オンライン観光ツアーを実施する前に!必見チェックポイントまとめ

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新型コロナウイルスの出現により様々な市場のトレンドが様変わりし、シンガポールでは観光分野で続々とイベントのオンライン開催が広まりました

弊社でもいくつかのイベントを手掛ける中で痛感したのは、

「オンラインツアー」と「訪日観光(インバウンド)」の相性が非常に良い

ということです。

そこで今回は、弊社が手掛けた中で、最も大規模なオンラインイベントとなったTHE JAPAN RAIL FAIRを取り上げ、オンライン観光ツアーを実施するためのHOW TOを、惜しみなく大公開します。

これからオンラインツアーの実施を検討されている方にとっては必見のポイントばかりです。ぜひ参考にしてみてください。

 

「オンラインツアー」と「訪日観光」の相性の良さを裏付ける事例【THE JAPAN RAIL FAIR】

「オンラインツアー」と「訪日観光(インバウンド)」の相性が非常に良い

とは、一体どういうことなのでしょうか?

結論を先に申し上げると、まず発信側は、参加者からの反応をダイレクトに感じ取ることができ、参加者のニーズにリアルタイムで応えられる術を得ることができます

従来のリアルタイムイベントではなかなか実現することができなかった、参加者のリアルな情報を収集することで、オンラインイベント自体が直接的な利益を生む取り組みでなかったとしても、将来的に収益性のあるサービス展開に必要な情報を得ることができるのです。

加えて、シンガポール市場をターゲットとした場合は、オンライン観光ツアーに参加する視聴者(シンガポール在住の方)側のメリットも非常に大きくなるという特徴もあります。

シンガポールは国土が小さいため「国内旅行」という概念がなく、シンガポール在住の人々は、コロナ禍において1年近く「旅行(=海外旅行)」ができていません。

オンライン観光ツアーような取り組みは、バーチャルで旅行先とつながることにより、旅行先の様子を映像で見て体感するだけでなく、現地とつながってコメント機能などを通じて実際に対話することもできるため、「海外旅行の擬似体験」を楽しむことができます。

同時に、コロナ禍が落ち着いた後に行きたい海外旅行を考えるための情報収集の機会も提供できます。

オンライン観光ツアーはシンガポール市場が抱えているニーズに、完璧に答えることができるといっても過言ではないでしょう。

 

出典:THE JAPAN RAIL FAIR

このことを裏付ける事例として詳しくご紹介したいのが、過去シンガポールで2年に渡り、「日本の旅」をテーマにオフラインイベントを行なっていたJR Cafeが、2020年に新型コロナウイルスの影響下で実施した、オンライン観光ツアーイベント「THE JAPAN RAIL FAIR」です。

■イベント名:The Japan Rail Fair – A Virtual Trip to Japan –

■日時:2020年11月19日(木)〜22日(日)/11月27日(金)〜28日(土) ※計5日間

■主催:EAST JAPAN RAILWAY COMPANY Singapore Branch Office / Vivid Creations Pte Ltd

■内容:
合計18の自治体・団体が参加し、日本各所の観光地をシンガポール人向けに中継する無料オンラインイベント。コロナ禍においても地域の魅力を継続的に海外へ発信し、訪日観光誘客への取り組みを続けることで、コロナ禍明けに日本旅行を検討している人々とつながりを育むことを目的に実施。日本各地とのライブ中継を中心とする18のオンライン観光ツアーを通じて、シンガポール在住の潜在的な訪日観光客となる層にリーチし、想定以上の参加者数・反響を獲得。

実施した内容は多岐にわたりましたが、なんといってもこれまでオフラインイベントでは実施してこなかった「現地との生中継」が企画の目玉です。

本イベントでは、Facebookのイベントページ機能を利用し、体験型コンテンツのプログラム等を合計18種類、Facebook Liveで配信しました。

出典:THE JAPAN RAIL FAIR

結果は、予想を上回る規模のオンライン視聴者数を記録。中継中の動画へのコメントには「ここに以前、行ったことがある!」「日本が懐かしい」「早く日本に行きたい!」という日本愛に満ちたあたたかい声が後を絶ちませんでした。

結果として「シンガポール市場には日本が大好きな人たちがこんなにたくさんいるんだ」という感動を、出展者・主催者と分かち合うことができました。

オンラインイベントは、オフラインイベントよりも圧倒的に定性・定量的な効果を可視化しやすいということを改めて実感しました。

出典:THE JAPAN RAIL FAIR, HOKKAIDO LOVE @ The Japan Rail Fair 2020

シンガポールはそもそも国土が狭いので、「国内旅行で地方に行く」ということもなく、「旅行=海外旅行」がほとんど。そのほかは、近くの公園に行ったり、「Staycation」といって国内のホテルに泊まることくらいしかできません。

