海外プロモーション施策でオンラインイベントをやるべき理由|成功事例3選
いまや日常の一部ともなってきている、オンライン会議やオンラインイベントの数々。シンガポールでもオンラインで開催されるイベントが一気に増えてきました。
毎年リアルなイベント会場で行っていたイベントも、今や続々とオンライン化しています。
例えば、現地で50万人以上が訪れるといわれる超人気の台湾フードフェス「Shilin Night Market(Digital Shilin Singapore)」は今年オンラインでの開催となりましたが、まるで本当に屋台を巡っているかのよう。
オフラインイベントの時よりもゆっくりメニューを見られるので、ついついたくさん買ってしまいます(笑)
そこで今回は、シンガポールや東南アジアで人気のオンラインイベントを詳しくご紹介します。また後半では、コロナ禍だからこそできる「海外プロモーション施策としてのオンラインイベント」を詳しく解説しました。
みんなまだ試行錯誤しながら進めていますが、至るところに工夫があるのでぜひ参考にしてください。
語り手: Vivid Creations – Han Rui
シンガポール生まれ。 日本文化と言語に深い関心があり、さらに理解を深めるためVivid Creationsに入社。和食の大ファンで、世界中にある日本料理の”うまみ”を探求している。夢は、日本のコンテンツをシンガポールに橋渡をし、またその逆も行うこと。弊社ブログ連載「HARAPECO BLOG」担当。
人気のオンラインイベント事例紹介
Shilin Night Market(Digital Shilin Singapore)
台湾はシンガポール市場で非常に人気です。
「Shilin Night Market」は毎年シンガポールで開催されている、台湾のSinlin Marketを再現したフードフェス。
期間限定で開催され、台湾の料理や文化が堪能できるオフラインイベントです。
過去数年間は恒例の行事となり、2019年には6日間で50万人以上ものひとびとが来場したともいわれています。
しかし、2020年はコロナウイルスの影響で、例年通りのオフラインでの開催を断念。
迅速にオンラインプラットフォーム上で開催が決定し、「Shilin Night Market」を催した特設イベントサイトが設立されました。
Webサイト内では出店する様々な台湾料理の店舗を見ることができ、オンライン上の会場は「Play」「Eat」「Shop」「Fun」の4つのカテゴリに分かれています。
「Eat」のカテゴリでは、オンライン上で注文した料理をデリバリーで指定の場所に届けてもらえる新しい楽しみ方が生まれました。
オーダーの仕方は簡単で、タイアップしているPickuppというデリバリーサービスのアカウントを作成し、Pickuppのウェブサイト上で商品で注文すれば、郵便番号を入力するだけで簡単に手配することができます。
また、「Shop」にある手作りクラフトや台湾土産にピッタリな商品も、東南アジア5カ国でNo.1の売上規模を誇る急伸中のECブランドShopeeを通じて手に入れることが可能に。
そのほかにもアーティストによる演奏が無料でオンライン配信されていたので、コロナ禍で旅行ができないにもかかわらず、自宅で台湾の食事もお土産も音楽ライブもすべて楽しめてしまうことに…!
事後は、一部商品やコンテンツに限って、現在もオンライン販売を担うECプラットフォームとしても機能しているようです。
THE JAPAN RAIL FAIR
JR東日本シンガポール事務所主催のオンライン旅行博「THE JAPAN RAIL FAIR」。
新型コロナウイルスの影響で制限される訪日旅行への需要維持を目的に、海外市場に向けた継続的な日本の地域情報を発信。日本や鉄道をテーマに開催され、海外在住者が日本の魅力を気軽に体験できる仕組みになってます。
2019年までは、シンガポールにあるJAPAN RAIL CAFE主催で「日本の旅」をテーマとする期間限定のオフラインイベントを開催しており、弊社でご支援させていただいていました。
Kira Kira Wanderland – Gifts & Travel Fair – JAPAN RAIL CAFE主催イベント
しかし2020年に入ってオフラインイベントの開催が中止となるだけでなく、シンガポールから日本への往来も厳しい規制がかかることに。
「日本の旅」をテーマにイベントを開催していた立場から、実際に日本へ旅行できるようになるには時間がかかるものの、オンラインで日本とシンガポールを繋ぐイベントを行うことができないかと模索した結果、誕生したのが「THE JAPAN RAIL FAIR」です。
出典:THE JAPAN RAIL FAIR – A VIRTUAL TRIP TO JAPAN Facebook page
出展したのは、高知県、静岡県東南アジア事務所、愛媛県、香川県観光協会、沖縄県などの地方自治体のほか、日本航空、旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)シンガポール支店、アルピコホールディングス(長野県松本市)、JR北海道、JR九州など、全18団体。
開催期間5日間の間、数多くのバラエティに富んだコンテンツが企画・実施されました。なかには参加者に日本が誇る文化のひとつ『駅弁』を事前にお届けし、車窓からの映像を観ながら駅弁を食べるというものも。また、日本各地をオンラインで生中継する「バーチャルトリップ」が各所で開催され、静岡県からは茶道体験、香川県からはライトアップされた国立公園の様子などが紹介されました。
プログラムの運営とあわせて、従来の旅行博のように、訪日旅行に興味のある在シンガポールの方との個別のやりとりが可能な「オンライントラベルブース」をご用意し、さらなる観光需要の喚起が図られています。そのほかにも、体験型オンラインワークショップや、オンライン上で観光に関する相談ができるブースも用意されました。
オンライン上で開催されるウェビナー参加者などの一部以外、原則参加費は無料。参加人数の制限もなし。
