日本産さつまいもがシンガポールで大盛況!現地最新レポートと販促事例
海外への輸出量が2013〜2022年の10年間で年平均20%上昇した、日本産さつまいも。
とりわけ、香港、タイ、シンガポールの3カ国で輸出の約9割を占めており、シンガポールは輸出量が世界第3位の市場となっています。
ですが、輸出額の推移を前年度比で比較すると、香港、タイ、シンガポール、台湾の上位4カ国のうち、シンガポールのみが順調に毎年、前年比で輸出額を増加させています。
シンガポールではこれまでマレーシアやタイ産のさつまいもを食べる文化はあっても、日本産のさつまいものように素材単体を焼き芋のように調理して食べても美味しいものではありませんでした。
加工しなくても甘くて美味しい日本産さつまいもは、シンガポール市場にとって驚きであり、大人気の大手日系スーパーが焼き芋の販売を行うなどの結果、確実にリピーターが増加している傾向があります。
このブログでは、シンガポール在住者ならでは視点から、シンガポール市場のさつまいも事情についてご紹介させていただきます。ぜひ参考にしてみてください。
世界市場の中でも日本産さつまいもが大人気なシンガポール
シンガポールへの輸出額伸び率は年々上昇
日本産さつまいもの輸出量・輸出額は年々増えており、輸出量は2013年から2022年まで年平均20%上昇しています。
なかでも香港、タイ、シンガポールの3カ国で輸出の約9割を占め、シンガポールは輸出量が世界第3位の市場です。
【参考】「財務省貿易統計 甘薯輸出国」をもとに弊社作成
輸出額の推移の前年度比を比較してみると、香港、タイ、シンガポール、台湾の上位4カ国すべてが前年度を毎年上回っていますが、シンガポールのみが順調に前年比の割合を毎年更新しています。
【参考】「財務省貿易統計 甘薯輸出量・輸出額」をもとに弊社作成
「日本産さつまいも」の検索数、シンガポールが全世界で1位
シンガポールでの日本産さつまいもへの注目は高まる一方なので、今後の輸出拡大がさらに期待できると考えられます。
なぜならシンガポールで日本産さつまいもの美味しさが明らかに知れ渡り、普及し始めている状態にあるからです。
実は、シンガポールではこれまでマレーシアやタイ産のさつまいもを食べる文化はあったのですが、素材単体を焼き芋のように調理して食べる文化はあまりありませんでした。
ところがシンガポールに2017年に創業したドンキホーテ「DON DON DONKI」が店内で販売していた紅はるかを使用した「焼いも」が、連日行列ができるほど人気を獲得。
「DON DON DONKI」は、日本産の「加工しなくても甘くて美味しいさつまいも」の魅力を普及させ、日本産さつまいもの美味しさを広める火付け役となったように感じます。
実際に、グーグルトレンドで「Japanese Sweet Potato」で検索した人数は、2004年以降世界全体で増え続けているのですが、なかでもシンガポールは検索国1位となっており、シンガポール市場が日本産さつまいもへの熱い視線を送っていることがよくわかります。
【出典】Google トレンド(2023年4月20日現在)
さつまいも流通事情|販売されている品種や値段は?
シンガポールでは、日本人向けスーパーからローカルスーパーまで様々な品種のさつまいもが並んでいます。
実際に日本産のさつまいもは、2021年にベトナム産を抜いて輸入量1位となりました。
【出典】OEC, Where does Singapore import Sweet potatoes, fresh or dried from? (2021)
ですが、実際に店舗の流通を見てみると、ローカルスーパーではオーストラリア産、タイ産、ベトナム産が安価で多く出回っています。
日本産のさつまいもは、日系のスーパーでは簡単に手に入れることができるようになっており、ECサイトでは冷凍の日本産さつまいもも販売されているほどです。
以下の表は、シンガポール国内の日系スーパー、ローカルスーパー、そして主要なECサイトでの各種さつまいもの品種別・原産国別に、2023年4月売値をまとめたものです。
一見するとシンガポールのさつまいも市場は飽和状態のように見えますが、素材の美味しさが市場に普及し始めていることを考えると、販売価格次第で他国のさつまいもシェアを奪う可能性さえあります。
シンガポール市場参入を検討する際の参考としてぜひご活用ください。
【参考】弊社調べ
【参考】弊社調べ
ちなみにシンガポール国内のスーパー事情については、以下のブログに詳しくまとめているので参考にしてみてください。
シンガポールのスーパーマーケットまとめ|価格帯やターゲット層とは
シンガポールではさつまいもスイーツが大人気
シンガポールでは、さつまいもを使用したスイーツの特集を目にすることがあり、「紅芋モンブラン」なども人気を得ています。
特に、ISETAN SCOTTSにある松蔵ポテトの「スイートポテト」はローカルのファンも多くとても人気です。
ISETANでは2022年に千葉県産のさつまいもフェアが実施され、多くのお客様で賑わっていました。
また、シンガポールでは「ボボチャチャ」や「オンデオンデ」という、さつまいもを使用した伝統スイーツがあり、日常的にさつまいもを食べる習慣があります。
◾️Bubur Cha Cha(ボボチャチャ)
ココナッツミルクを使った伝統的なマレーシアのスイーツです。
マレー系の方が多く消費しているイメージがあり、日本の和菓子のように日頃から常に食べるスイーツというわけではありませんが、ボボチャチャが食べれる比較的人気なお店には、シンガポールに2店舗ある「Ah Chew Desserts」などがあります。
【出典】Curious Cuisiniere, Bubur Cha Cha (Malaysian Coconut Milk Dessert), September 9, 2019
◾️Ondeh Ondeh(オンデオンデ)
ひとくちサイズでココナツのコーティングがされている芋のお餅で、こちらもマレーシアのスイーツです。
家庭で作られることもあるスイーツで、1シンガポール国内に40店舗以上ある人気のお菓子メーカー「Bengawan Solo」でも販売されています。
【出典】FairPrice Webサイト
【おまけ】輸出へのハードルは低いが輸送クオリティの担保が必要
シンガポールに日本産さつまいもを輸出する際には、植物検疫証明書なしで輸出可能なためハードルは低いと考えられます。
一方で、シンガポールは湿気が多いので、輸送時にカビが発生するなどの問題があります。
株式会社くしまアオイファームは、シンガポール市場への日本産さつまいもの輸出を牽引している企業ですが、梱包に結露防止フィルムを使用するなどの工夫を施し、輸送時のリスクを抑えています。
輸出の際は品質を保つための対策や工夫を検討しましょう。
【出典】農林水産省,「平成28年度輸出に取り組む優良事業者表彰」受賞者の取組内容 – 2.各受賞者の取組内容 – 株式会社くしまアオイファーム(宮崎県串間市)
さいごに
シンガポールではこれまでマレーシアやタイ産のさつまいもを食べる文化はあっても、日本産のさつまいものように素材単体を焼き芋のように調理して食べても美味しいものではありませんでした。
加工しなくても甘くて美味しい日本産さつまいもは、さつまいも好きなシンガポール人にとって魅力的な商品だと捉えられています。
実際に輸出額が年々増加している傾向からもわかるように、販売価格での市場競争力次第ではあるものの、今後より一層他国のさつまいものシェアを奪う可能性さえあるほど、市場拡大のポテンシャルはあると考えられます。
日本産さつまいもの海外販路拡大に取り組みたい企業や自治体の皆様は、ぜひ参考にしてみてください。