そのような市場背景もあり、オンライン上でも現地を臨場感たっぷりに感じられるように徹底的に調整した結果、参加者のニーズに十二分応えられるコンテンツを提供できました。

 

従来のリアルイベントや観光プロモーション施策では「訪日観光客となりうる潜在顧客の率直な意見」を可視化し、情報収集することは大変困難でした。

オンライン観光ツアーを開催することにより、参加者からの反応をダイレクトに感じ取ることができ参加者のニーズにリアルタイムで応えられるようになるという、これまではなかった大きな成果が得られるのです。

今後の訪日観光客に向けた取り組みとして、オンライン観光ツアーをやならい理由がみつからないほど、おすすめの施策です。

オンラインツアーの質を左右する5つのポイント

「オンライン観光ツアー、ぜひやってみたい!」

そう感じた方も多いかと思いますが、実はオンライン観光ツアーをやって成功させるためには、それなりに細かく綿密な準備が必要です。

なぜならオンライン観光ツアーを成功へ導く最大の要因は、参加者の満足度を担保することにあるからです。

以下より先は、THE JAPAN RAIL FAIR日本各地との中継を軸に構成された18のプログラムを実行するにあたって、注意深く検討し気を付けたポイントを具体的にご紹介していきます。

今後オンラインイベントを実施予定の方はぜひご参考までにご覧ください。

1.現地との中継で「臨場感」を演出すること

現地に行けないからこそ、リアリティを感じられる映像配信は絶対的に必要です。

とくに参加者に臨場感を味わってもらえか否かは、コンテンツの満足度に直結します。

THE JAPAN RAIL FAIRでは、日中だけでなく夜間のプログラムもありましたが、どちらもその土地の特色を生かした魅せ方や演出ができるように意識し、入念にチェックしました。

いくつか具体例をご紹介します。

(1)クイズで参加者を巻き込んだ香川県の「栗林公園」

香川県の「栗林公園」では観光客に人気の夜間のライトアップの様子をご紹介しました。

出典:THE JAPAN RAIL FAIR, LIVE from Kagawa: Ritsurin Garden Light-up @ The Japan Rail Fair

現地のプレゼンタ―と、オンラインで司会進行をするMCとのやり取りを通じながら、見どころの解説だけでなく、現在の気温や天気に触れたり、途中でカフェを覗いてみたりと、ライブ感のある演出もありました。

中でも一番臨場感が感じられたのは、ライトアップされている対象に対するクイズが出され、参加者はコメントからクイズに答えることができるシーン。

「この植木の中に2つの動物がいるそうですが、それはいったいなんでしょう?」

というクイズに、参加者から「龍」や「猫」「鶴」など、さまざまな回答が寄せられ、MCと現地のナビゲーターが回答を取り上げつつ盛り上げていました。

参加者が本当に公園を散策しているかのような気持ちになれるよう、巻き込む演出が臨場感を生み出していました。

(2)現地市場への理解を示し親近感アップを図る沖縄県の「国際通り」

沖縄からは国際通りを紹介し、随所に沖縄ならではの民謡や歌が取り入れられた演出がありました。

また、現地のプレゼンタ―が「シンガポールでもおなじみ」ということに触れたうえで、ドン・キホーテのや、沖縄限定タンブラーが手に入るSturbacks、沖縄発のコーヒーブランド35COFFEEなどを、散策しながら紹介しています。


出典:THE JAPAN RAIL FAIR, Okinawa –Oasis of Japan– @ The Japan Rail Fair 2020

シンガポール市場の様子への理解を示したうえで街歩きをリードしていく姿に親近感を持ち、本当にいっしょに国際通りを歩いているみたいな気分になります。

(3)シンガポール人が大好きな海産物を紹介する北海道の「魚場市場」

ウィンタースポーツの地や美味しい海産物で有名な北海道は、シンガポールでも大人気。

プログラムは日曜日の午前中に実施され、活気ある魚場市場をライブ中継し、臨場感をオンタイムで感じられるコンテンツになりました。

出典:THE JAPAN RAIL FAIR, HOKKAIDO LOVE @ The Japan Rail Fair 2020

現地のプレゼンタ―とMCとのライブ感のあるやり取りを軸に進みますが、生中継なので、何が起こるかわからないワクワク感や、現地の人とのふれあいも期待できて大変盛り上がりました。