国土の狭いシンガポールでは、国内旅行の需要喚起が難しい。オンラインでも日本の文化や空気感を感じられるコンテンツを提供したことで、参加者からたくさんの「いいね」や好意的なコメントが寄せられていました。
オンラインイベントでは、参加者からの反響を視覚的に直接感じることができます。中継先の地方の方々も、寄せられるコメントに嬉々とした表情でインタラクティブな雰囲気が生まれていました。オンラインイベントの可能性を感じる事例です。
Tiger Street Food Festival
マレーシア市場をターゲットにタイガービールが開催したバーチャルイベント「Tiger Street Food Festival」は、イベントを宣伝するプロモーションビデオを見るだけでワクワク感が伝わってくるイベントです。
参加者は無料で楽しむことができ、必要情報を登録して自作のアバターを制作。RPG空間のような会場アバターが練り歩き、さまざまなキャラクターと会話をしたり、出店する店舗に赴いたりすることができます。
出店店舗の中にはイベントとコラボした限定商品を提供するお店もあり、注文した参加者には1人当たりタイガービール1缶がおまけでついてくる!「おまけ」というだけでついついタイガービールで乾杯したくなります。
出店するお店は、クアラルンプールのSelangor StreetとPenang Streetにある飲食店88軒で、店舗から15㎞以内に滞在している参加者は、フードのオーダーとデリバリーをバーチャル空間上で注文することができます。
アバターを活用したRPG空間での売買は、今後注目のトレンドともいえるでしょう。
仮想空間上での3Dアバターの展示会として2018年から開催されている「バーチャルマーケット」はもはや世界最大級のVRイベントと言われており、2020年4月末から期間限定で開催されたイベントでは、バーチャル伊勢丹が出現するほど。アバターに着せる洋服なども、現代ではすでに「売買する商材」として成り立っています。
国外への物理的な移動が困難な状況が続けば、THE JAPAN RAIL FAIRの事例から垣間見れるように、当然VRで旅行気分を味わいたいというニーズも現れるはずです。技術的にまだ発展途上とはいえ、今後のテクノロジーの発達とイベント産業へのインパクトを伺いつつ、どのような取り組みができるか考えていく必要がありそうです。
海外市場向けオンラインイベントを開催すべき理由
もちろん、イベントのオンライン化がもたらすメリット・デメリットは様々です。
ですが、海外市場向けプロモーションを目的とするオンラインイベントには、実はメリットがたくさんあります!
- 物理的な制約を越えてさまざまなオーディエンスにリーチすることができるため、コンテンツを提供するために使うチャネルや規模が以前よりもローコストで拡大する
- オンライン上での開催となるため、1度の開催で受けれる参加者の母数が無制限になる
- 主催者は参加者のインサイトやデータを吸い上げやすくなるため、調査がしやすくなる
- 全体的な運営コストを以前より軽減することができる(スタッフの雇用、宿泊・移動費、会場費などが不要になる)
- 出演者や講演者の物理的な移動を含むコストを削減することができる
強調したいのは、コスト面でのロスが減るというメリット。これが非常に大きい。
従来は期間限定のイベントを開催するためだけに会場設営費を投資し、日本からの渡航・滞在費を確保し、イベント当日の人件費も「会場規模=集客規模」に応じて膨れ上がっていました。経済コストはイベントの規模に比例して大きくなっていたということです。
にもかかわらず、実際イベントを開催して得たリターンからそれらのコストを引いて投資対効果を可視化していた主催者は、いったいどれくらいいるでしょうか? 実際のところ、そのような企業はなかなかありません。
従来企画していたオフラインイベントをオンライン化して開催する、というだけで、状況は一変します。
会場に入る収容人数が、オフライン時よりも圧倒的に増える一方で、人件費・宿泊費・移動費はさほど変動しなかったり、むしろゼロになります。投資対効果を追えていない企業だったとしても、費用に対するリターンの算出は簡単。オフラインイベントを実施していた頃と比較しなくても簡単に増えていることが実感できるはずです。
さいごに
これまであまりオンラインイベントを海外プロモーション目的で実施することを検討してこなかった方も多いと思います。
海外への往来が簡単にできなくなった今こそ、オンラインイベントを通じて気軽に国境を越え多くの人にリーチできるように戦略を立ててみませんか?
そんな時に役立つのが、先の成功事例での取り組みです。まだまだほとんどのイベント主催者が試行錯誤ですが、ご紹介した事例にあげられている工夫が役立つことを願っています。
また、最後に一つ、過去10年、シンガポール市場で日本のコンテンツに関するイベントマーケティングやプロモーション案件に携わってきた弊社よりお伝えしたいことがあります…。
実はこれまで、渡航費・運営費を含む様々なコスト面での懸念から、シンガポール市場からはじめる海外市場展開への模索を見送るお客様がたくさんいらっしゃいました。
様々な国から多様な人種が集まっているシンガポール市場は、まさにアジアの縮図とも考えることができ、テストマーケティングの地としての価値が非常に高いと考えられています。「とても魅力的だが、コストが…」と仰る企業様を前に、ご支援したくとも我々の成す術なし。その度に歯がゆい想いに駆られることもありました。
ですが、市場のデジタルシフトに伴い、シンガポール市場に向けた取り組みが始めやすくなったということは、これまでコストがネックで海外市場開拓に踏み出せなった企業様にとっては、新たなビジネスを展開するチャンスだとも言えます。
「何から手を付けていいのかわからない」という方や、シンガポール市場に向けたオンライン・バーチャルイベント等の開催をご検討中の方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
現地法人ならではの情報をご提供しつつ、新しいビジネスチャンスを生かすことができるように、ご一緒できますと幸いです。
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