海外向け日本酒オンラインイベントを成功へ導く6つのポイント
海外でも日本酒のオンラインイベントが増えてきました。私たちもシンガポール市場をターゲットに日本酒のオンラインイベントをいくつか手掛けています。
「海外向けでも参加者いるの?」と不安の声も多かったですが、きちんと戦略的に内容を考えれば、実際はかなり満足度が高いイベントを実施できています。
日本国内で日本酒のオンラインイベントをされている酒蔵さんは、ぜひシンガポールでもオンライン開催してほしいです。まだまだ日本酒の参入が少ないので、海外進出の足がかりとなるはずです。私たちも日本酒がもっとシンガポールに進出してほしいと切に願っています!
ただし、海外で開催するとなると、プレゼンの内容やその後の販路の確保など、考えなくてはいけない視点がいくつかあります。
そこで今回は、海外市場向けのオンライン日本酒イベントを成功させるコツを6つご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
【1】紹介する日本酒の流通経路を事前に確認する
海外向けの「日本酒オンラインイベント」の最終目的は、参加者のみなさまに実際に「お酒をのみたい!」「購入してみたい!」と思ってもらうことですよね。
そのために「イベントの内容をいかに面白くするか」という視点はもちろん大切ですが、視聴者の購買意欲が高まった先に、現地(ターゲットとした海外市場)で購入することができる環境があるかどうかは、とても重要なポイントになります。
- オンラインイベントで紹介する日本酒は海外市場に流通しているのか
- 流通しているとしたら、具体的にどうやったら買えるのか
- どのくらいの値段で買えるのか
- 現在流通していない場合は、個別注文などでお届けすることはできるのか
など、「イベント後、視聴者にどのようにお酒を提供するのか(商材を流通させるのか)」、事前にチェックをしましょう。
たとえば、ゲストやプレゼンターの方がイベントで日本酒の特徴を説明するために例として出したお酒が、参加者がいる海外の市場で販売していなかった、ということが起きると、結果的に参加者の満足度を下げかねません。
また、商品紹介だけで終わった場合は、銘柄のPRにはなるかもしれませんが、視聴者はただ情報を得ただけで、販売につなげる観点からは完全に「機会損失」となってしまいます。
銘柄が市場で販売されているかどうか、WEB上でのリサーチは簡単にできますので、まずはターゲットとする海外市場ですでに流通があるのか、チェックをすると良いでしょう。
出典:JAPAN RAIL FAIR, Kanpai! Niigata Sake Workshop & Joyful Trains @ The Japan Rail Fair 2020
【2】現地の食文化との組み合わせを提案する
シンガポールで現在、どのような日本酒のオンラインイベントが実施されているかというと、基本的に日本国内で実施されている内容とほぼ変わりはありません。
しかし、絶対に抑えておきたい「海外ならではの日本酒の訴求ポイント」があります。
それは、紹介した日本酒を、現地の食材や料理とどのように飲んだらいいか、「現地食材とのペアリング」を考えてプレゼンできるようにしておくことです。
実際、イベント中に実施すされるQ&Aやアンケートでは、「日本酒の飲み方や、いっしょに食べると美味しいおすすめの料理はなんですか?」という質問やコメントが見受けられます。
その際、シンガポールの食材やお料理を事前に調べておき、日本食以外の料理となる「現地の食べ物」と、どのように飲んだらあうのかを、情報提供することがかなり重要となります。
それによって、日本酒を身近に感じてもらうとともに、普段の食事で日本酒を試してみよう!と思ってもらえるきっかけを作ることができます。
弊社では過去に、シンガポールにおける日本酒市場の拡大を目的とし、12店舗の非和食トップレストランとタイアップして、現地食材をつかったシーフードと日本酒のペアリングメニューを2ヶ月間提供するプロジェクトをご支援しました。
スペイン料理、フランス料理、欧州料理、インド料理、アジア料理など非和食の料理とペアリングをすることで、シンガポール在住の様々な文化圏の生活者と日本酒との距離を縮めることができました。
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【3】熱量を持って英語でプレゼンできる人を用意する
オンライン酒イベントに限らずですが、話し手の熱量や思い入れは、画面を通してもかなり伝わるものです。
