海外進出に向いている?中小企業の診断チェックリスト
正直、日本企業の海外進出はそんなに甘くありません。
それなのに、その厳しさや事前に検討すべきポイントを具体的に示す情報が少ないため、補助金などを活用して海外進出に乗り出したけど「なかなかうまく進まない」と悩んでいる方が多いです。
特に予算も限られる中小企業にとっては、事前にどれだけ具体的な情報収集ができるかは、海外進出の命運を分けるとも言えます。
そこでこの記事では、シンガポール市場で14年以上に渡り日系企業の進出を支援してきた弊社独自の視点で、中小企業の海外進出において重要なチェックリストを具体的にご紹介します。
「自分の会社が海外進出に向いているのか?」を判断する材料になるので、ぜひお役立てください。
【1】進出先の海外市場の理解度チェックリスト
進出先の嗜好性や文化的な特徴をまったく情報収集しないまま「補助金があるから」というような理由で海外進出に向け時間やお金を投資する企業は、ほとんどのケースで失敗します。
特にシンガポールでは日本の商品はすでに数多く流通しているため、参入する市場はすでに飽和状態。
その中へ飛び込むとなると、市場のニーズに合う商品と流通の仕組みを戦略的に考えなければ、ほとんど成功する確率はないと言っても過言ではありません。
シンガポール市場にかかわらず、海外進出を検討する際には以下の点を参考に、検討材料を揃えて事前に社内で議論を深めてください。
☑︎現地に関するデスクリサーチを徹底的に実施する
現地に行かなければわからないことが多々ある海外市場の事情ですが、インターネットを使ってリサーチできる限りのことは事前に実施しましょう。
具体的には以下のようなポイントは最低限、デスクリサーチで明らかにしましょう。
- 商談を実施できる可能性がある現地の企業
- 流通している商品のメーカー
- 流通している商品の価格帯
- 現地の最新トレンド
デスクリサーチを踏まえた上で「それでもわからない部分」を、現地に根ざす企業から聞き出したり、実際に視察に行ったりして埋めていくことで、より海外進出を成功に近づけるために必要な情報収集が行えます。
デスクリサーチでどこまで調査ができるのかについて、具体的に以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
海外の競合を日本から調査する限界|現地に行かないとわからないこと
☑︎ターゲットの設定がある程度できている
デスクリサーチの結果をもとに、進出先の市場の「どの地域」で「どんな商材のカテゴリー」に注目して進出を目指すのかを具体的に明確にしましょう。
たとえばシンガポールでは、以下のような日系の大手スーパーがあり、比較的国内のどの地域に住んでいても多くの日本食品・製品が手に入る環境があります。
- Isetan
- Meidiya
- Don Don Donki
- Fish Mart SAKURAYA
ですが、同じ日系スーパーといっても、客層によって価格帯が異なっています。
たとえば味噌を例に比べてみても、同じ商品であっても富裕層向けのスーパーと一般層向けのスーパーでは、約200〜300円ほど単価に違いがあります。
自社がどのような層をターゲットにしたいのか、また物理的にどのくらいの価格で輸出ができるのかという条件によっても異なるため、事前に明確にしておきましょう。
以下の記事ではシンガポールのスーパーに特化してまとめてお伝えしているので、参考にしてみてください。
シンガポールのスーパーマーケットまとめ|価格帯やターゲット層とは
☑︎国内と海外のターゲットが同じか吟味・検討する
日本とは文化や習慣が違う海外市場に進出する際には、これまで日本国内で販売してきたターゲットとは異なる客層にニーズがある、というケースも考えられます。
進出したい市場の文化や習慣を理解することも、自社の商品が向くか向かないかの判断材料になるので、必ず情報収集するようにしましょう。
