コロナに左右されない!地方の観光地でいますぐ取り組める4つのポイント
観光業界では新型コロナウイルス感染症の影響で、インバウンド(訪日外国人観光客)の需要回復について、さまざまな情報が飛び交っていますね。
刻一刻と変わる状況の中で情報収集しても、終わりの見えない「ウィズコロナ」、いつ訪れるかわからない「アフターコロナ」をまえに、身動きが取れなくなっている地域や観光事業者も多いのではないでしょうか?
実際、中国・四国地方を中心にコロナ禍での観光事業をサポートさせていただくなかで「今後にむけた一歩をどう踏み出せばよいか」というお悩みをよく聞きます。
ですが、例年だと繁忙期で余裕がないはずのシーズンに観光地が閑散としている、というこの状況をチャンスと捉えると実は「いまできること」がたくさんあります。
今回は、日本各地で観光事業に関わる実績を持つ弊社パートナー:石原より、コロナの情勢に左右されすぎず、来訪者が少ない「いま」だからこそ取り組める4つのポイントをご紹介します。
不確実な未来に「具体的に何をすればいいの?」と感じられている観光産業に関わる地方行政や事業者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
実施中のコロナ対策を「見える化」する
たとえば、日本の公衆衛生環境は、世界的に見ると、基本的に平常時においても水準がとても高く、整っていると言われています。
新型コロナウイルスの対策では、日本がロックダウンや強制的な移動制限などを政府が行わずに、第1波の感染拡大が日本で収まった理由を、海外では「解明できないミステリー」と報じるメディアもあったほど。
世界的に「旅行中の安心・安全の確保」への重要度が高まっていることから、現在実施中の感染拡大対策をきちんと「見える化」することは、今後も非常に重要なポイントになると思います。
対策が「見える化」されていることで、旅行中の宿泊先や訪問先として、観光客は事前に検討し、選ぶことができるからです。
立ち止まって考えてみれば、感染症対策以外の内容でも、日ごろから情報発信することが困難だった地域は多かったのではないでしょうか?
そうした場合は、今回の事態をチャンスと捉えて、情報発信をする仕組みや体制をつくること自体を強化することができるかもしれません。
たとえば、これはほんの一部のアイディアですが、以下のような内容に取り組んでみてはいかがでしょうか?
- ウェブサイトや宿泊予約サイトのトップページに、感染拡大防止対策や旬な情報を記載する
- 観光客へのガイドラインをオンライン上で公開し、来訪前に事前に確認してもらうようにする
- 感染予防対策や現在の観光地の様子を動画におさめ、ウェブサイトやSNSで情報発信する
もちろん、ここでご紹介したようなアイディアをすべて取り組むべき、というわけではありません。
ポイントは、「旅行者が旅行先を検討する段階で、情報収集できるようにしておくこと」です。
実例を挙げると、京都市観光協会は、京都観光オフィシャルサイトで、混雑情報を可視化しホームページで公開することで、3密を回避して観光を楽しんでもらえるようにしています。
出典:京都市観光協会「京都観光オフィシャルサイト 京都観光Navi」(https://ja.kyoto.travel/comfort/)
また、シンガポール航空は、利用者が安心して飛行機に搭乗できるように機内サービスやルールを改定し、その内容を動画で公開しています。
現場で起きているリアルな情報を、旅行者が事前に把握できるようにすることで、安心した旅行体験を提供できるだけでなく、感染予防意識を事前に高めたり、地域に感染症を持ち込まないように心がけていただいたりもできると思います。
情報発信力強化、ぜひ取り組んでみてください!
観光プロモーション活動で使う写真や動画素材を撮り直す
観光地や宿泊施設、飲食店などは、これまで何年も同じ写真や動画素材を使って宣伝していませんか?
いつも混雑している観光地に観光客がいないということは、普段はなかなか撮れない写真や動画が撮れるチャンスで、特に夏や秋口の良い天気の日は、景勝地の写真撮影にベストなコンディションとなります。
これまでずっと同じ素材でPR活動をしてきたという方は、ぜひこのチャンスに素材を撮りなおしてはいかがでしょうか。
観光地の素材の取り直しには、様々な相乗効果も見込めます。
例えば、地域の中で「ありきたり」となっているような主要観光地を改めて撮影しなおす場合は、撮影対象の魅力的を再発見・見直す取り組みにもなりえます。
同時にこれは将来的にインバウンドの需要が回復した際には打ち出せる新たなPRポイントを発掘できる可能性も秘めているので、いま取り組まない手はないでしょう。
しかも、ここ数年で実施回数が増えている「ファムトリップ」を将来的にやってみようと考えている場合は、特におすすめです。
「ファムトリップ(FAMトリップ)」とは、海外のインフルエンサーや旅行代理店を対象とする視察ツアーを通じて、ブログやメディア・動画等のさまざまなコンテンツを制作してもらい、海外市場にPRする取り組みです。
このような取り組みを行うまえに、観光地の魅力をさまざまな視点で再発見できていると、ファムトリップに参加した海外メディアに対して、写真撮影の仕方(アングルや撮影すべき時間帯など)や魅力をより具体的に伝えられるようになります。
時間があって観光客が少ないいま、今後の需要回復に備えて、これまで誘客していた主要観光地の魅力を見直してみましょう。