グルメが大好きなシンガポール人の心を満たすように、歩きながら様々な海産物をその場で紹介し、オススメの食べ方を解説しています。

旬のカニは生きている状態で紹介し、ついつい画面上でキャプチャを撮りたくなってしまうほどです。

2.現地の人の声・現地ならではの情報を入れること

臨場感が伝わる生中継には、やはり現地の方の登場は必須です。

静岡県のプログラムでは、「玉露の里」にて緑茶を飲む『茶道会体験』を中継しました。


出典:THE JAPAN RAIL FAIR, Shizuoka: Green Tea & Autumn Leaves @ The Japan Rail Fair 2020

玉露の茶葉のお点前をいただける体験で、現地のプレゼンターがバイリンガルで質疑・解説しながらすすめていきます。

お茶を点ててくださる先生から直接、美味しいお茶の点て方から、茶道のおもてなしの心得まで伺えるようにし、まるで直接体験に参加しているかのような気分が味わえます。またこのプログラムでは事前に撮影したビデオも取り入れられ、お茶の歴史やお茶室の特徴なども細かく解説されており、非常に情報量の多いプログラムとなりました。

これは、現地の出演者を含めすべての関係者が、「コンテンツを海外の人に伝えたい」という気持ちを心からもって、コンテンツの開発・設計・運営に臨んだことの現れです。

より良いPRイベントとするためには、どのような内容を発信したいのか、現地のコーディネーターや関係者がきちんと考え、伝えたい情報を盛り込む設計にすることが大切です。

3.たのしく魅力的に伝えてくれるプレゼンターは必須

現地で中継をするプレゼンターのスキルセットは、ライブ感のある魅力的なコンテンツ配信に直結する重要なポイントです。

  • 言語力
  • 解説力
  • 楽しい人柄

特に現地にいる外国人の方をプレゼンターとして起用したプログラムは、コンテンツへの説得力がとても強まりました。

英語が堪能で、PRする地域が大好きな日本人ガイドも、コンテンツ力を強化する重要な役割を担っていました。

香川県の「栗林公園」での現地プレゼンターは、プログラムのMCとの掛け合いも絶妙。まるでテレビのレポーター経験がある方のようなプレゼンテーション力を発揮されていました。

出典:THE JAPAN RAIL FAIR, LIVE from Kagawa: Ritsurin Garden Light-up @ The Japan Rail Fair

4.見てて飽きないプログラム構成

伝えたい情報とキャスト、生中継するロケーションやプログラムの構成が決まった段階で陥りやすいのが、プログラム自体の面白さです。

参加者はオンライン参加のため、気軽に参加できる一方で、気軽に退出することもできます。

見ていて飽きてしまうようなコンテンツでは、せっかく一生懸命を作り込んだとしても参加者は減る一方で、意味がありません。

特に気を付けたいのは、プレゼンテーションを行うボリューム。多すぎてはつまらなくなってしまいます。

一方で、参加者の注意を惹くグルメ情報はとても有効です。買い物情報等も取り入れると良いでしょう。

また参加者が飽きない内容を考えるだけでなく、どのような流れで進めるかも大変重要なポイントです。

高知県馬路村のゆず畑のプログラムは、プレゼンテーションで一般的な情報やルートを説明してから、中継で現地プレゼンターが様々な施設を案内しました。

その後、再びプレゼンテーションを挟むのですが、その間に現地プレゼンターが場所を移動して、別のロケーションからまた中継するという流れでした。

出典:THE JAPAN RAIL FAIR, Discovering Umaji Village’s Yuzu: A virtual tour to Kochi’s best kept secret! @ The Japan Rail Fair 2020

5.エンゲージメントを高める参加者とのキャッチボール

参加者とのキャッチボールにより、相互の交流が生まれます。インタラクティブな場になるように意識することは、参加者のエンゲージメントを高めることができるため重要なポイントです。

THE JAPAN RAIL FAIRでは、オンタイムで寄せられる参加者からのコメントに、主催事務局とスポンサーで瞬時に対応するようにしました。

また、フェア全体の司会を用意し、現地プレゼンターとのやる取りを仕切ったり、プレゼンターの発言に反応したり、参加者の質問を投げかけたりと、「参加者と現地とのあいだを取り持つ役」として機能させました。

参加者とのQ&Aでは、リアルタイムに聞きたい情報を参加者から集め、現地プレゼンターやMCが答えていきます。プログラムの運営側にとっては、直接参加者の関心事が直接聞き取れるため、非常に有意義です。

Q&Aも盛り上がりますが、クイズを出題するとエンゲージメントが高まる傾向が見受けられました。

また、現地の特産品をお届けする企画や、購入方法を提示したり、食品の場合は実際にMCや現地プレゼンターが試食したりすると、参加者からの反応は強まりを見せます。

大分県別府のプログラムでは、事後アンケートに回答した参加者へ、別府産シイタケを使用した出汁をプレゼントをする企画が実施されました。

現地の特産品がもらえるとなると、アンケートを答えるモチベーションにもなります。実際に、本アンケートでは高い回答率を得ることができました。

出典:THE JAPAN RAIL FAIR, BEPPU Onsen steam cooking tour “地獄蒸し” @ The Japan Rail Fair 2020