具体的には先ほどご紹介した日本からできるデスクリサーチの例をまとめた記事で紹介している、有力メディア内での最新トレンド調査などをしてみましょう。
たとえばシンガポールは多民族国家で、民族の中にはマレー系(ムスリム)の方もいるため、食品関連の商材なら「ハラール認証」を取得すれば、マーケットの幅も広がります。
またシンガポール政府の働きかけによって、最近では健康を重視する動きが出てきており、飲料は、消費者が飲料を選択する際に「ヘルシアチョイス」という甘さを示したグレードのマークを参照し、糖分等が少ない飲料を識別できるようなっています。
ハラール認証や「ヘルシアチョイス」については以下の記事で詳しくご紹介しているので、気になる方はぜひご参照ください。
ハラール認証がカップ麺にも!?シンガポール人の購買を左右するハラール事情
【2】社内体制の充実度チェックリスト
海外進出を経営方針で決めたとしても、社内の体制として実現できる環境が整っていなければ「トップダウンの思いつき」や「絵に描いた餅」で終わりかねません。
ぜひ以下のようなポイントを参考にして、事前に社内で検討してください。
☑︎海外進出後のビジョンを社内で共有している
海外進出を検討しはじめ、実際に現地でセールス活動を実施し出しても、1〜2年目では結果が出ないことも多々あります。時間がかかるケースが多いということです。
そのため「時間がかかったとしても会社として海外進出を目指す」という経営戦略として、長期的な計画に折り込み、社内での共通認識を持つことをおすすめします。
なぜなら、このような環境がなければ海外進出に対して本気で向かおうというエネルギーが生まれないので、もう少しで道が拓けるというときに途中で挫けて撤退するケースが多いからです。
実際に、シンガポール市場進出を目指していたある日系メーカーでは、長期的な計画が事前に検討されていなかったために、シンガポール市場での試作も成功し、需要が生まれてきたタイミングで、進出を一時中断せざるを得なくなりました。
長期目線で続けることが重要なのではなく、海外市場進出を進めることで「10年後にはどうなっていたいか」を戦略的に捉え、先々の目標や打ち手となる施策を考えることが非常に重要です。
このようなもったいない事態にならないように、何か具体的に動き出す前から海外進出を「中長期的に注力する取り組み」として捉え、海外市場進出に対する社内での共通ビジョンを持つようにしましょう。
☑︎連携できるパートナーがいるか検討する
正直、自社単体で海外進出を実施しようとすると、かなり大変になることがほとんどです。
なぜなら、日本国内が拠点の企業の場合、どうしても国内のみでできる調査の幅が限られたり、現地の生の声を聞いたりすることが難しいからです。
現地のパートナー企業がいた方が成功確率をあげやすくなります。
たとえば高知県の「観光レップ」は、弊社との連携によって現地の旅行会社への営業活動を完全に委託することにより、旅行会社とのスピード感があって継続的な関係性の構築を長期にわたって生むことができています。
「観光レップ」とは、海外市場の現地に根ざし、自社の代わりに訪日観光誘客を進めたい観光地のPRをする事業者のことです。
以下では弊社が現地の旅行代理店との関係性構築を通じてどのように高知県の観光レップとしてご支援させていただいているかをまとめているので、参考にしてみてください。
シンガポールからの宿泊客を2倍以上に増やした高知県の新たなインバウンド戦略
【3】海外進出の担当者選びチェックリスト
海外進出の場合は、現地在住のローカルの方との交渉は避けて通ることはできません。
また、日本とは異なる文化や背景で育ってきた方々とのコミュニケーションは容易ではないため、日本の当たり前が通じないことがほとんど。
海外進出を実現するには、そのような現地の取引相手を理解し、交渉をまとめる力を持つ担当者の存在が必要不可欠となります。
以下のポイントを参考に、社内の海外進出担当を検討する参考としてください。
☑︎どんな環境でも、フレキシブルに環境に適応できる適応力がある