リピーターの需要に応える「観光コンテンツの磨き上げ」をする
近頃、観光産業に関わる方々の間でよく耳にするキーワード、「観光コンテンツの磨き上げ」。
具体的にどのようなことか、ご存じない方も多いかもしれません。
富士山、ゲイシャ、お寺、寿司、紅葉、桜…
「日本」というイメージと紐づく代表的ものは、訴求するべきポイントとしてすぐに考えつきますよね。
もちろん、初めて日本を訪れるひとは、このようないわゆる日本的で、その地域を代表するイメージとあうものを見たり、体験したいと思っていることがほとんどです。
一方でデータをみてみると、2019年の訪日旅行客は3,100万人を記録しましたが、そのうちリピーター旅行客は「64%」、10回以上リピートしている客層は「4%」を記録し、全体の半分以上が「リピーター」でした。*
- なぜリピート客が半数以上を占めているのか?
- なぜ何度もリピートする層がいるのか?
それは日本には、まだまだたくさんのユニークな場所があることを知っていて、リピートして未開の地へ行きたいと思うからだと考えられます。
そのような市場動向なか、長年同じような観光スポットや、地域の代表的な情報の発信しか行っていない場合は、より深く多様な地域の魅力を体験したいと感じているリピーターの需要に応えることができません。

このような背景を踏まえて「観光コンテンツの磨き上げ」を捉えなおしてみたいと思います。
明確な定義はありませんが、ここでは一端、「地域の観光の魅力を従来の一面的なものの見方・情報発信ではなく、より深みのある多面的な見せ方に変えていく取り組み」のこととしましょう。
広島を例に考えてみると、まず「広島の観光地」といえば、名前が挙がるのは「厳島神社」です。
定番中の定番で、日本人でも「一度は行ってみたい」と思う場所のひとつだと思います。
ですが、2回以上広島に来ている訪日外国人観光客や国内旅行者を考えると、「もう一度(もしくは何度も)広島に行きたい」と思わせるためには、厳島神社以外の観光地の魅力を発信することは必要不可欠です。
同時に、厳島神社には興味がないという層に対しても、別の観光地を通じて広島の魅力を発信することで、再度誘客へのアプローチができます。
実際に、私自身、広島には厳島神社以外にさまざまな場所へ足を運んだことがありますが、北の山側から、南の瀬戸内側も端から端まで、すばらしい観光地がたくさんあります。
地域の隠れた魅力をどう情報発信していくか、比較的余裕のあるいまだからこそ、改めて時間をかけて取り組んでみてはいかがでしょうか?
*出典: 国土交通省 観光庁
平成29年訪日外国人消費動向調査【トピックス分析】訪日外国人旅行者の訪日回数と消費動向の関係について
~韓・台・香・中の訪日回数の多いリピーターは1人当たり旅行支出が高い~
誘客力が弱かった地域は、これまでの弱みを価値に変える
これまで知名度が低く、観光誘客が思うにいかなかった地域は、「観光客がたくさんいない」ことを、「ソーシャルディスタンスの確保」と「三密回避」が可能であるという強みに変えることもできそうです。
実際に、鳥取県では県知事自らが「人の居ないスペースたくさんある鳥取へ」という観光メッセージを発信し、感染症予防の観点を訴求する方向にシフトチェンジしました。
発信するメッセージとあわせて、今後のインバウンド需要の回復を見据えて考えておきたいのは、これまでの弱みを強化する取り組み。
訪日外国人観光客の「日本への旅行目的」は、1位が「食」、2位が「ショッピング」、3位が「自然景勝地」です。*
市場の動向を捉えたメッセージの再検討だけでなく、以下のような取り組みもあわせて実施すれば、需要回復後に大きな成果が期待できると思います。
- 充実した食体験やショッピング体験などのコンテンツ開発
- 景勝地の魅力が発信できる動画・写真コンテンツの整備
- 市場ニーズを捉えたあたらしいお土産品・物産等の開発
*出典:訪日外国人数の推移は?訪日の目的と、国別・費目別消費額から消費動向を探る(2019/06/11)

最後に(まとめ)
以上、地方の観光地でいますぐ取り組める4つのポイントについてご紹介しました。
「ピンチはチャンス」とはよく聞く言葉ですが、先行き不透明な未来を嘆くのではなく、足元に広がる「いまできること」を着実に実施して前へ!
コロナの情勢に振り回されることなく、「新しい生活様式」ならぬ「新しい旅行様式」が定着化する流れを見越して進んでいきましょう。
アクセスが良い首都圏近郊エリアでも、秘境と言われるような奥地でも、さまざまな日本の魅力が今後さらに世界へと発信され、人々の心を動かし、地域の価値向上や循環が進むことを願っています。
ご相談はありますか?
コロナ禍・after/withコロナ時代でのビジネス展開について、お困りなことはございませんか?
弊社ではあらゆる面で先進的な取り組みが行われているシンガポール市場での知見を用いながら、様々な日本企業様の課題解決に関わらせていただいています。
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