正確な情報を発信することも大切ですが、それに気をとられすぎて講義のように淡々と説明口調になってしまうと、イベントは聞き手に飽きられてしまいます。
ただ単にセミナーっぽい説明で終わらせないためには、プレゼンター本人の言葉できちんと語り、表現や気持ちを視聴者に伝えることが重要です。
パッションが伝わるプレゼンターの表現力こそ、オンラインイベントの成功のカギとも言えます。プレゼンターの良しあしで、イベントが成功するかどうかが決まると言っても、決して過言ではありません。
弊社では過去に、シンガポール在住の日本酒ソムリエのAdrian Gohさんを講師としてお招きして、「新潟への旅」と「新潟のお酒」をテーマにしたセミナーを実施しました。
出典:JAPAN RAIL FAIR, Kanpai! Niigata Sake Workshop & Joyful Trains @ The Japan Rail Fair 2020
チケットを購入した方には家に日本酒が届きイベントに参加しながら日本酒が楽しめるイベントで、配信はJRカフェシンガポールのFacebookページにて実施。
お酒の産地をより体験していただくために、新潟県そのものを紹介するパートを入れ、イベント全体で日本酒と新潟の旅が楽しめるように企画されました。
自分自身も実際に酒蔵に足を運び、その土地を見てきた日本酒ソムリエのAdrian Gohさんからのお話は説得力がバツグン。参加者からの満足度も高く、再度別の企画もやって欲しいとのコメントも多く頂きました。
出典:JAPAN RAIL FAIR, Kanpai! Niigata Sake Workshop & Joyful Trains @ The Japan Rail Fair 2020
日本酒ではありませんが、弊社では過去に「焼酎」のオンラインイベントをご支援させていただいたことがあります。
焼酎は、日本酒に比べてシンガポール国内ではまだまだ知名度が低いため「(焼酎を)飲んだことがない」という方がイベントの参加の半分以上を占めていました。
焼酎がまだ市場に浸透してないシンガポールで、焼酎の認知度をあげるきっかけとして実施された本イベントでは、世界中で「焼酎マスター」として活躍するChirstpherさんを起用。
事後アンケートででは、参加者の80%が「大変満足」と回答し、コメントでは
- More of such workshops pls!(もっとこんなワークショップ企画してください!)
- Enjoyed the session with Christopher even though I am not much of a drinker. Thanks for the interesting sharing!(お酒をあまり飲まないけれど、クリストファーさんのセッションは楽しかったです。)
- The presenter and host were very entertaining(プレゼンターとホストがとてもエンターテイナーだった)
など、Chirstpherさんの人柄や魅力的なプレゼンテーションが高く評価される結果となりました。
出典:JAPAN RAIL FAIR, Japan’s Best-kept Secret Vol.2 ~ Awamori & Shochu Flavor Basics~ @ The Japan Rail Fair 2020
熱いパッションとともに流暢な英語で魅力を伝えられるプレゼンターをキャスティングし、イベント参加者のエンゲージメントを高めていくことはとても大切です。
企画をする際には、誰がどのように伝え、どのように視聴者を引き付けるのか、事前に戦略的に設計しましょう。
英語でプレゼンをすること自体が日本人にとってハードルが高く、表現方法によっては、視聴者への満足度にも大きく影響を与えてしまいます。
英語でプレゼンが難しい、もしくは通訳が日本人プレゼンターと同じぐらいの熱量を伝えられない場合は、現地のプレゼンターを起用することをおすすめします。
【4】プレゼンターとのすり合わせを事前にしっかりする
起用したプレゼンターやゲストに、商品を紹介・説明してもらう場合、事前に商品の詳細や製造過程、生産者がかける思いなどを、できるだけたくさん情報として提供しましょう。
日本酒の場合は、自分の蔵元や会社の「営業担当」を育てるかのように、きちんと情報を提供してフォローをすることが大切です。
サンプルの商品と商品説明書を渡すだけでは、プレゼンターも魅力をきちんと伝えられない場合があります。
プレゼンターが商品に思い入れを持てるほど、商品について理解してくれたら、より魅了的に商品を紹介説明してもらえます。
具体的にはこのような点について事前に情報提供されることをおすすめします。