海外市場では、日本では当たり前の考えが通じないことが多々あります。
そのような環境の変化をいかに柔軟に乗り越え、適応していくかは、海外進出を実現するにあたって重要なスキルの一つです。
たとえばよく言われることですが、海外では日本と違って「空気を読む」「場を察する」などの習慣がまったくと言っていいほどありません。
相手にしてもらいたい要求ははっきりと伝えるコミュニケーション力が何よりも必要で、それをもちろん英語できちんとできることが最低条件です。
英語が苦手だという方だったとしても、多少英語が間違っていてもきちんと想いを伝えるという気持ちを持てる人が適任でしょう。
実際、日本人は「間違ったら恥ずかしい」「自信がないから話せない」という思い込みから英語を話すことを躊躇する人が多い気がしますが、身振り手振りを使ったり、知っている単語を並べるだけでも、通じるものは通じます。
翻訳アプリを使っても構わないので「言語の壁があるから」「英語に自信がないから」ということに逃げずに、どんな環境でも、フレキシブルに環境に適応できる適応力がある担当者の方が望ましいです。
翻訳アプリは「Deepl」の性能がとても上がっていて、実用性が高いのでぜひ参考にしてみてください。
☑︎忍耐強さがある
海外進出は容易なものではなく、1〜2年結果が出ないということも多々あります。
取引相手との交渉も、自分が思うペースと相手側のペースが違って、連絡がスムーズにとりあえず、滞ってしまうことも少なくありません。
例えば、シンガポールのバイヤーたちは忙しくしている人が多いので、メールやメッセージの返信が返ってこないことはザラにあります。
日本だと「何度も連絡すると迷惑かな」と思うこともありますが、海外ではそのまま放っておくと簡単に相手に忘れ去られてしまいます。
海外の場合は、どうしても相手と繋がっておきたいという場合には、しっかりとした返事をもらえるまで、めげずに連絡することも必要です。
定期的に相手にとってメリットのある話を提供することで、長期的な関係性構築も図ることができます。
たとえば商品のセールスでなくとも、定期的に近況の状況をシェアしたり、季節ごとの挨拶を送るなど、相手のことを気にかけている姿勢を見せることも重要です。
海外進出を成功させるには、忍耐強くコミュニケーションが取れ、言語や文化や習慣が異なっても相手に働きかけることができる担当者の方がいると心強いでしょう。
☑︎スピード感をもって柔軟に対応できる力がある
シンガポール市場は特に、コミュニケーションのやりとりのスピード感が日本に比べて早い傾向があります。
そのため、交渉においても「相手からの質問や要求にいかに早く反応ができるか」は成功の鍵を握るポイントにさえなります。
例えば、忙しい人はメールでのやり取りを好まず、LINEやWhatsAppなどのコミュニケーションツールでのやり取りを行うことが多くなっています。
また、商談会でも商品に対して「ここをもう少しこうしてほしい」といった要望があったとき、彼らの要求を断るのか、それとも柔軟に対応できるか素早く検討し返答するのかで、取引の結果が大きく異なります。
もちろん「リクエストすればなんでも応えてくれる」とは、取引先も考えていないケースがほとんどです。
ですが、要求に対して柔軟性を持って応える姿勢を見せれる担当者であるかは、シンガポール市場のバイヤーにとって非常に重要なポイントなので、ぜひ参考にしてみてください。
【参考】海外市場進出を本気で目指す日系企業をサポートする事業「RednoW」で開催された品評会で議論を交わすバイヤーと事務局
☑︎「海外進出を成功させる!」という情熱がある
「自分は経営陣から言われて、ただ海外進出の担当者になっただけ」という方もいるかもしれません。
ですが、そのような他人軸な姿勢は、商談会などを通じて確実に現地の取引先に伝わります。
担当者本人が海外進出への取り組みを楽しみ、情熱を持って、自社の商品を広げていく姿勢を持っていることが、海外進出を成功に導くには欠かせない要素となります。