このポイントをひと言で言い換えると、「一方的に発信しないこと」です。

ライブの醍醐味はその瞬間、リアルタイムに参加者とやりとりができることにあります。その価値を最大限活かし、参加者に的確な情報をスピーディーに届けることを意識するとよいかもしれません。

ライブ配信前に絶対確認すべき5つのポイント

コンテンツと同じくらい重要になってくるのが、テクニカルな配信環境の整え方です。

円滑なライブ配信ができなければ、どんなに良いコンテンツだったとしても、参加者に満足してもらえません。特にインターネット配信のスピードや接続状況などは、絶対的に確認・対応が必要なポイントになります。

一方で、しっかりやろうとするとテレビ局の中継セットほどしっかりした設備が必要になってしまうので、できる範囲で整えることが求められます。

以下にTHE JAPAN RAIL FAIRで実施したポイントをまとめましたので、参考にしてみてください。

1.システム担当者を設けること

ライブ配信ソフトなどを活用する場合は、経験豊かなテクニカルスタッフが作業を行うことをオススメします。

本番にシステムエラーが起きて、結局配信ソフトをうまく使いこなせずプログラムに支障が出てはいけません。

本番事故が起きるリスクを最小化できるように、経験豊富なテクニカルスタッフに任せましょう。

2.トラブルへの対応策を事前に練っておくこと

「トラブルが起きたときにどうするか」というバックアッププランは、できるだけ多く準備しておくことが大切です。

具体的にはインターネットの接続環境や、カメラ、音声などは、必ずバックアップできる機材や仕組みを用意しておきましょう。

屋外で撮影する場合は、当日荒天だった場合のプランも考える必要があります。

3.それなりに高スペックの機材を活用すること

実際に、いまでは個人所有のスマートフォンでも配信ができてしまう世の中ですが、その場合も手振れ防止のためにスタビライザーなどを使いましょう

音声は、現地プレゼンターのパフォーマンスにも影響するので、マイクでしっかり拾えるようにすることが重要です。

場所によっては照明を用意しておくのもベターです。より鮮明に映像を届けることができます。

4.関係者との連絡網を用意しておくこと

本番、どのような事態に陥っても連絡がつくように、関係者とLINEのグループチャット等で連絡が取れる環境を事前に用意することをオススメします。

本番中も常に連絡・連携できるスタッフを配置し、プログラムに支障が出ないように準備。グループチャットを活用しましょう。

5.テクニカルチェックとリハーサルを行うこと

当日になってプログラムが配信できないという状態になると、待ち構えていた参加者の期待を裏切る結果になりかねません。

テクニカルチェックはもちろんのこと、一度全体の流れをリハーサルしておくと、よりスムーズに本番を迎えることができます。

本番中、トラブルがあったりイレギュラーな対応が求められたりしても対応する余裕がもてるので、事前に必ずテクニカルチェックとリハーサルを行うようにしましょう。

最後に(まとめ)

オンライン観光ツアーを実施する前にチェックしたいポイントをまとめると、

  • 心から外国の人に伝えたいという気持ちでコンテンツ開発・設計・運営を行う
  •  現地の人やプレゼンターと連携し、自信持って地元のコンテンツを紹介する
    • 食・自然・アクティビティの情報は必須
    • なるべく現地の人の言葉で伝えるようにする
    • 英語でスムーズに説明できるようにするとパーフェクト
  • 参加者からのコメントはすぐに対応し、エンゲージメントを高める
  • テクニカル(機材など)は無理せず、できる範囲で。ただし、ネット環境だけは整備すること!

今回、THE JAPAN RAIL FAIRで手掛けた18のプログラムは、本当にどれも素晴らしいコンテンツばかり。

改めて日本の各地が持つ文化力・地域資源の質の高さに驚かされました。

オンライン化の波に乗って、日本各地にある素晴らしいコンテンツが、オンラインツアーという形で世界に羽ばたき、多くの海外の方に認知され、その魅力がより一層伝わっていくことを願っています!



ご相談はありますか?

「これからオンライン観光ツアーを実施したい」と考えていらっしゃる行政機関や企業・団体の皆様、具体的なお困りごとやご相談はございませんか?

弊社での取り組みに関して、情報交換等のご希望がございましたら、ぜひ以下よりお気軽にご連絡ください。

地域の魅力がより効果的に伝わるオンライン観光ツアーが実施できるように、ご一緒に知恵とアイディアを考えて伴走させていただきます。