- 商品のこだわり
- 会社のコンセプト、思い
- 地域の文化
- 酒蔵の歴史
- 原料(麹についてなど)
- 製造方法
- おすすめの飲みかた、おすすめのペアリングのお料理
【5】インタラクティブなコンテンツ作りをする
オンラインイベントを開催する際には、参加者とのやり取りを密にし、インタラクティブ(対話的)にすることが大切です。
- 講演者と参加者が交流をできるようにクイズを出す
- Q&Aのセッションを設ける
- コメント欄からコメントをいくつかひろう
など、積極的にオンライン上でやり取りを楽しめる空間づくりをしていきましょう。
海外市場をターゲットにする場合は特に、交流の頻度を日本で行われるよりも倍くらいやるイメージで、オンラインでのコミュニケーションを積極的にとることをおすすめします。
インタラクティブになるように意識していても、事後のアンケートで「もっとインタラクティブにしてほしかった」という声もあるほどなので、オンラインでのコミュニケーションは「即レス・即反応」くらいのスピードで、密に行うとよいでしょう。
これは一つの事例ですが、お酒のイベントでは、事前に手元に用意したお酒をもって、参加者全員でオンライン上ながら「乾杯」をすることがあります。
MCから「カメラをオンにしてください」と呼び掛けても、日本では恥ずかしがってあまりオンにしてもらえないのではないかと思います。
しかし、シンガポールでのオンラインイベントでは、ほとんどの人がカメラをオンにして、たくさんの人が写真撮影に応じてくれました。
セミナーでも、講義形式ではなく講師と直接会話したり、クイズやQ&Aで実際に声をONにして本人が直接参加してくれたりするシーンも見受けられます。
参加者が「(自分が)参加している」という感覚をイベントを通じて感じてもらえると、高い満足度を得ることができるので、ぜひインタラクティブなコンテンツ作りを意識してみてください。
出典:JAPAN RAIL FAIR, Kanpai! Niigata Sake Workshop & Joyful Trains @ The Japan Rail Fair 2020
【6】現地事業者と協働してイベント配信する
オンラインイベントの配信方法は、あまり語られていないかもしれませんが、重要なポイントの1つです。
ご自身のプラットフォーム(自社のSNSやWEBサイトなど)で配信することは、物理的には可能だと思います。
しかし、より多くの潜在顧客へリーチして、最終的に購買に繋げていくためには、必ずしも自社のプラットフォームを使うことが良いとは限りません。
ターゲット層が合致して、テーマと親和性のある現地のコミュニティをもつ事業者をみつけることができるのであれば、そのような団体とコラボして実施することをおすすめします。
日本酒のオンラインイベントであれば、以下のようなアプローチが考えられます。
- 現地の日本政府観光局にコンテンツを取り上げてもらう
- 現地の旅行代理店とのコラボレーション
- 現地のレストランとのコラボレーション
そのほかにも、各国でメジャーなメディアや、ホテル、ECショッピングサイトなど、ターゲットとなる顧客層がフォロワーになっている可能性の高い現地の事業者と共同し、コンテンツを配信するのもよいでしょう。
外部と連携すると予算が気になりますが、現地の日本政府観光局でしたら、構成やタイミング次第で無料でできる可能性もあります。
現地事業者とどのように連携していくか、弊社ではより具体的にご相談を承れますので、ご希望の方はこちらからお気軽にお問い合わせください。
最後に(まとめ)
【1】紹介する日本酒の流通経路を事前に確認する
【2】現地の食文化との組み合わせを提案する
【3】熱量を持って英語でプレゼンできる人を用意する
【4】プレゼンターとのすり合わせを事前にしっかりする
【5】インタラクティブなコンテンツ作りをする
【6】現地事業者と協働してイベント配信する
以上、日本酒オンラインイベントを成功に導く6つのポイントでした。
過去にオンライン日本酒イベントを実施されたことがある方は、すでに得ているノウハウにプラスして、より購買に繋がって満足度の高いイベントを企画する際に、本記事が参考になればうれしいです。
弊社では日本酒・焼酎の海外市場向けBtoB・BtoCイベントを数多く手掛けており、海外市場での販路開拓を継続的にご支援させていただいています。
具体的なご相談にも随時対応していますので、ご希望の方はこちらよりお気軽にお問い合わせください。
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