例えば、ある小さな食品関連のメーカーは「自社の商品に誇りを持ち、自社の商品の良さをわかる人に利用してもらいたい」と、かなり明確なターゲットを想定して商談会に参加されていました。
商談をしたカフェに商談会後も赴いたり、カフェの経営者が日本へ来た際には自分の農園へ招待するなど、積極的なアプローチを行った結果、小さな数量ではありますが、実際にやり取りが始まったケースもありました。
取引成立に至ったのは「本当にシンガポール市場に進出したいと思っていて、あなたの力を借りたいんだ」という思いが伝わったからこそだと考えられます。
海外市場とはいえど、人と人とが共働することではじめて実現するのが、日系企業の海外進出です。
本気だという情熱や想いを伝えられる担当者が適任だと言える理由は、ここにあります。
【4】現地バイヤーとの商談準備チェックリスト
☑︎自社の強みを理解し、1分間でプレゼンテーションできる
海外では日本市場以上に自社の強みを明確に事前に伝えられるようにしておくことが非常に重要です。
なぜなら、海外では一気に競合の数が増えるため、月並みな差別化ポイントは埋もれてしまうからです。
実際の商談会では10分〜20分くらいと時間が決まっており、じっくり話す時間がありません。
自社にとって、これは絶対に伝えたい!というポイントを絞り込み端的にまとめることが重要です。
具体的には最低限以下のようなポイントを参考に準備してみてください。
- 他社と差別化できるポイントは?
- 社会への価値提供は?
- 他社に模倣できないポイントは?
例えば、食品商談会に参加したみりんを取り扱う事業者の方のセールスポイントは「これまでとは違うみりんの使い方」を前面に出していました。
みりんの使い方といえば、料理の艶出し、食材の煮崩れ防止、旨みを引き出すなどが一般的に知られています。
ですが、商談会で紹介した商品(みりん)は、はちみつに変わるデザートへのソースにも使えるなど、新しい使い方を伝えることで、商談相手の関心をひいていました。
食品の場合、卸業者も同じようなものを取り扱っている中で顧客へセールスをしなくてはいけません。そんな時に、他とは違うセールスポイントのある商品は、卸業者にとってもセールスがしやすい品となります。
相手が求めているのは、自社の歴史よりも圧倒的に「他の会社のものとは違う!」という魅力を知りたいのですが、商談会では限られた時間の中で商談相手に魅力を伝える必要があります。
時間を有効に使い、相手の求めるポイントなどを引き出す時間に使いましょう。
☑︎自分の言葉で伝える準備ができている
商談相手は大抵日本人ではないので、商談は基本的に英語ベースになることがほとんどです。
通訳をつけることもできますが、自分の言葉で伝えることができる方が、相手にもあなたの情熱や本気度が伝わり、成約率をあげる一助にもなるので、なるべく事前に「自分の言葉で伝える準備」を整えておきましょう。
実際に、自社の歴史や商品のストーリーをきちんと伝えることができて、それを気に入ってもらったことが制約した要因だったケースがありました。
シンガポールには知識意欲が高い人が多く、自分が口にするものや自分が使用するものにおいて、どんなストーリーが隠されているのか「今まで知らなかったことを知りたい!」という方も多いので、できる限り自分の言葉で伝えられるように事前準備しましょう。
☑︎デスクリサーチで現地バイヤーの状況を調査する
デスクリサーチについては、冒頭で別の記事をご紹介していますが、具体的には主に以下のような点を洗い出すことができるのが理想です。
- どのような商品を扱っているのか
- どんな国のメーカーが同カテゴリーで商品を流通させているのか(競合)
- どのような顧客層をターゲットにしていそうか(価格帯などを参照して仮説を立てる)
相手を事前に調査することで、商談会で聞き出すべきポイントの解像度をより高くすることができます。
