際に足を運ぶことが困難なケースがほとんどです。

東南アジアの訪日観光客の場合は平均で1週間滞在するため、地方への誘客を実現しやすいと考えられます。

東南アジアの方は、日本の地方エリアへの訪問希望意識が高い

東アジアは、地方空港への直行便やチャーター便が多いという特徴があります。

ですが、先ほどご紹介したように「滞在日数が短い」ため、近隣の地方を周遊することがなかなかできない傾向があります。直行便がない地域には誘客しづらいのです。

一方で東南アジアは、周遊に足りる滞在日数が確保されやすいだけでなく、ゴールデンルートや大都市以外の地方への訪問意向も高いという特徴もあります。

JNTOの調査によると、「大都市+地方エリア」への訪問希望も、「地方エリアのみ」の訪問希望も、いずれも東南アジア諸国は欧米豪エリアに比べて意欲が高いという結果が出ています。

日本の地方エリア訪問希望率

【出典】JNTO, プレスリリース「世界 22 市場を対象とした国外旅行・訪日旅行に関する新たな調査結果を公表!」2024年1月25日

実際にシンガポール市場では、富裕層を取り扱う旅行会社から「メジャーな観光地に変わる場所を常に探している」という声を聞くことがあります。

地方への周遊に関しては、多くのシンガポール・日本間のフライトが就航する東京や大阪などの大都市からであれば

「国内線や新幹線を使えば、比較的どの地方に行くのも便利だと思う。
シームレスに移動ができるのであれば、距離が多少遠くてもまったく気にならない」

という声もよく聞きます。

例えばシンガポールのとある富裕層向け旅行会社の担当者は、

奄美大島へ行くには、関西空港から公共交通機関で伊丹空港まで移動して、奄美空港まで飛行機で向かうというルートがとても便利で良いんだ

と教えてくれました。

日本政府が推進しようとしている地方への訪日観光誘客は、東南アジア市場にこそ活路があると感じています。

さいごに

ひとくちに「富裕層」といっても、様々なタイプや分け方があります。

最上位の「UHNW(Ultra high-net-worth)」と呼ばれる、純資産で約39億円の超富裕層をターゲットとする場合は、以下のようなニーズを抑えられる地域でないと難しいでしょう。

  • 当該国の母国語での対応
  • プライベートジェットやスーパーヨットの停泊
  • 「Relais & Châteaux」や「The Ryokan Collection」加盟宿泊施設
  • なかなか予約が取れない最高品質のサービスが提供できるレストラン
  • ヘリコプター移動の手配

このような「超富裕層」が世界的に多く住んでいるのは、米国・中国・ドイツ市場です。

ですが、このような市場向けに訪日誘客施策を実施しても、「超富裕層」が求めるレベルでの対応が現実的にできない地域の場合は、かえって満足度が低いと思われたり、地域に負担がかかってしまうことが懸念されます。

一方で、日本政府が誘致を推奨している「高付加価値旅行者」を狙うのであれば、上記に挙げた理由から東南アジア市場との相性は抜群です。

弊社にご相談いただけますと、ざっくばらんな情報交換や具体的なご相談にものれるので、ぜひお気軽に以下のフォームよりお問い合わせください。

この記事が訪日観光誘客の一助となれば幸いです。