これにより事前に相手に聞きたい質問事項をまとめることができるため、短い商談の時間の中で、しっかり情報の取りこぼしのないように工夫できます。
以下の記事では、主に日本の食品メーカーがオンライン商談会に参加する際に、いかに商談会で出会うバイヤーと、商談後のビジネス展開について、具体的なイメージを持つことが大切かをご紹介しています。
実際に検討すべきポイントを「やってはいけないこと」として具体的にご紹介しているので、食品メーカーの方はぜひ参考にしてみてください。
オンライン商談会の落とし穴!なぜ多くの企業が成約につながらないのか
☑︎デスクリサーチで見つけた現地バイヤーにアポイントメントを取る
現地に視察に行く際に、現地の様子は分かったとしても、店頭に立ってお客さんにインタビューするなどはなかなかできないため「現地の声」を直接聞くことは難しいです。
そのため、現地の動向や情報、ニーズを知るために、その分野のプロであるバイヤーに直接聞くチャンスを得られると、進出希望先の市場をより深く理解することができます。
なので、デスクリサーチをして洗い出した卸先(バイヤー)に、現地視察に行く予定がある場合は滞在中に商談ができないか、アポイントメントを取ってみましょう。
ターゲット市場で、もしまだターゲット層が決まっていないなら、ターゲット別に様々なタイプのバイヤーにアポを取って、商談の場で情報を聞き出し、方向性を探るようにしましょう。
実際に弊社で商談会をサポートさせていただく日系企業には、事前に気になるバイヤーや卸先を調査するようにお願いしています。
たとえ商談のアポが取れなかったとしても、食品の場合はレストランに行ってオーナーやシェフに話を聞いたり、お店の雰囲気をみたり、お店に来ている客層を見るなど、現地に行かないとわからない調査ができるからです。
実際、弊社でご支援させていただいたほとんどの日系企業が事前に調査をし、実際に現地のお店に伺うなど、積極的な姿勢で現地調査を行い、中には「商品紹介も行なってきた」という方もいました。
商談会に先駆けてのポイントを掴むことを知る機会にもなったようです。
【5】現地視察中にやるべきことチェックリスト
☑︎現地のバイヤーを訪問する(現地の人の声を直接聞く)
現地のバイヤーや卸先へ事前に連絡し、アポを取ることができたら、彼らが求めているものや市場のニーズが何なのかを徹底的に聞けるようにしましょう。
自分の商品のPRよりも、相手が求めていることを質問することによって自社商品が入り込める余地があるかどうかを探ることがポイントです。
具体的には、以下のような質問は最低限できるように準備しておきましょう。
- 今現在どんな販路を持っているのか
- 取り扱いしている競合商品がどんなものか
- その価格帯がいくらくらいなのか
- 卸先によってどれくらいのサイズ感が必要なのか
- 取り扱いしたいと思う商品はどんなものか
- レストランなどに卸しているのか、小売りなのか
- 業務用の商品を扱っているのか、B2C用の商品を扱っているのか
- 市場でどれだけ商品カテゴリが人気なのか
- 同カテゴリではどのようなパッケージが人気なのか
デスクリサーチではわからないことをとにかく片っ端から聞いていく姿勢で臨むことが重要です。
☑︎現地に行くことで「明確にしたかったこと」を確実に明らかにする
現地に行かないとわからないことを明確にするのが、現地視察において重大なミッションです。
デスクリサーチだけではわからない、以下の内容については情報を仕入れられるように、現地にいる間にチェックできるようにしましょう。
- 売り場の様子(商品の棚に何が並んでるか)
- 地域ごとの違いはあるのか
- 誰が購入しているのか
- 渡星まえに考えていたターゲットと相違がないか
- どの競合商品が売れているのか
- 撤退した競合商品はあるのか
- 現地でパートナーリングできる企業との商談で市場の状況を細かく仕入れる
☑︎滞在中、多角的に情報を集める意識で行動する
現地のバイヤーとの商談や滞在中に起きたことを大切にし、現地で深掘りするようにしましょう。
これにより計画していた以上に重要な情報を仕入れることができる可能性があるからです。
例えば、現地のバイヤーと商談ができたなら、会話の中で相手から、滞在中にチェックしておいた方がいい場所やお店、会った方がいい人などを紹介してもらえるかもしれません。
このような情報は絶対に逃さず、滞在中に会いに行ったり現地に赴いたりできるように調整してください。
このほかにも、以下のようなことも想定できます。
シンガポール滞在中に開催されている展示会に、商談していたバイヤーから「行ってみたらいい」と言われたら行ってみる
商談会中にバイヤーが「最近こんなブランドから問い合わせがあった」などと言っていたら、ブランドをメモして後から調査する
正直、海外進出では運や縁も大きく命運を左右するので、現地で起きた出来事に対して、このようなフレキシブルな対応ができないと、海外進出は実現しにくいとさえ感じます。
せっかくの現地滞在を有効活用するチャンスなので「できることはすべてやってから帰る」勢いで、現地での時間を過ごしてみてください。
☑︎考えている商品以外に可能性があるかもしれないという意識を持つ
よっぽどの進出先でない限り、ほとんどの海外市場において、日本産の商品が進出しようとする市場は、すでに飽和状態であることがほとんどです。
そのためどんなに事前に調査し計画していたとしても、現地視察を通じて「やはり飽和状態だから厳しい」ということが多々あります。
ですが、それでも諦めずに検討していた商材に少しアレンジを加えたり、別の現地で流行っているものと掛け合わせることで商機を見出す創意工夫をする姿勢を持つようにしましょう。
例えば、弊社では兵庫県姫路市のヤヱガキ酒造様とご一緒に「シンガポール料理にあう日本酒」を考案してブランド化し、販売しました。
日本酒単体ではなく「シンガポール料理にあう」という要素を掛け合わせることで、商品単体をただ輸出するという海外進出ではなく、新しい価値提供に形を変えて現地市場に参入しました。
このような視点に立つと、例えば「国産味噌」を現地市場に流通させたい場合、スーパーの「味噌売り場」だけみててもダメだということがよくわかります。
なぜなら、広い視野で捉えた時に、ひょっとしたらお菓子コーナーに「味噌スナック」が売っていて、商機につながるかもしれないし、あるいは「味噌ドレッシング」のようなものがあるかもしれないからです。
お菓子売り場やドレッシングコーナーまで行かないと、その可能性には出会えません。
実際に国産のお酢を商材として扱っている日系企業がシンガポール市場進出を検討されていた際に、普通のお酢の使い方だけでなく「料理のソースになる」と現地のバイヤーに伝えたら、反響があったことがあります。
このようなケースでは、お酢を商品として単体で輸出するよりも、ソースに加工した方が売れる可能性があるかもしれません。
「味噌を売る」「お酢を売る」という狭い視野でリサーチしても、海外進出の可能性を取りこぼす恐れがあるので、なるべく広い視野で、滞在中に進出の可能性を模索するようにしましょう。
さいごに
これまでたくさんの項目について、中小企業が海外進出をすべきか否か見極める「チェックリスト」としてご紹介してきました。
新しいことを始めるということは、常に大変なことですし、そう簡単なことではありません。
今回は弊社がこれまで数多くシンガポールの市場進出をご支援する中で見てきたこと・感じたことをチェックリストとしてまとめたので、逆を言えばこの記事でご紹介した内容に対して「できそう!」「やってみたい!」と感じられる企業は、ぜひ海外市場進出を本気でチャレンジしていただけたら嬉しいです。
この記事をきっかけに「海外進出を成功させたい」と感じたものの、具体的にどうしたらいいかアドバイスが必要という方は、ぜひお気軽に以下のフォームから弊社までご連絡ください。
この記事が日系企業の海外進出にお役立ていただけることを願っています。







